マクベス濃度計と簡易自作
マクベス濃度計 GretagMacbeth TR524 透過・反射両用濃度計
露出計改造型マクベス式濃度計。兼、引伸機・ビューカメラ用TTL
露出計。(各計算表貼付露出計面。ビュアー上は、各色基準自作
カラーベース。)
写真に少し詳しい方なら誰もがご存知の、マクベスカラー
チャートなどで有名な(写真業界以外では、マクベスカラー
チェッカーとも呼ばれてますが現在では、カラーチェッカー
・クラシック(ColorChecker Classic)の名称 )スイスの
マクベス社、GretagMacbeth社の濃度計と自作機の話です。
マンセルカラーシステムは、あらゆる業界で色の基準となって
いますが、印刷業界・ラボ業界で、アナログ時代からそれらを
数値化する為の計測機器としての濃度計は、必須機器であり
色彩ワークフローの基幹でした。
現在でも印刷現場では必需品ではありますが、デジタル写真
時代になり、カメラマンもRAW現像という作業で製版工程に
関わる都合上、パソコンのモニターキャリブレーション等で、
マクベス製品に知らない間にお世話になっている方も多いと
思います。
アナログ時代、GretagMacbeth濃度計は、私の理想の適正露出
算出用機器でしたが、フィルタ部品価格だけでも自動車が買える
高級品でした。
1970年代に一大ブームであった「ゾーンシステム」を更に
私的に改善したより正確な方式を実行する為に入手を考え
ましが、個人の作品制作用に買えるような物ではありません
でした。苦慮した私が考えて作ったのは、当時デジタル化され
始めた反射式露出計を改造した私製濃度計でした。
EV値が1/10表示されるようになったことで、0.3EV値表示差が
1/2の透過濃度差に換算出来て特性曲線を簡単に個人で出せる
ようになりました。
後年デジタル時代になり、やっと手に入れたこの「マクベス
濃度計TR524」ではありますが、意外と私製濃度計がとても
正確だった事を確認出来る結果が待っていました。
この露出計は、CDSやガリウム砒素リンの受光素子とは違い
シリコンブルーセルの受光素子の露出計ではありましたが、
モノクロでは問題ないもののカラーでは、感色性の偏りから
出る不正確なカラー濃度値を手製の分光フィルターで補正して、
正確なフィルムの感度測定や印刷等で再現出来る露光ゾーンを
算出していました。
その結果、製版屋さんが泣いて喜ぶような階調豊で理想的な
色再現を持ったポジを納品出来るようになり予想以上の印刷
結果をもたらしました。
またその応用で、ビューカメラのTTL露出計として正確な露出
倍数算出を可能にし、カラー、白黒引き伸ばし・デュープ
フィルム作業露出計としても試し焼きロスを減らす測光機器
としても活躍しました。濃度計として使う時は、正規の濃度計
とは違いその測定ポイント範囲はやや広めですが、ビュアーを
暫く点灯させ明るさが安定した頃に透過率100%の0点のEV値を
読み、同じビュアー上の点でポジ・ネガの測定をして、その
差異から濃度値を出します。0.1差が濃度1/3絞り分の減光。
0.3差が濃度1絞り分の減光となります。ゼラチンNDフィルター
の表示と同じです。そこから出すフィルム感度や再現域の話は
別項でまた書くことに致します。
透過原稿測定部。B・G・R・Wh値測定。
反射原稿測定部。C・M・Y・Br値測定。
マクベス濃度計 Gretag Macbeth TR524