「レバ刺し」を安全に食べられる方法があるのか??? 大いに疑問あり

 厚労省は、これまで6年間をかけて、牛の「生レバー」(レバ刺し)を安全に食べられる方法はないか、食中毒予防の観点から病原菌の殺菌などの方法を「放射線照射」を含めて試験研究をしてきました。昨年度に終了したその一連の試験研究報告を、今年度はとりまとめており、それで殺菌できて安全ということで審議会にかけていくということが、本連絡会と厚労省の意見交換会(2019年7月、毎年開催)の席上、話されました。

 なお、ニュースNo.10に掲載したように、質問主意書での質問への答弁によれば、「現時点」(11月15日)では、その予定はないとのことですが、今後、かけるかもしれません。審議にかかると、食品安全委員会に諮問が出され、「追認」が常なので許可されかねません。

 とはいえ、本連絡会はこの6年間にわたり、試験研究の内容、報告書を注視してきています。当初の3年間では、十分な殺菌はむずかしいということで、研究期間がさらに3年間延長されたのです。そして、直近の6年目の報告書をみると、殺菌状況の実測値の記載もなく、「推計」「推定」ということで菌は抑えられうるとしている、なんとも疑わしい内容です。

 このような報告書内容で、「2~9個摂取しただけで発症した事例がある」と、厚労省が生食への注意を呼びかけたリーフレットにも書いている「腸管出血性大腸菌」(0-157、0-011等)の食中毒を、目標とする「年間1人未満」に抑えられるのでしょうか。

 それだけでなく、そもそも、肉に放射線を当てた「照射食品」としての毒性などの観点からの安全性は調べられているのでしょうか。2002年には、照射に伴う分解生成物としてアルキルシクロブタノン類が特異的に発じることがわかり、それには発ガン増進作用があることがわかっています。

 ニュースNo.10には、こうした多くの疑問について質問を発した、大河原雅子衆議院議員の質問主意書の質問とそれへの答弁、里見宏さん(健康情報研究センター代表、公衆衛生学博士)によるコメント、そしてさらに疑問が出た内容について、再度の質問主意書などを掲載しています。

◎反対連絡会の事務局・連絡先は日本消費者連盟気付です。会員申込みもよろしくおねがいいたします。