投稿日: Nov 15, 2010 6:18:8 AM
去る11月11日〜13日に行われた表記の大会に参加し、研修した内容についての所感を述べる。
本大会は、日本にグリーンツーリズムが導入されて18年。その役割を再確認し、”地域をつなぎ、都市へつなぎ、未来へつなぎ、心をむすぶ”をテーマに参加者全員がその思いを共有し実践につなげる目的で開催されたものである。
私は妙高市グリーンツーリズム推進協議会の立場で本大会に初参加させていただいた。
一日目)11/11(木)地域分科会 松阪市 に参加
二日目)11/12(金)各県全体会 三重県伊賀市 に参加
三日目)11/13(土)総合全体会 岐阜県岐阜市 に参加
松阪分科会にて、村上由紀氏は、「自分たち流をいかに楽しむか」を解いた。
お客様のご機嫌伺いをしてばかりいると、人や地域が疲れ→継続できない。よってまずは自分たちが楽しくやり、そんな楽しいところに行ってみたいと思わせること。そんな地域はぶれずにお客から支持してもらえる。という意味である。
うきさとむら西井氏は、「店にお土産を持って来てくるお客さんが増えたことにより、自分らが楽しい。それによってお客様も癒される」と言う。
いずれも「グリーンツーリズムの特徴は人とのコミュニケーションにある」という事が浮き彫りになる事例である。働く地域の人の姿あってこそグリーンツーリズムが成り立っていくのだ。
まめやの北川氏は言う。「弱点をみんなで乗り越えることによって、きずなが深まり、能力を補い合って大きな力となった」。
茶倉の山本氏は言う。「よそ者が地域に溶け込むには、知っていても”教えて〜”と言ってお年寄りに仲間に加わってもらうことが大事。それによってまた仲間を連れてきてくれる」。「学生に参加してもらうことによって次世代に広がっていく」。
これすなわち、仲間づくりであり地域づくりである。
地元の活動者の意見…「有志が高齢化→後継者不足。儲からないのを自分たちの楽しみだけでやっている」をう受けて、「ボランティアで成り立つ仕組みは続かない。それを支えるのがグリーンツーリズムとなったのでは違う」と村上氏は言う。
後に継ぐものの事、継続性を考えれば採算をとる経営を実践していく事が前提であると考える。
三重県大会で基調講演をされたモクモクファームの北村代表の戦略は、新しいるるぶ。「買い物をする。食べる。学ぶ。」であると言う。狭い日本で日帰りグリーンツーリズムを成功させる所以である。「都会は疲れ。田舎に憧れるが、田舎にお金を使う仕組みがないからこそ、チャンス。」とも言う。
両者を総合して考えれば、”仕組みづくり”こそ持続できるグリーンツーリズムのキーワードとなるのである。
伊賀の羽根村づくりの前田氏は、S.23から梨づくり、ブランド野菜、交流、オーナー制度など経ながら、柔軟かつ多様なアイディアを提案してきた。モクモクファームや羽根村づくりに代表されるように、グリーンツーリズムのコンテンツは”観光”のような「景観」「温泉」「スポーツ」といった核に依存していないのが特徴である。それは観光と差別化するということでなく”ネオ観光”であると提起したい。
北川氏の「まめや」の売りは豆料理ではない。体験を通して豆の事を知り、地域の事、地域の人を知ること。また食を介した交流にある。大豆加工品を中心とした食のコミュニティをいかにして広げていくか。ということがグリーンツーリズムの理念と合致し支持されているのである。
モクモクファームでは、豚やきのこ、野菜、米を中心にしたキャッチボールが商いを支える。
それぞれの地域の特性や会社の理念にあった掘り起こしをして、多様性と広がりを維持しながら、お客様に支持されるる商品を開発し続けていくということである。
環境問題、安心安全、自給率、少子高齢問題など、現代の課題は昔と異なる。それによって在る社会が求めるものも変化しこの先も流動的である。
何れにしても、将来を担う若い世代にいかに繋げていけるかにかかっている。
パネルディスカッションの最後に「便所メシ」を例に青木氏が締めたように、繋がりの無い孤独な若い世代の人間関係の改善は、紛れもなく田舎や農村が活き活きと繋がって蘇っていく姿にあるように思える。
このような意味で、私となんぶルネサンス、妙高市グリーンツーリズム協議会が積極的に解決すべき問題、担うべき課題は明確である。そのように感じさせる研修であった。
そして、全体会の最後に日置氏が引用した、「苦楽しい」。これは苦しいばかりでは続かない。楽しいばかりでは飽きてしまう。一番は苦しいものを乗り越えた先にみんなで楽しい希望を共有している。という意味だそうだが、まさにその言葉を胸に今後の地域のグリーンツーリズムに取り組んで行きたいと考える。
2010年11月15日 なんぶルネサンス代表 村越洋一(妙高市グリーンツーリズム推進協議会)
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(*ブログは私個人の主観で編集し妙高市グリーンツーリズム推進協議会の承認を得たものでないことを
お断りいたします)