2018

2018度の記録

第56回 2018年12月19日(水) 17:00-18:30@名古屋大学工学部IB電子情報館中棟IB011講義室

学生の発表会+交流会@シェ・ジロー

    • 佐藤・松崎研:10件

    • 武田・笹野研:3件

    • 外山研:6件

    • 松原研:3件

    • 佐々木研:7件

参加者54名

交流会43名

第55回 2018年11月28日(水) 17:00-18:30@名古屋大学工学部IB電子情報館中棟IB011講義室

深層学習時代における日本語述語項構造解析

柴田知秀(京都大学)

述語項構造解析は日本語の基礎解析において長らく非常に難しい問題とされている。近年、ニューラルネットワークを用いた手法により徐々に精度が向上してきており、本発表では、エンティテイという概念を導入し、述語項構造解析と共参照解析を同時に行う手法について紹介する。また、近年活発に研究されているEnd-to-End学習や機械読解タスクなどとの関連を述べ、今後の方向性について議論する。

参加者:42名

第54回 2018年10月31日(水) 17:00-18:30@名古屋大学工学部IB電子情報館中棟IB011講義室

4 コマ漫画のストーリーを計算機が追うために: 言語と画像から成る創作物に関するタスク設計

上野 未貴(豊橋技術科学大学)

計算機が人のように創作物を理解および生成できるのかということに近年注目が集まっている. 創作物の一つである漫画は言語と画像情報から成り,台詞,ナレーション,描き文字などが含まれている. そのため,自然言語処理および画像処理の分野の各手法の発展はもちろんのこと,学際的なタスクの設計やデータ構築自体も挑戦的な課題とされる. 発表者は,創作者と人工知能が共に新たなものを創る未来を目指して,ストーリーに潜む感性情報を工学的に扱うタスクを設計の上,創作過程を考慮するため,創作者と共同で研究を進めている. 本発表では,主に 4 コマ漫画のストーリーを計算機が追うという観点から,関連研究事例や具体的なデータ特徴の紹介および今後必要とされる技術について検討する.

参加者: 40名

第53回 2018年7月11日(水) 17:00-18:30@名古屋大学工学部IB電子情報館中棟IB011講義室

語学学習支援におけるテスト理論と自然言語処理~良問の自動作成を目指して~

江原 遥(静岡理工科大学)

発表者は、語学学習者が知らない語をシステムとのインタラクションから予測し、それらの語に自動的に訳をつける語学学習支援システムや、その背後にある確率モデルの研究を継続的に行ってきた。 本発表では、テスト理論と自然言語処理のつながりと、今後の目指すべき方向性について発表する。テスト理論は、大まかに言えば、どの被験者がどの設問に正解/誤答したか、というデータから、被験者の能力値や設問の難易度(すなわち、設問の配点)といったパラメタを自動的に決定するための統計的な確率モデルの枠組みである。項目反応理論、項目応答理論という名前でも知られる。 例えば、自然言語処理において一部の研究が扱っている、語学学習における単語の難易度を決定する問題も、テスト理論が扱う基本的な問題の1つである。本発表では、テスト理論と自然言語処理の考え方の違いを説明した後、自然言語処理技術とテスト理論を組み合わせる中で、どのような挑戦的な課題があるか議論する。また、発表者は、こうした課題に関連するデータセット作成も、クラウドソーシングなどを用いていくつか行っており、一般に公開している。本発表では、こうしたデータセットについても合わせて紹介する。

参加者:32名

第52回 2018年6月27日(水) 17:00-18:30@名古屋大学工学部IB電子情報館中棟IB011講義室

自然言語処理による教育応用

水本智也(理研AIP)

教育現場では,先生や採点/添削者の負担を軽減させるため,計算機による添削支援などが求められている.添削の中には,第二言語で書かれた作文の文法誤りを訂正する(文法誤り訂正)ものもあれば,あるテーマに対するエッセイの添削/採点 (エッセイスコアリング),長文読解問題における記述式問題の自動添削/採点 (短答式記述自動採点; SAS)のようなものまで様々な種類がある。本発表では,このような添削/採点をサポートする取り組みの一貫である、「文法誤り訂正システムの自動評価」と「採点項目に基づく国語記述式答案の自動採点」に関する研究について紹介する。

参加者: 40名

第51回 2018年5月30日(水) 17:00-18:30@名古屋大学工学部IB電子情報館中棟IB011講義室

自然言語で書かれた数学問題を計算機で解く

松崎 拓也 (名古屋大学)

テキストの形で与えられた数学問題を自動的に解くことは,自然言語の意味を形式表現へと写し取る言語処理の課題と,形式化された問題を解く自動演繹・計算代数の課題が交わる複合的な問題である.「数学問題を解く」という行為をこのような形で計算機に乗せるための要となるのは論理式による数学問題の形式表現であり,言語処理と自動演繹という 2 つの部分課題は,形式論理において「数学的論証」という実践が「命題と推論」という 2 つのレイヤに切り分けられたことに直接対応している.そしておよそ全ての理論と実践の関係と同様に,自動解答システムを工学的に実現する際にも,問題の論理表現という理論的仮構と前後の処理の間には種々の「軋み」が生じる.本発表では,数学問題の自動解答という課題を 19 世紀末の形式論理の創始から 20 世紀後半の古典的 AI 研究への流れの延長上に位置づけ,実際の解答システムの概要と研究課題について解説するとともに,現在・今後の言語処理研究とのつながりについて考える.

参加者39名