○広島県福山市、千葉県岬市のスーパーでも
今年は広島県福山市内のスーパーでも、3月20日頃、販売を確認しています。連絡をくれた人によると、そのスーパーは以前も照射ジャガイモを売っていたため、質問したところ、「ジャガイモに放射線は残らない」「国で定めた基準に沿って照射しているので安全性に問題はない」と回答が返ってきたとのことでした。
3月25日には、千葉県岬市の方から、「近くのスーパーで照射ジャガイモが販売されているのを見た」という通報がありました。
○販売を中止するよう、本会が申し入れ
本会のニュース(No.2)に掲載したように、最近になって「誘導放射能」(照射食品内部で放射性物質ができ、放射線を発する)を示すデータの存在が明らかになり、照射ジャガイモから放射線が出ている可能性もあります。「国が安全と言っているから問題ない」とは決して言えないのです。
照射されたジャガイモは、生のように見えても、ガンマ線照射によって煮たり焼いたりした以上の変化が生じています。5月に送られてきた照射ジャガイモ(照射日は2015年1月14日)は9月25日現在になっても、芽が出ないジャガイモなのです。
本会は、販売をしていたスーパーに対し、照射ジャガイモへの消費者の立場からの考えを述べた文書で、販売を中止するよう申し入れをしました(下記参照)。今後も監視の目を光らせる必要があります。(纐纈美千世)
◎照射ジャガイモを販売していたスーパーへ、販売中止を求める申し入れの文書を出しました。
貴社いよいよご清栄のこととお喜び申し上げます。
私達は放射線を照射した食品の安全性に問題があるとして反対運動をしている消費者団体(54団体と個人)です。 広島県に住む消費者の方より、オンリーワン山手店(〒720-0092 福山市山手町6丁目14-23)で「照射ジャガイモを購入した」とその写真とレシートの写真を送っていただきました。
2002年、照射食品には強い発ガン増強作用を起こす物質(アルキルシクロブタノン類)が生成されることがわかり、その危険性が問題になっています。
厚生労働省は2010年5月に薬事食品衛生審議会を開催し、
1.照射食品中のアルキルシクロブタノン類の生成量及びその推定暴露量
2.アルキルシクロブタノン類の毒性(特に、遺伝毒性、発がんプロモーション作用)
についての情報がないとして、シクロブタノンの生成量や毒性について原子力委員会等に情報の提供を求めていますが、いまだ何らデータが提出されていません。
照射ジャガイモにもアルキルシクロブタノン類は生成しているのですが、当会より士幌町農協に分析を求めましたがなされていません。微量といえども人為的に作られた有害物質を農協の利益のために消費者が危険を負担することはおかしいと思います。
また、国立医薬品食品衛生研究所は2002年から04年まで3年をかけて、アメリカ陸軍が機密としていた照射食品の実験データを調査し、その結果を「X線並びにγ線を照射した食品に生じる誘導放射能」Bull.Natl.Inst.Health.,125,107-118(2007)と題して報告しています。
この報告書には、放射線を照射した食品から自然界にある放射線の2.4倍から3倍の誘導放射能を検出したとあります。これについても、士幌町農協に誘導放射能の検査を要請していますが行われていません。(注;1968年、アメリカ陸軍は兵士が食べるベーコンへの放射線照射を禁止しました。このときの禁止にした理由の根拠データが軍の機密とされていました) 照射ジャガイモはこれまでにわかった、体重減少、卵巣の萎縮、死亡率の増加などが動物実験で指摘され、アルキルシクロブタノン類のように新しい毒性が判明したものもあります。しかし、士幌町農協は市場価格を無視して格安な値段で照射ジャガイモを販売しています。
広島で多くの店舗を持たれる貴社が照射ジャガイモを販売しているということは大変影響が大きく、また多くの消費者が食べることになります。
私達は貴社が緊急に情報を集め検討され、販売中止を決定されるようお願い申しあげます。なお、書面にても本文を郵送いたしましたが、緊急を要するためFAXにても送らせていただきました。貴社のお考えや対応などの経過をお知らせいただければ幸いです。
以上