放射線照射ジャガイモを監視しよう!

端境期に今も出回る みつけたら通報を


放射線(ガンマ線)を当てて発芽を止めた「照射ジャガイモ」が出回る時期になりました。日本では、食品に放射線を照射して殺菌や殺虫などをする「照射食品」の流通・販売を原則禁止しています。しかし、唯一の例外として、1974 年か ら北海道・士幌町農協で発芽防止のために照射されたジャガイモは認められてい ます。特に、ジャガイモが端境期で品薄となる2~5月頃に多く出荷されていま す。「照射食品反対連絡会」は、毎年この時期に照射ジャガイモの監視活動を呼び かけています。販売しているのをみつけたら、連絡会に通報してください。できれば、写真、レシートなどと一緒に現物も送ってください。

↑ラベルが目印

食品への放射線照射は多くの危険性が指摘されています。そのため連絡会は照射ジャガイモの販売中止を求めてきましたが、厚生労働省は規制をしようとしないどころか、照射ジャガイモの生産・出荷状況を問い合わせても、厚労省や北海道庁、士幌町農協ともに回答を拒否しました。

このため、連絡会は大河原雅子衆院議員(立憲民主党)を通じ「質問主意書」を提出し、ようやく生産量のみ回答を得ました。しかし、施設の管理実態 などは不明のままです。さらに、大河原議員が施設の視察を申し入れても断わられました。

このように、食品としての安全性はもとより、放射線を扱う施設としてあるまじき秘密主義であることも大きな問題です。 こうした経緯からも、照射ジャガイモの流通実態はよくわからず、監視活動が重要になっています。 これまで、北海道、宮城県、千葉県、埼玉県、東京 都、広島県などで照射ジャガイモが見つかっていま す。連絡会は、販売店に販売中止を要請しています。これまでに販売をやめた店も多く、「照射食品はいらない」の声は着実に広がっています。照射食品を止めるために、照射ジャガイモの監視活動にご協力おねがいします。通報先は、本連絡会事務局です

2013年1月24日に照射されたジャガイモは、撮影日の6月15日、黒くなって腐り始めた。同じ頃に購入した有機の新ジャガ(右)は、緑かがり、小さな芽が出始めた。元気に芽が出ているのは、その後パルシステム生協で購入した非照射で保存されたジャガイモ()。(文・写真 小島教子)

照射ジャガイモ(左)と非照射ジャガイモの比較