研究内容

非線型偏微分方程式における解のパターンダイナミクスに興味をもっています.

現象を再現もしくは特徴づける解の存在とその振る舞いついて,数学解析と数値計算の両側面から考察しています.

より具体的には,力学系理論の観点から考察し,解の分岐構造の解明に従事しています.

一般的な解法が見つかっていない偏微分方程式において,元の問題を解かずとも調べる範囲を平衡点周りに制限することで,複雑な解のダイナミクスを調べることができるのはとても面白いと思います.

また反応拡散系に代表されるように,偏微分方程式にもカオス的挙動を示す解が数値的に見つかっていますが,解析的にカオス解の存在を示すこともこれからの大きな目標として取り組みたいと思っています.

最近,興味を持って取り組んでいることは,

1.3成分反応拡散系に由来するシャドウシステムに現れるカオスの分岐構造の解明

2.非線形拡散などを含む反応拡散系における時空間パターン解析

3.すす燃焼を再現する閉曲線上における界面方程式の不安定性解析

4.流れ場のあるHele-Shawセル中における燃焼現象の数理モデリングと解析

5.Turing-Turing-Hopf 不安定性による分岐構造の分類とダイナミクスの解明

6.保存量をもつ反応拡散系における解のパターンダイナミクスの解明

7.Hele-Shawセル中における泡の浮上に対する数理解析

等です.