マクベス濃度計と簡易自作

マクベス濃度計 GretagMacbeth TR524 透過・反射両用濃度計

↑ これの大きい写真は、ブログ版のページに有ります。

↓ リンク

http://silverhalidephotography.blogspot.jp/2013/05/blog-post.html

露出計改造型マクベス式濃度計。兼、引伸機・ビューカメラ用TTL

露出計。(各計算表貼付露出計面。ビュアー上は、各色基準自作

カラーベース。)

写真に少し詳しい方なら誰もがご存知の、マクベスカラー

チャートなどで有名な(写真業界以外では、マクベスカラー

チェッカーとも呼ばれてますが現在では、カラーチェッカー

・クラシック(ColorChecker Classic)の名称 )スイスの

マクベス社、GretagMacbeth社の濃度計と自作機の話です。

マンセルカラーシステムは、あらゆる業界で色の基準となって

いますが、印刷業界・ラボ業界で、アナログ時代からそれらを

数値化する為の計測機器としての濃度計は、必須機器であり

色彩ワークフローの基幹でした。

現在でも印刷現場では必需品ではありますが、デジタル写真

時代になり、カメラマンもRAW現像という作業で製版工程に

関わる都合上、パソコンのモニターキャリブレーション等で、

マクベス製品に知らない間にお世話になっている方も多いと

思います。

アナログ時代、GretagMacbeth濃度計は、私の理想の適正露出

算出用機器でしたが、フィルタ部品価格だけでも自動車が買える

高級品でした。

1970年代に一大ブームであった「ゾーンシステム」を更に

私的に改善したより正確な方式を実行する為に入手を考え

ましが、個人の作品制作用に買えるような物ではありません

でした。苦慮した私が考えて作ったのは、当時デジタル化され

始めた反射式露出計を改造した私製濃度計でした。

EV値が1/10表示されるようになったことで、0.3EV値表示差が

1/2の透過濃度差に換算出来て特性曲線を簡単に個人で出せる

ようになりました。

後年デジタル時代になり、やっと手に入れたこの「マクベス

濃度計TR524」ではありますが、意外と私製濃度計がとても

正確だった事を確認出来る結果が待っていました。

この露出計は、CDSやガリウム砒素リンの受光素子とは違い

シリコンブルーセルの受光素子の露出計ではありましたが、

モノクロでは問題ないもののカラーでは、感色性の偏りから

出る不正確なカラー濃度値を手製の分光フィルターで補正して、

正確なフィルムの感度測定や印刷等で再現出来る露光ゾーンを

算出していました。

その結果、製版屋さんが泣いて喜ぶような階調豊で理想的な

色再現を持ったポジを納品出来るようになり予想以上の印刷

結果をもたらしました。

またその応用で、ビューカメラのTTL露出計として正確な露出

倍数算出を可能にし、カラー、白黒引き伸ばし・デュープ

フィルム作業露出計としても試し焼きロスを減らす測光機器

としても活躍しました。濃度計として使う時は、正規の濃度計

とは違いその測定ポイント範囲はやや広めですが、ビュアーを

暫く点灯させ明るさが安定した頃に透過率100%の0点のEV値を

読み、同じビュアー上の点でポジ・ネガの測定をして、その

差異から濃度値を出します。0.1差が濃度1/3絞り分の減光。

0.3差が濃度1絞り分の減光となります。ゼラチンNDフィルター

の表示と同じです。そこから出すフィルム感度や再現域の話は

別項でまた書くことに致します。

透過原稿測定部。B・G・R・Wh値測定。

反射原稿測定部。C・M・Y・Br値測定。

マクベス濃度計 Gretag Macbeth TR524