連絡先:
〒606-8501 京都府京都市左京区吉田下阿達町46
町北朋洋 (machi "at" cseas.kyoto-u.ac.jp)
職歴:
2004年4月から2006年3月まで、一橋大学経済研究所(日本・アジア経済研究部門、経済制度研究センター)にて研究に従事。2006年4月から2019年5月まで、日本貿易振興機構 アジア経済研究所(Institute of Developing Economies, 新領域研究センター、開発研究センター)にて研究に従事。その間、2010年9月から開発スクール(IDEAS)での教育を兼任。2019年6月より現職。2020年4月より京都大学大学院 アジア・アフリカ地域研究研究科(ASAFAS)東南アジア地域研究専攻(総合地域論)での大学院教育を兼任。
研究の相談と教育活動について:
各自の研究論文についての相談がある場合、専門分野、分析手法、専攻、学部・大学院、学年に関わらず、連絡をお待ちしています。オフィスアワーは毎週火曜日の14時から17時を予定しています。この時間以外に面談希望の方はメイルでお知らせください。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が収束しつつありますが、円安が急激に進行し、外国での現地調査も難しくなると思われます。こうした難しい状況の裏には、新しい分析手法、あるいは新しい学問が芽吹いているかもしれません。この状況を前提として、今後どういった手法を新たに導入して、私の専門である経済学研究だけでなく、地域研究や人文・社会・自然科学を行うのか良いか、みなさんと考えたいと思います。具体的には、大量の観察データや実験データ、より定性的な「シックデータ(濃密データ)」と呼ばれるものをどのように収集して、それを解釈するための理論を新たに作ってゆけるかという課題を、これから学生のみなさんと考えたいです。
「途上国研究の最先端」というリレー連載も、各自の研究論文のリサーチデザインを吟味する際に役に立つように思います。これは私の前の勤め先のアジア経済研究所の所員が毎週火曜日のお昼に催しているリーディング・グループが母体となったもので、アジ研のメディアでも紹介していただきました。また『アジ研60周年記念誌』(PDF)の98-99ページのTOPIC 13「議論のアリーナ――アイデアが生まれ、磨かれる場――」というコーナーに「経済学者の小さな巣」という寄稿をして、掲載していただきました。RGと呼んでいたこのグループは、私と同じ時期にアジ研に入所した高橋和志(@pta277、現在は政策研究大学院大学GRIPS)、高野久紀(@hisakijapan、現在は京都大学)、湊一樹(アジ研)と一緒に2006年の11月に作り、これまで多くのメンバーが参加しました。転出もあり、私も含め創設時の参加者はもうどなたも参加していませんが、現在のメンバーが続けており、開催は550回を超えています。
教育活動に関しては、前の勤め先のアジア経済研究所の開発スクール(IDE Advanced School, IDEAS)にて2010年以降、「経済開発論」を担当いたしました。IDEASでの講義に対して忌憚のない意見を寄せ、講師を育てた多数のIDEAS研修生に感謝しています。また、2015年秋に行われた第12回 日独先端科学シンポジウム(JGFoS)参加者とのやり取りから、講義内容を再検討するヒントを多数得ることができました。そこでの経験は現在担当しているASAFASなどでの講義に生かすことができ、記して感謝します。
過去と今後の担当講義:
2024年度
(予定)「Economic Approach to Southeast Asia Ⅱ」(2024年10月ー2025年1月、ASAFAS、英語)
(予定)「オムニバス 地域研究概論(世界の中の東南アジア)」(2024年6月、全学共通科目、日本語)
(終了)「オムニバス 東南アジアの環境と社会」(2024年4月、京都大学大学院 地球環境学堂、英語)
2023年度(終了)
「Economic Approach to Southeast Asia Ⅱ」(2023年10月ー2024年1月、ASAFAS、英語)
「オムニバス 東南アジア地域論」(2023年12月、京都大学ダブル・ディグリー・プログラム、英語)
「オムニバス 地域研究概論(世界の中の東南アジア)」(2023年7月、全学共通科目、日本語)
「オムニバス 東南アジアの環境と社会」(2023年6月、京都大学大学院 地球環境学堂、英語)
2022年度(終了)
「Economic Approach to Southeast Asia Ⅱ」(2022年10月5日ー2023年1月25日、ASAFAS、英語)
「オムニバス 地域研究概論(世界の中の東南アジア)」(2022年7月12日および19日、全学共通科目、日本語)
「オムニバス 東南アジアの環境と社会」(2022年6月20日および6月27日、京都大学大学院 地球環境学堂、英語)
「地域研究論ーー 地域研究のリサーチクエスチョンとリサーチデザイン」(2022年4月25日、ASAFAS、日本語)
2021年度(終了)
「オムニバス 東南アジア地域論」(2021年10月、京都大学ダブル・ディグリー・プログラム、英語)
「オムニバス 東南アジアの環境と社会」(2021年7月5日および7月12日、京都大学大学院 地球環境学堂、英語)
「東南アジア経済論 III」(2021年4月12日ー7月26日、ASAFAS、日本語)
2020年度(終了)
