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日本企業のリスクマネジメントに関する実態調査
ミッション
グローバル化や競争環境等が大きく変化する中、企業におけるリスクマネジメントの重要性はますます高まりを見せています。その一方で、その実施には相応のコストを要するため、やみくもにリスクマネジメントを実施するだけでは、企業価値の向上への貢献度合いは少ないといえるでしょう。そこで、重要な論点となるのは、「企業はどの程度までリスクマネジメントにコスト(Total Cost of Risk, TCOR)を費やすべきか?」という問いになります。そして、業種や規模等の企業属性の違いはこの問いに対する答えに重要な影響を及ぼすことが予想されます。
本調査は,シンガポールに本部を置く企業のリスクマネジャーの国際団体であるPARIMA(Pan-Asian Risk and Insurance Management Association)の日本支部の協力のもと,慶應義塾大学商学部柳瀬典由研究室が実施します。本調査においては、回答者所属企業の規模、業種、所有形態、資本構成、成長機会等の属性データとリスクマネジメントに要するコスト(TCOR)、その他の質問への回答を代理変数として用いて、日本企業のリスクマネジメントに関わる意思決定の現状について、コーポレートファイナンス(企業財務)の観点から理論的・実証的に分析することを目指します。こうした研究成果は学術的にきわめて高い価値を持つだけでなく、実務的にも、例えば、自社のリスクマネジメントに関する意思決定に際しての重要な参考情報(ベンチマーク)になることが期待されます。
2021年7月
慶應義塾大学商学部 教授
柳瀬 典由
2023年6月26日より,安田 行宏 教授(一橋大学 商学部)・今仁 裕輔 助教(長崎大学 経済学部)・東京海上日動あんしん生命保険株式会社と共同で,同社の保有契約データを活用したビックデータ分析を開始しました。
600万件以上の保有契約に加え,保険金支払いなどで消滅した契約を含めた全契約データ(約1100万件)を用い,居住地域や加入経路等ごとの加入傾向を分析します。
具体的には,加入商品,付帯特約,加入時期,複数商品加入状況,保険料,保険金額等,顧客属性や契約属性等の切り口で統計的分析を実施するとともに,公知情報等とも比較することで,保険消費行動における特性の可視化を試みます。
また,過去からの経年変化の観点も踏まえた分析を行うことで,例えば「新型コロナウイルスの流行」や「大規模災害の発生」前後における保険消費行動の変化の可視化も予定しています。