2019

2019年度の記録

第60回 11月13日(水) 17:00-18:30@名古屋大学IB電子情報館IB011教室

アンドロイドロボットを用いた社会的人間理解

小川浩平(名古屋大学)

ヒューマノイドロボットやAmazon Echoなど、人と対話するエージェントが実用化されつつある。その中でも、本研究では、人らしい見かけをもつアンドロイドロボットを実世界において運用することを通じて、社会の中でに人間理解に関する研究について述べる。具体的には、デパートやニコニコ動画などの、実世界において実施してきたフィールド実験の結果について紹介しながら、今後の対話システムに必要な技術およびそれにより初めて理解できる人間の対話の本質的な議論を行う。

参加者: 33名

第59回 7月10日(水) 17:00-18:30 @名古屋大学IB電子情報館IB011教室

スタイル制御のための言い換え生成

梶原智之(大阪大学)

入力文と意味的に等価な文を出力する言い換え生成の技術について述べる。 言い換え生成によって、我々はテキストの意味を保持したまま、意味以外の情報(スタイル)を制御することができる。 テキストのスタイルには、難しさ・流暢さ・丁寧さ、などが含まれ、それぞれText Simplification・Grammatical Error Correction・Formality Transfer、のタスクとして知られている。 本発表では特に、難しさと丁寧さのスタイルに焦点を当て、近年の研究と我々の取り組みを紹介する。

参加者:32名

第58回 6月19日(水) 17:00-18:30 @名古屋大学IB電子情報館IB011教室

自然言語処理と形式意味論の融合による自然言語推論に向けて

谷中瞳(理研AIP)

文の意味を計算処理可能な形式で表し、文と文との意味的関係を判定する含意関係認識は、質問応答や文書要約などの自然言語処理の基盤を築く重要な技術である。文の意味を表現する手法は未だ発展途上であり、近年では機械学習や深層学習によって高精度で含意関係を判定する手法が活発に研究されている。しかし、モデルが入力文の語彙と構造から意味を合成し、妥当な推論に基づいて含意関係を判定しているかは自明ではなく、文の意味におけるモデルの汎化性能は明らかではない。一方で、形式意味論では、文の意味を論理式で表し、妥当な推論が行われるかによって文の意味を分析する研究が成熟しつつあり、自然言語処理への応用が期待されている。本発表では、自然言語処理と形式意味論という二つの研究分野の融合によって、文間の含意関係を判定する研究について、関連研究も交えて紹介する。

参加者: 約40名

第57回 5月29日(水) 17:00-18:30 @名古屋大学IB電子情報館IB011教室

文解析における既存データセットの制約とそれを超える解析手法

栗田修平 (理研AIP)

自然言語処理における構文・意味解析のような文解析手法は、人手で作成されたラベル付きコーパスからの学習に頼っている。このようなデータセットでは、一つ一つの自然言語文に対してかなり詳細な情報を付与している一方で、作成には膨大なコストがかかりデータサイズを大きく増やすことは難しい。しかし、自然言語文のより高度な解析のためには、本質的により大規模なデータセットから情報や知識を取得する必要があると考えられる。本発表では、既存データセットから単一タスクの教師あり学習という枠組みに縛られない研究として、深層学習を用いた統合構文解析器、大規模コーパスからの述語項構造の知識の獲得と解析への応用、強化学習を用いた文の解析順序の自己決定手法を紹介し、今後のNLP/NLU研究の方向性について考える。

参加者:47