「オムニバス 東南アジア地域論」(2020年10月5日、京都大学ダブル・ディグリー・プログラム、英語)
「オムニバス 東南アジアの環境と社会」(2020年7月6日および7月13日、京都大学大学院 地球環境学堂、英語)
「東南アジア経済論 II」(2020年5月11日ー7月20日、ASAFAS、日本語)
研究セミナー:
アジア経済発展論研究会 (世話人、2019年6月ー)
都市経済学研究会 (世話人、2019年7月ー)
編集委員などの活動経験:
Corona Chronicles: Voices from the Field (コロナ・クロニクルー現場の声)共同編集人(2020年4月ー)
東南アジア研究 編集委員(2020年4月ー)
地域研究コンソーシアム(JCAS) 運営委員(2020年4月ー)
The Developing Economies 編集委員(2016年4月ー)
IDEスクエア 編集委員(2017年11月ー2019年5月)
アジア経済 書評分科会委員(2016年4月ー2018年3月)
アジ研ワールド・トレンド 編集委員(2009年4月ー2012年5月)
自己紹介とアウトリーチ:
新任スタッフ紹介(東南アジア地域研究研究所ニュースレター 第3号)
教員紹介(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科 東南アジア地域研究専攻 総合地域論講座)
ACADEMIC GROOVE Vol.2 BORDER p.03(京都大学学術研究支援室 KURA 編集、2021年2月1日)
「インドネシアの経済と社会への新しいメガネ: 最新の経済学・経済史研究の知見から」「インドネシア・デイ」(一般財団法人日本インドネシア協会および京大オリジナル株式会社主催、2021年3月22日)
筆者が行ったインタビュー:
ウィル・デ・ヨン「ラテンアメリカからアジアへ─世界を渡り歩く森林研究者が語るこれまでと、これから」(聞き手: 藤澤奈都穂、村上勇介、町北朋洋。2020年12月7日、京都大学東南アジア地域研究研究所)
渡辺一生 「地域研究のデジタルトランスフォーメーションと、 アカデミズムと社会との架橋をめざして」(聞き手: 帯谷知可、甲山治、町北朋洋。2020年10月22日、京都大学東南アジア地域研究研究所)
小島道一 「国際リサイクル・国際リユース:資源・製品なのかゴミなのか」(聞き手: 高橋学、吉田暢、町北朋洋。2018年11月5日、アジア経済研究所)
岩﨑葉子 「イランの商慣行から覗き見る経済制度の歴史」 (聞き手: 佐々木晶子、町北朋洋。2018年6月4日、アジア経済研究所)
菊池啓一 「「制度」を見ることでラテンアメリカ政治を深掘りする」(聞き手: 佐々木晶子、町北朋洋。2018年5月16日、アジア経済研究所)
長田紀之 「ミャンマー・ビルマの歴史から国家・国民の形成を紐解く」(聞き手: 佐々木晶子、町北朋洋。2018年1月22日、アジア経済研究所)
著書
『日本の外国人労働力 ――経済学からの検証』(中村二朗・内藤久裕・神林龍・川口大司と共著、日本経済新聞出版社、2009年6月
本書への書評 (日本経済新聞 2009年11月3日、評者: 樋口美雄・慶應義塾大学教授 )
本書への書評 (日本労働研究雑誌 2010年4月号所収、評者: 澤田康幸・東京大学教授)
第52回 日経・経済図書文化賞 受賞(2009年11月3日)
日本経済新聞の紙上でのプレスリリース(2009年11月3日)
日本貿易振興機構 アジア経済研究所(IDE-JETRO)からのプレスリリース(2009年11月5日)
日本語での論文・解説記事など:
「関係的取引の比較制度分析─信頼と連結性の視点から」長岡慎介編『イスラームからつなぐ2 貨幣・所有・市場のモビリティ』東京大学出版会、2024年4月。
「時間をかけて、ジャンルを越えて:ある批評家の日記から」CSEASニューズレター「かもがわ便り」2024年4月号。英文版は「Take Your Time and Explore: Lessons from the Diary of a Literary Critic」。
「飛び石の真ん中で」CSEASニューズレター「かもがわ便り」2023年5月号。英文版は「On Stepping Stones」。
「外国人雇用状況の届出」(特集: 労働統計の現在とこれから)日本労働研究雑誌 2022年4月号(No. 741)pp.42-45.
「速水佑次郎, 2000『開発経済学――諸国民の貧困と富』(創文社, 創文社現代経済学選書)」中西嘉宏・片岡 樹 編『初学者のための東南アジア研究』(京都大学東南アジア地域研究研究所, 2022年)
「末廣昭, 2000『キャッチアップ型工業化論――アジア経済の軌跡と展望』(名古屋大学出版会)」中西嘉宏・片岡 樹 編『初学者のための東南アジア研究』(京都大学東南アジア地域研究研究所, 2022年)
「知識の方が長持ちする――戦後イタリア企業家への技術移転小史」IDEスクエア 2020年7月 連載/途上国研究の最先端 第44回
「携帯電話の普及が競争と企業成長の号砲を鳴らす――インド・ケーララ州の小舟製造業小史」IDEスクエア 2020年1月 連載/途上国研究の最先端 第36回
「通信の高速化が雇用創出を促す―― アフリカ大陸への海底ケーブル敷設の事例」IDEスクエア 2019年10月 連載/途上国研究の最先端 第30回
「書評: 都留康著『製品アーキテクチャと人材マネジメント―― 中国・韓国との比較からみた日本』」『経済研究』(一橋大学経済研究所)第70巻1号(2019年)pp.73-76.
