dcalc

格子定数から各結晶面からの反射指数と面間隔をリストにする、ごくシンプルなアプリです。電子線回折パターンの指数付け用ツールとして作成しました。(使用言語:Real Studio 2011→ Xojo2019)必要に応じて、気まぐれにアップデートを続けています。

ダウンロード

Mac OSX(32bit・64bit)、Windows(32bit・64bit)(ZIPで圧縮してあります)は、下記ボタンをクリックして移動した先から行ってください。

dcalcの使い方

計算ウィンドウの表示

  1. ファイルメニューのAdd New Window2, Add New Window3を選択すると追加の計算ウィンドウが表示され、計算結果を3つ同時に確認することができます。

結晶面間隔(d値)の計算

  1. タイトル(鉱物名など)を入力し、Crystal system で結晶系を選択してください。(注:コンマはファイル保存時にデータ区切りに使用するため、使用しないでください)

  2. 格子定数を半角数字で入れてください。立方晶など長さが等しい軸を持つ晶系は、a軸を入力してリターンすると、bc軸にも自動コピーされます。

  3. Max HKL で計算させる面指数の最大値をそれぞれ入力します。またはポップダウンメニューで選択してください。

  4. d-min で計算されるd値の下限を決められます。計算結果をエキスポートする際に、リストが不必要に長くなるのを避けることができます。空欄の場合は、Max HKLで指定された面指数の範囲のd値が全て計算されます。

  5. Extinction rules (lattice type) のポップダウンメニューで格子タイプを選択すると、格子タイプによる反射条件に違反する面(電子線回折における多重回折を考慮しても反射が観察されない面)を除外したリストを作成します。単純格子(P)を選択すると全ての反射のd値が計算されます。ブラヴェ格子で各晶系がもたない格子タイプを選択した場合は計算されません。

  6. Calculate d ボタンで計算、結果が右のボックスに格納されます。

  7. ボックスの d-spacings と書いてあるインデックスをクリックすると、dが大きい順にソートされます。再度クリックすると小さい順にソート。

  8. Export list ボタンをクリックし、結果のリストをテキストファイルで保存します(拡張子は.csv)。データは列がコンマ区切り、行は改行になっていますので,Excelなどで開いて簡単に印刷できます。

  9. d値のリストが長くなるのを避けるため、面指数の符号は異なるがd値が同じ面(例えば、単斜晶 (110) に対する (-1 -1 0), (1 -1 0)等)は表示されないようになっています(R格子を除く)。

  10. Create mineral file ボタンで、入力した鉱物名、結晶系、格子定数データのテキストファイルを作成できます(コンマ区切り。拡張子は.txt)。鉱物毎のデータファイルを作成し、読み出しに用います。

  11. Import mineral file ボタンで、10で作成したデータファイルを読み込むことができます。読み込みしたデータで角度計算を行います。

ベクトルの角度の計算

  1. 2つの結晶面の指数(HKL)を入力すると(注:各指数を入力後,リターンキーで確定してください)、Angle 欄に面角(逆空間では逆格子ベクトルのなす角)が計算されます。また、これらの結晶面に共通する晶帯の軸が Zone [UVW] 欄に計算されます。

  2. 2つの実格子ベクトルの指数 [UVW] を入力すると、Angle 欄にこれらのベクトルのなす角が計算されます。

TEM2軸傾斜ホルダーにおける合成角の計算

  1. TEMのホルダーでX, Y傾斜をした際の合成角を求めることができます。また、2種類の傾斜位置(Zone1, Zone2)のX, Y傾斜を入力すると、相対的な合成角を求めます。(注:計算は近似式を用いて行われますので、合成角が30°を越えると誤差が大きくなります。合成角30°での誤差は0.5°以内です。=> 追記:ロドリゲスの回転公式を用いて、近似なしで計算ができるようになりました。2017.9.5)

更新情報

  • 2004. 8.7 v1.1 面角計算機能追加。Export機能追加。

  • 2004. 8.11 v1.2 格子タイプの消滅則に対応。

  • 2004. 8.18 v1.3 データファイルの作成、読み出し機能を追加。

  • 2004. 8.31 v1.3 Windows版をリリース

  • 2007. 1.31 v1.4 デザインを変えました。HKLを入力した時点で,面角が表示されるようになりました。

  • 2010. 1.10 v1.5 名称をdcalcに変更しました。

  • 2011. 8.30 v1.6 hexagonal (trigonal)において、R格子の消滅則をONにして計算した際、0k0面が全てリストアップされてしまう不具合を修正しました。

  • 2011. 8.30 v1.6 Windows版を再開しました。

  • 2016. 2.14 v1.7 デザインの軽微な変更。

  • 2016. 4.18 v1.8 R格子の反射条件を、国際結晶学図表に合わせて h-k+l=2n から -h+k+l=2n に修正。主要鉱物の格子定数ファイルを追加。

  • 2016. 9.17 v1.9 計算するd値の下限を決められるようにしました。2つの結晶面が属する晶帯軸が計算されるようになりました。

  • 2017.8.18 v2.0 2つの格子ベクトルのなす角、TEMの2軸ホルダーのX, Y傾斜から合成角を求められる様になりました。

  • 2017.9.5 v2.1 合成角の計算が近似なしで正確に行えるようになりました。

  • 2018.2.6 v2.2 作成したMineral fileに、格子タイプも保存されるようになりました。d値を計算するhklの最大値を一元化して、選択を簡便にしました。

  • 2018.2.15 v2.3 DigitalMicrograph上で測長した1/d値と直接比較できるよう、1/dが表示されるようになりました。

  • 2018.8.23 v2.4 デザインの軽微な変更。

  • 2018.9.2 v2.5 計算ウィンドウを3つ同時に開くことができるようになりました。

  • 2020.8.2 v2.6 MacOS, Windows の64bit版に対応しました。