Profile

平岡聡史 、博士(科学)  /  Satoshi Hiraoka, Ph.D. 

海洋研究開発機構(JAMSTEC)   海洋機能利用部門  生命理工学センター  深海バイオリソース研究グループ   研究員

  /  Researcher, Deep-Sea Bioresource Research Group, Research Center for Bioscience and Nanoscience (CeBN), Research Institute for Marine Resources Utilization, Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology (JAMSTEC)   

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e-Rad(科研費)研究者番号:70824423

Motivations 

バクテリア細菌)やアーキア古細菌)といった原核微生物は、土壌や海洋、腸内、大気、地殻、さらには南極の氷や高温の温泉、深海、熱水噴出孔といった極限環境に至るまで、地球表層のありとあらゆる環境に生息しています。このような微生物は、炭素や窒素などの物質循環の根幹を担っており、地球全体の生態系を土台から支えている重要な存在です。一方で微生物の中には、人類の産業や医療に役立つものも多く知られており、例えば味噌や醤油といった発酵食品に微生物が利用されているほか、衣料用洗剤に含まれる脂肪・タンパク質を分解する酵素や、医薬品と原料となる抗生物質を生産する微生物などがいます。そのため、新規な有用物質の発見や、産業応用可能な未知の微生物種の探索といった応用的な観点からも、環境微生物は有望な研究対象となっています。

しかしながら、このような環境微生物の大部分については、現在の技術でも実験室での培養が難しい現状があります。そのため、環境微生物の生理生態はもとより、どのような環境にどのような種類の微生物が生息し、どのような生理学的・生態学的特徴を持っているのか、といった基礎的なことですら十分には分かっていません。微生物がどのようにして各所の地球環境に適応し、分子生物学的な挙動を示し、安定的な生態系を営んでいるのか、といった疑問を明らかにすることは、微生物を包括的に理解する上で重要です。微生物の持つ「ゲノム」や「遺伝子」の配列情報は、このような疑問を解き明かす上で、非常に強力な手がかりを与えてくれます。

 このような現状のもと、微生物のゲノム情報を用いて環境中の微生物生態を理解するための、バイオインフォマティクス(生命情報科学)を基盤とした研究を推進しています。特に、データ取得に関わるフィールドサイエンスや実験方法論、得られたデータの解析手法開発、そして実際に取得したデータの解析など、ウェット・ドライの垣根を超えた幅広い研究に取り組んでいます。

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