「国際労働移動」『国際開発学事典』 第11章に所収(国際開発学会編、丸善出版、2018年11月)
「移動するアジア」 『現代アジア経済論 - 「アジアの世紀」を学ぶ』 第2部「越境するアジア」第6章に所収(遠藤環、伊藤亜聖、大泉啓一郎、後藤健太編著、有斐閣、2018年3月)編著者の伊藤亜聖氏による概要
「途上国ではなぜ加齢に伴う賃金上昇が小さいのか?」IDEスクエア 2017年11月 連載/途上国研究の最先端 第1回
「大都市が労働者を有能にするか」アジ研・ワールドトレンド 2017年3月号 (No.257) 連載/途上国研究の最前線 第14回
「途上国の産業発展を理解する新視点—生産資源の再配分と経営慣行—」アジ研・ワールドトレンド 2016年4月号 (No.246) 分析レポート
「組織の生産性は経営慣行のあり方によって左右される」アジ研・ワールドトレンド 2016年2月号 (No.244) 連載/途上国研究の最前線 第1回
「労働の考古学―― セバスチャン・サルガードのまなざし-沈黙の力—」アジ研・ワールドトレンド 2015年10月号 (No.240) 特集:本の森への道案内
「日本の外国人労働力の実態把握―― 労働供給・需要面からの整理」日本労働研究雑誌 2015年9月号 (No.662) 特集:外国人労働の現状と課題
「紹介: 森田果著『実証分析入門—データから「因果関係」を読み解く作法—』」アジア経済 2015年3月号 (56巻1号)
「図書館の外へ」アジ研・ワールドトレンド 2014年4月号 (No.222)特集:新しい研究図書館を描く—海外の実践にみる知の集積・発信のいま
「労働移動」(佐藤仁志との共著)『東アジア統合の経済学』の第4章に所収(黒岩郁雄 編)日本評論社(2014年1月)
「フィールド・アイ- デンマークから③ While my name gently weeps」 日本労働研究雑誌 2013年11月号(No.640)pp.109-110.
「フィールド・アイ- デンマークから② We are in the same boat!」日本労働研究雑誌 2013年10月号(No.639)pp.98-99.
「フィールド・アイ- デンマークから① Teachers of the world, unite!」 日本労働研究雑誌 2013年9月号(No.638)pp.111-112.
「企業の規模を決めるもの: 最近の経済学研究の展望」アジ研・ワールドトレンド 2012年12月号(No.207)特集: 世界の中小企業
「特集にあたって」アジ研・ワールドトレンド 2010年8月号(No.179)特集:温故知新-途上国研究のわすれもの・新しい架け橋
「アジア経済研究所創立50周年記念連続特集の開始にあたって―― 誰に向かって、何を書くのか 」(川上桃子・山形辰史と共同執筆)アジ研・ワールドトレンド 2010年7月号(No.178)50周年特集ページはこちら。
「条件付き所得移転: 教育の政策評価が切り拓く制度革新・特集; 貧困削減のための制度的イノベーション-経済学に基づく実験」アジ研・ワールドトレンド 2009年8月号(No.167)
「連載: もっとやさしい開発経済学 第19回 国際労働移動-土地を離れる者と残される者」アジ研・ワールドトレンド 2009年6月号(No.165)
本記事は 高橋和志・山形辰史編著 (2010) 『国際協力ってなんだろう―― 現場に生きる開発経済学』岩波ジュニア新書 に再掲載
「論文Today: 若年期の離職経験は永続的な賃金損失を生むか?ドイツの徒弟データを用いた実証分析」 日本労働研究雑誌 2006年6月号
「書評: 梶田孝道・丹野清人・樋口直人著『顔の見えない定住化――日系ブラジル人と国家・市場・移民ネットワーク』」 東アジアへの視点(国際東アジア研究センター)2005年12月号
私の前の勤め先、幕張のアジア経済研究所(アジ研)の仕事場にて。いつも個室の扉が開いていたのは、書棚が既に一杯で、やむなく本を床に積み上げてしまい閉まらなかったからですが、こうして外に開いておくと、常にたくさんの同僚が訪ねてくれる楽しみもありました。また、この仕事場の向かいには大きな会議スペースがあり、そのスペースや、階段を降りて吹き抜けスペースや職場の中庭や食堂に移動してお互いの研究の話を続けることも。勤め先から次のように紹介されたことも良い思い出です。この仕事場から広い空を望むことができました。海も空も美しい千葉が懐かしいです。写真提供: Anthony D' Costa(2016/6/10撮影)