財政学 (法学部2014年度夏)

【授業の目標・概要】この講義では,公共部門の財政活動(安定化政策,課税,公共サービス提供,再分配)に関わる問題を経済学的に考えるための理論的枠組みを学習します.

【授業の方法】初級レベルのミクロ経済学の知識は必要となりますが,必要な概念は授業中に解説しますので,経済学の知識は必ずしも本講義の前提としていません.数式ではなく図を用いた分析が中心となりますが,初歩的な微分を用いた説明もあります.

【教材】教科書や配付資料に沿って解説を行います.教科書は次の3つです.

林正義・小川光・別所俊一郎『公共経済学』(有斐閣,2010年)

神戸伸輔ほか『ミクロ経済学をつかむ』(有斐閣,2006年)

齋藤誠ほか『マクロ経済学』(有斐閣, 2010年)

追加的な資料は下にアップロードしています.

【授業計画】

[1]. 日本の公共部門の概要(ウエブサイト資料)

[2]. ケインズ的財政政策(齋藤ほか第6章,第8章pp.244-267)

[3]. 安定化政策と財政赤字(齋藤ほか第11章,第12章,林ほか11章,ウエブサイト資料)

[4]. 日本の税制の概要(ウエブサイト資料)

[5]. 経済学の基礎と課税(神戸ほか第3章,第5章;林ほか第1章)

[6]. 日本の税制の課題:法人減税と配偶者控除(ウエブサイト資料)

[7]. 市場と効率性(神戸ほか第6章; 林ほか第2章pp.51-81.)

[8]. 外部性と公共財(林ほか第4章,第5章)

[9]. 日本の社会保障(ウエブサイト資料)

[10]. 社会保険(林ほか第8章)

[11]. 社会厚生関数と再分配のコスト(林ほか第9章pp. 259-280.)

[12]. 公的扶助:貧困の罠と情報の非対称性(林ほか第10章)

[13]. 日本の地方財政(ウエブサイト資料,林ほか第6章(一部)+ウエブサイト資料)

【成績評価方法】学期末試験によります.受講者数の規模によってはレポートによる評価も追加的に検討するかもしれません.

【オフィスアワー】 特に決まった時間は設けませんが,質問は歓迎します.ただし,事前にメールでアポをとってください.

● 林正義・小川光・別所俊一郎『公共経済学』(有斐閣,2010年)の練習問題の解答,正誤表,数学付録については有斐閣のサポートサイトから入手可能です.