NPA Seminar

Seminar on Nonlinear Phenomena and Analysis


九州大学伊都キャンパスにて不定期に現象数理セミナー(NPAセミナー)を開催しています。応用や現象に関連した解析の話題を広く取り上げる予定です。多くの方々のご参加をお待ちしております。

セミナー幹事:手老篤史、福本康秀(九大MI研究所)
   連絡先:手老 篤史(tero(at)imi.kyushu-u.ac.jp)

2017年度 現象数理セミナー予定
通常 木曜不定期15:30-17:00・
(日時・場所は変更になることがあります)


ホームページ担当者変更により、アドレスが変わりました。
以前のホームページアドレスは下のリンクより移動してください。


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第100回現象数理セミナー
日時:6月7日(木)16:00から17:30
場所: C512 (九州大学伊都キャンパス・ウエスト1号館)
終了後に懇親会を行う予定です。

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講演題目:
普遍数理構造としてのトポロジー理工学

講演者:
丹田 聡
(北海道大・工学研究科・応用物理学部門
・トポロジー理工学教育研究センター)

要旨:
そもそもトポロジーとは「ちぎったり貼ったりせずに構造(見方によっては空間、物体、システムなど)を連続変形したときの不変的性質を探る」学問として数学の幾何学分野で生まれた。 その応用成功例として20世紀前半にEinsteinが導入したように曲がっている時空という実空間多様体に対してリーマン幾何学やそのリーマン代数を用いて表す一般相対性理論、複素数場として表される量子力学、場の量子論などの基礎物理分野において自然な形で数学から輸入され応用研究として育まれてきた。また古くはオイラーの時代からダイナミクスを語る流体分野においても、連続変形を許してもなお残る保存量として、解析力学やラグランジュアンを通してボルティシティ(渦度)が論じられてきている。さらに流体ヘリシティ(渦巻度)が物理量として着目され1960年代に提唱されるに至り、それぞれ数学用語に対応するワインディング数、リンキング数というトポロジカル不変量として表されるようになっている。20世紀後半にはいり、比較的自由に変形可能な場を扱う高分子分野においても、ヘリックスとしてリンキング数で表されるトポロジカルな2重螺旋構造DNAの発見や超伝導体・液晶・結晶などの種々の秩序場におけるトポロジカル欠陥、トポロジカルソリトンの発見に伴い物性分野においても応用されるようになっている。現在では熱相転移(古典相転移)や量子相転移などの臨界現象、非平衡場におけるダイナミックな相転移を扱う複雑系分野や、システムとしての関係性を重んじる生命科学、カーボンナノチューブ、グラフェンシートなどの電子場・ゲージ場、断熱的にパラメーター空間を動かすことによりベリー位相を利用した光渦場、や各種ネットワーク場、量子情報科学とも密接な関係があることが明らかになってきている。それはまさに種々の場を連続変形、連続写像しても変わらない本質的な性質を抽出し特徴づける幾何学的な量としてトポロジカル不変量があり、「場の本質を不変量として、摂動では扱えないほど大胆な変化を伴う場のダイナミクスを不変量の変化として表現していくこと」が理に適っているためである。そしてトポロジー理工学は、トポロジーがもつ「局所的な性質(部分)と大局的な性質(全体)の相関を解明する」という極めて一般的な科学的手法の確立を目的とした学問であるため、単に数学や物理学に留まらず、自然科学・社会科学・先端工学分野に対して、幅広く適用可能な新しいアプローチ手法として注目されてきている (図1).このようなトポロジー理工学であるが学問形態としての位置づけをもう少しはっきりと表したい。 要素還元論の対極にある普遍数理構造論ということになる。 多種多様な自然界における種々の現象を探索していくには要素に普遍性を求める方法(要素還元論)と、類推により発見していく方法 (普遍数理構造論)と二種類ある。トポロジー理工学はアナロジーを使った広げる学問であり普遍数理構造を追及する科学である。

例えばヘリシティは多種多様な分野で巨視的現象、微視的現象として出現しており、普遍数理構造を通して自然を理解していく上では応用も含め非常にいいテーマだと考えられる。北大のトポロジー理工学センターでは、ヘリシティがトポロジカル不変量であるチャーン数で表されることもあって早くから着目して研究を行ってきた。これまで以下のような発見がなされてきた。結晶場、電荷密度場、波動関数場、超格子場、ゲージ場、時空においてヘリシティが新たに発見されてきたのである。 これらは、素粒子の場10-15mのサイズ、人間規模のサイズから宇宙の場1025mも含めかなりの広い範囲に渡ってヘリシティ構造が出ている。 学問のすすめ方の提案も含め多くの系でヘリシティがなぜ出現するのかを中心に議論したい。

また最近の応用例としてリング系の量子時間結晶を提案します。時間が許せば普遍数理構造をもつ素粒子分野への応用としてのガロア体を論じます。

[1] S. Tanda, et al., Nature (2002): Helicity(CS) in Crystal, Mobius Crystals
[2] J. Ishioka et al., PRL (2010), PRB(2013): Helicity(CS) in Chiral Charge Density Waves
[3] H. Nobukane et al PRB(2011): Helicity(CS) in Chiral Superconductors.
[4] K. Konno et al., PRD (2008): Helicity(CS) in Space-Time
[5] T.Matsuyama,  PTP(1987): Helicity(CS) in Gauge fields
[6]K.Nakatsugawa, PRB(2017):Topological Quantum Time Crystals

セミナーHP:
https://sites.google.com/site/npaseminar2/

セミナー幹事:手老篤史、福本康秀(九大MI研究所)
   連絡先:手老 篤史(tero(at)imi.kyushu-u.ac.jp
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