・ 生い立ち
昭和56年 群馬県太田市の農家に生まれました。といっても専業農家だったのは祖父の代までで(米麦養蚕、酪農)、私が生まれたときにはもう農業は縮小し、自家用+αの米と野菜を作るだけでした。
地元の太田市立中央小学校、東中学校、群馬県立太田高校を経て、一年浪人後、東京理科大学基礎工学部生物工学科へ。この学部は面白いところで、日本武道館での全学部合同の入学式が終わるとハイサヨナラーとばかりに空港へ連れて行かれ、そのまま北海道は長万部にて一年間の寮生活を過ごします。私にはとても過ごし易いところで、乗馬部に入ったり、毎晩草原に寝転んで天の川を見たりしていました。
二年次からは千葉県野田市のキャンパスへ。二時間半かけて自宅から通いました。通いながら地元でのボランティア活動、祖父からの農業学習などして過ごしました。
平成17年 大学卒業後、地元の金融機関に就職しますが9ヶ月で退職、その後アルバイト少々、自家の田畑で農の試行錯誤、ボランティアなどをして将来に悩みながら暮らします。
平成20年 「ありがとう新井町見聞記~100年後のふるさとへのおくりもの~」自費出版(完売)
(第12回日本自費出版文化賞入選)
平成21年 畑の隅に小屋を建て野菜直売所を始める(現在休止中)
平成22年 世界青年の船参加
〃 保育士試験合格(来るべき子ども農業体験プログラムに役立つかな、、、と)
〃 近所へリヤカー引き売り開始
平成23年 「“べぇ”の遺言~ばあちゃんの上州弁思い出アルバムより~」自費出版(販売中)
平成24年 結婚。夫婦で農を営んでいます。
平成25年 九合村物語~77の秘密~ 出版(編集委員会代表 太田市助成金による)
英検1級合格
平成26年 長男誕生
平成27年 浜町今昔散歩~濱から浜への橋渡し~ 出版(共著 太田市助成金による)
・ いきつくところはどこ?
「自分は何のために生きるの?」単純そうでむずかしく、考えれば考えるほどドツボにはまり、考えるたびに違う答えが出たりします。ただ今の時点において、個人的には「人生を愉しむこと」が一番大事なことだと位置づけています。といいながらストレスをためています、、、
もう少し社会的なミッションを挙げるとしたら、以下のように思っています。
「農を営みながら、なおかつ地球市民としての自覚を持ち、地域の子どもたちに、地域と結びついた幸せな思い出の種を贈り続けて死んでいくこと」
私は自分のふるさとである太田市の新井町というコミュニティに深い愛着を持っています。それは先祖代々の地であること、そこここに思い出がしみついていること、そして、尊敬するあるおじいさんと出逢えたことなどからです。今は亡きそのおじいさんは、新井町という単位に誇りをもち、色々な歴史や言い伝えを知っていて、それらを私に惜しみなく伝えてくれました。「そらのほし農園」の「そら」はこのおじいさんの名前に由来します。そんなわけで、このコミュニティの中で農を営みながら、自分がふるさとから受けてきた恩をこれからの子どもたちに還していきたい、と思っています。
ちなみに子どもたちへの幸せの種の贈り方ですが、年間数回の食農体験(田植え、稲刈り、餅つき、サツマ植え・掘り、落ち葉ヤキイモ)、神社の秋祭り盛り上げ、祭りでの獅子舞指導(篠笛、踊り)、町内においては消失寸前の田畑(=子どもたちの生き物つかまえの場)の 維持、などを考え、自分が子どもだったら、こんなことがあったら楽しいだろうな、という想像をベースに少しずつ実践しています。
・ やっていること
いろいろなことに手を出し、手を出すものの根っからの怠け者のため、すべてが中途半端になりつつありますが、とりあえずご紹介を。
農的暮らしの実践
新井町いきいきサロン(民生委員主催・高齢者対象)ボランテイア
学童保育アルバイト
交通指導員(通学時等の子どもの安全指導)
あら、いいね!の会(以下の三つの活動をしています)
→「あら、いんち」の運営(地域の誰でも集える居場所)
→「あら、いいこクラブ」(新井町のこどもたちを喜ばせる会)
→「あら、いい便り」の発行(会の活動報告を回覧板で通知)
獅子舞稽古・子どもたちへの指導
古民具収集(文化伝承のため)
年長者からの昔の話の聞き取り(地域の歴史、エピソード、方言、生活習俗など)
英語の学習(週2で塾講師/平成23年11月に英検1級に合格することを決めた)
バングラデシュに行くこと(現在までに6回訪問/ベンガル語も少しずつ学習する)
・ なぜ農業なの?
“農にまつわる原体験”が大きいと思います。作業を手伝った、というのではないですが、幼い頃から農の暮らしの中にありました。ジャガイモ畑でテントウムシを佃煮にするほどつかまえたこと、イチゴ摘みをしたこと、それをばあちゃんがグツグツ煮てジャムを作った後姿とあの香り、初夏には庭に稲の苗箱が並び、その上に柿の花が落ちている光景、そうするとゲロゲロと蛙が鳴き出し、夏が近いことを感じワクワクしたこと、じいちゃんがとってきた初物の菜っ葉のおひたしの味、盆と彼岸にはぼたもちをにぎり、それをほおばったり仏さまに供えたり、秋の新米の味を喜んだり、昔話に祖父母や先祖様たちが苦労して農で暮らしを立ててきた話を聞いたり、、、そういうものが自分の中で発酵したように思います。
さらに発酵を促進させたのは、大学時代に環境問題に関心をもったこと。現代の大量消費、大量廃棄のライフスタイルは到底持続可能ではなくて、一方でじいちゃんやばあちゃんが若い頃の日本の伝統的暮らしにはエコな知恵がいっぱい詰まっていると気付きました。それ以来、農を含めて色々な昔の暮らし方に興味がわき、寝掘り葉掘り聞きまくりました。
もうひとつ挙げるとすれば大学3年のときにバングラデシュを訪れたこと。この国は経済的にみれば発展途上国かもしれませんが、伝統文化が見事に保存され、人々は機械でなく「手」を使った持続可能な農の暮らしを営んでいました。この光景に魅了され、自分の国にもかつてあった「それ」を探し求めるようになりました。
まとめるとすれば、
農=原体験+エコ+アイデンテティー+バングラ
といえるかもしれません。