こどもの矯正

【矯正相談】

早い年齢で矯正医に相談されることは、お子さんにとって治療期間と費用を最小に、そして治療効果を最大にする大きなメリットがあります。実際には、その場ですぐ治療を行うのではなく、最適な治療時期や、いつ、どのような治療を受ければ良いかなど正しい情報をえる機会になります。

「こどもはいつ受診(初診相談)すれば良いのか?」とお父さん・お母さんから訊かれることがよくあります。これは「受診すること」イコール「矯正歯科治療を開始すること」と思われているためではないかと考えます。しかし、決してそうではありません。治療開始のタイミングは、歯並びの状態や成長発育の段階などを含めて総合的に判断します。つまり、不正咬合に気づいたら、一度相談されてみて、その上で治療開始のタイミングが早いようであれば、矯正医とともに観察を続けながら治療開始の最良の時期を待つことをすすめます。矯正医の管理のもとで定期的に観察を行うことは、お子さんの成長変化を把握する上での貴重なデータとなります。

「相談する時期は?」歯並びの相談を受けられる時期をあえて言うなら、小学1・2年生が一つの目安かと思います。1年生になったら、「矯正は必要なの?」「いつ始めればよいの?」と相談していただくことをお勧めします。

治療は、お子さんの小さい時期に開始されれば、早ければ早いほうがよい、と言うわけではありません。しかし、適切な時期に治療を開始した結果、成長が終了してからでは治しにくいものがきちっと治るということがあります。たとえば、歯を抜かずに治せたり、歯を抜く場合でも本数を減らす、あごの成長をコントロールすることで手術を必要とする治療の可能性を減らす場合があります。

【治療目的】

小児期の矯正治療(第1期)は、比較的簡単な装置を用い部分的な歯の移動やあごのコントロールを行います。

  • 上下の顎の骨のバランスを良くするために、顎の成長を促進・抑制する
  • 永久歯が良好に萌出するよう誘導する
  • 歯並びに影響を与える唇や舌などの悪い習慣を取り除く
  • 永久歯が生えそろってから行う本格的な矯正治療(第2期矯正治療)を簡単にしたり、治療期間を短くするなど、最終的な咬み合わせがより良く理想的な状態となるように準備をする

ことを主な目的として治療を開始します。

【治療方法】

【第1期矯正治療】 矯正歯科治療は検査、診断の後、治療計画を作成し、それにそって行います。

乳歯列(~7歳くらい)では、不正咬合の予防を目的とし原因となる悪い習癖を除去し、正常な機能の回復を図ります。乳歯から永久歯への生え代わりの時期(混合歯列期、8歳~12歳くらい)では、顎の成長が旺盛な時期なので、今後の成長を予測し、必要に応じて顎の成長抑制や成長促進を行います。口腔内では、比較的簡単な装置を用いて歯列弓(しれつきゅう)の形を整えたり、上下の前歯と6歳臼歯(きゅうし)(第一大臼歯)の良好な咬み合わせを確立することを目的とします。矯正治療をうけるためには毎日通ってくる必要はありませんが、4~8週間に1度の割合で定期的に通院していただきます。永久歯の生えてくるのを観察したり、適当な治療開始時期まで待つ必要がある場合には、3か月に1度あるいは半年に1度位の通院間隔をあけることもあります。第1期矯正治療は、おおよそ12歳くらいから始まる第2期治療のための準備として、この時期にしか行えない治療です。したがって、必要な時期に必要な治療を、できるかぎり短期間・単純な装置で行ない、患者であるお子さんの負担、ご家族の負担を減らし、最大の効果をあげることが大切です。

☆☆☆ 診査・診断の結果、お子さんの第1期矯正治療がほとんど必要がない、もしくは口の中の管理をしながら永久歯が生えそろうまで矯正装置を使わずに待つということもあります。根拠のない、必要のない、無駄な矯正装置の装着や治療は、当然避けるべきで、そのためには、最初の相談・診断をしっかり行い将来の予測を含め治療計画を的確に立案することが重要です。☆☆☆

【第2期矯正治療】 一般的には永久歯列に生えかわった時期に最終的な矯正歯科治療としてマルチブラケット装置を用い、より良い咬み合わせを完成させる為に全歯に対する治療を行います。歯並びが整った後も、保定期間を通して発育が終了するまで歯列の観察を続けます。

【治療の効果】

第1期矯正治療を行なうことにより、部分的に歯並びが良くなります。一般的には奥歯の咬み合わせや前歯の歯並びがこれに相当し、虫歯・歯周病にかかりにくくなる、顎の発育が良くなる、しゃべりやすくなる、美的改善により心理的負担が小さくなるなどの効果が期待できます。顎の骨の成長をコントロールすると、上下の顎のバランスが良くなります。また、永久歯の正常な萌出を誘導することにより、永久歯がそろってからの本格的な歯科矯正治療が容易で期間も短くなります。

第2期治療では、第1期治療の結果、歯列、咬み合わせ、顎の問題点が少なくなっていたり単純化されているため多くの場合で何もされていない成人期の方に比べて歯を抜歯して治療する可能性は低くなります。さらにマルチブラケットを装着して歯を並べる治療期間は短くなります。また、第1期治療と組み合わせることで成人矯正治療後に起こりやすい前歯の審美障害(ブラックトライアングル:歯肉が下がり並んだ歯との間に隙間ができる)が起こりにくいことも大きなメリットです。

。。荒川区>文京ながはま矯正歯科。。