Researches

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複数の量子ビーム・手法を用いた「マルチプローブ測定」によるソフトマター研究

皆さん、「ソムリエ」をご存じでしょうか?そう、お店などでワインを選ぶ手助けをしてくれるワインの専門家です。ソムリエはテイスティングを通してそのワインの特徴を我々に伝えてくれますが、その際にはワインの香りや味わいはもちろん、色や濃淡、粘性といった外観を参考にすることで、熟成度合いや口当たりなどを表現しているそうです。実は、我々研究者も同じように様々な視点で観測対象を客観的に評価することを心がけています。

私が所属する高エネルギー加速器研究機構(KEK)は、大型加速器を用いた放射光や中性子、ミュオン、低速陽電子などの量子ビームを用いた実験装置を整備しており、外部の利用者に広く提供しています。これらの量子ビームはそれぞれ物質と相互作用することによって原子・分子スケールの構造やそこで起きている現象を捉えることができ、相互作用や測定原理の違いに応じて様々な情報を抽出することができます。特に大型の加速器を使った装置は実験室のそれと比較してデータの質や分解能の面で優れており、原子や分子が引き起こす現象をつぶさに観察し、そのメカニズムを理解する上で有用な情報を与えてくれます。一方、どんな実験手法も得手不得手があり、また、一つの面を見ているだけではその背景にある現象を読み解くことができません。従って、どのように優れた最先端の実験手法でも、それを深化するのみでは物事の全貌を捉えることは難しいと言えるでしょう。これに対し、これらの量子ビームや手法を複数組み合わせた「マルチプローブ測定」は水平思考によりその限界を突破するための方法で、互いに情報を補いながら、広い視野で測定対象を評価することが可能です。私は現在、このマルチプローブ測定を利用したソフトマター研究を進めており、特に軟X線と中性子を用いた表面・界面分析手法の開発や、広くマルチプローブ測定を普及させるための利用者支援を行っています。例えるなら「マルチビームのソムリエ」と言えるかもしれません。

(現在の具体的な研究については作成中…)

職人気質のソムリエがワインを飲みながら楽しそうに最先端の放射光ビームラインを使って実験している様子(Bing Image Creatorより生成)

※実験中は飲酒しません

軟X線と中性子の協奏的利用 ~ (異常分散+吸収分光+重水素化ラベリング)x表面界面分析

皆さん、「ソムリエ」をご存じでしょうか?そう、お店などでワインを選ぶ手助けをしてくれるワインの専門家です。ソムリエはテイスティングを通してそのワインの特徴を我々に伝えてくれますが、その際にはワインの香りや味わいはもちろん、色や濃淡、粘性といった外観を参考にすることで、熟成度合いや口当たりなどを表現しているそうです。実は、我々研究者も同じように様々な視点で観測対象を客観的に評価することを心がけています。

私が所属する高エネルギー加速器研究機構(KEK)は、大型加速器を用いた放射光や中性子、ミュオン、低速陽電子などの量子ビームを用いた実験装置を整備しており、外部の利用者に広く提供しています。これらの量子ビームはそれぞれ物質と相互作用することによって原子・分子スケールの構造やそこで起きている現象を捉えることができ、相互作用や測定原理の違いに応じて様々な情報を抽出することができます。特に大型の加速器を使った装置は実験室のそれと比較してデータの質や分解能の面で優れており、原子や分子が引き起こす現象をつぶさに観察し、そのメカニズムを理解する上で有用な情報を与えてくれます。一方、どんな実験手法も得手不得手があり、また、一つの面を見ているだけではその背景にある現象を読み解くことができません。従って、どのように優れた最先端の実験手法でも、それを深化するのみでは物事の全貌を捉えることは難しいと言えるでしょう。これに対し、これらの量子ビームや手法を複数組み合わせた「マルチプローブ測定」は水平思考によりその限界を突破するための方法で、互いに情報を補いながら、広い視野で測定対象を評価することが可能です。私は現在、このマルチプローブ測定を利用したソフトマター研究を進めており、特に軟X線と中性子を用いた表面・界面分析手法の開発や、広くマルチプローブ測定を普及させるための利用者支援を行っています。例えるなら「マルチビームのソムリエ」と言えるかもしれません。

(現在の具体的な研究については作成中…)