合気道に一貫として流れている思想は、争わない事を貫き通すという思想である。
本来、武の心とは、争わなくてすますことにある。
合気道の技は「円の動き」。丸く丸くさばく円の動きは争わない。
激しい対立をまとめる円の力、相対の因縁動作を円に抱擁する、相手を傷つけず殺さずに制する動きは、円の動きしかない。
合気道は、単なる武術・武道としてのみとらえるのではなく、数多い日本文化の中で最も日本的な伝統と特色をもったユニークなものであり、日本固有の文化として、あらゆる面に
展開し、世界に通ずる日本の心として紹介されている。
世界に通ずる日本の心とは、すべてのものに調和をもたらす原理、それは「和の心」であり、それが真(まこと)の日本精神である。
日本精神は、対立闘争の思想ではない。日本の国が大和(やまと)の国といわれるように大和(だいわ)の心、和の精神が国是なのである。
どの国、どの時代にも通ずる、人の歩むべき誠の道を示すものといえよう。
日本人が本来持っている「日本の心」を合気道でしっかりと一つ一つ積み重ねて実践して行こう。
公益財団法人合気会
合気道本部道場師範 藤田 昌武
※「合気道の△○□」について
平成17年6月26日本部道場で藤田昌武先生の講習会
力と力をむすぶ、力と力の和を求める。力と力の和が転化され、そこに合気道の技が生まれる。
藤田先生から教わっている事はたくさんありますが、特に体捌きが重要とされています。
その体捌きは、「円の動き」であり、そして体を動かす心が「和の心」といつも言われています。
藤田先生が書かれた、「円の動き」と「和の心」を皆様にご紹介いたします。
合気道が目指す修行の理想(目的)は、自分の心と体との調和、相手と自分との調和、宇宙(自然)の動きとの調和を求める。
カラダは元気で、ココロは平和、人と争わず、自然をそこなわず、逆らわず、力で臨まず、対すれば相和す。宇宙との和合をめざす武道、それが合気道である。
力と力のぶつかり合い、これを争いという。合気道は力と力をぶつけない。争わない。
恩師藤田昌武先生は平成26年5月28日逝去されました。享年77歳 合掌