数論: 女王陛下とダンスを
数論,あるいは整数論はその名の通り, 整数の持つ性質を調べる分野です.
1, 2, 3, ... と続く整数は,
単純そうに見えて実は非常に深い世界をその奥底に隠しています.
「数学の女王」と呼ばれた数論の, ほんの入り口を覗いてみましょう.
高木貞治,『初等整数論講義(第2版)』,共立出版,1971.
A.ヴェイユ,『初学者のための整数論』,現代数学社,1995.
不思議な三角形 (双曲幾何学の基礎)
「内角の和が180度未満?」
「内角の大きさだけで面積が決まる?」
そんな不思議な三角形に触れてみませんか?
このセミナーでは,複素関数を使って展開される双曲幾何の世界を学習します.
これは,今までなじみのある平面幾何とは,少し異なる世界です.
イメージとしては, 「一定の割合で反り返った世界」です.
この不思議な世界を,私と一緒に体験してみましょう.
谷口雅彦・奥村善英,『双曲幾何学への招待ー複素数で視る』,培風館,1996.
微分方程式:力学・電磁気学から解析学・幾何学へ
古典力学と電磁気学では,
ニュートンの運動方程式とマクスウェルの方程式という微分方程式を基本法則にして,
数多くの物理現象が説明できます.
これを元に我々の日々の生活が成り立っていることを思えば, この威力は将に驚くべきことです.
一方, 物理を離れて数学の観点だけからしても, これらの理論は数多くの数学の母体となった点で極めて重要です.
このセミナーでは力学や電磁気学はどのような理論なのか,
そしてこれらがどのような数学につながっていくのかを学びたいと思います.
高橋洋一郎,『力学と微分方程式』,岩波書店,2004.
深谷賢治,『電磁場とベクトル解析』,岩波書店,2004.
俣野博・神保道夫,『熱・波動と微分方程式』,岩波書店,2004.
深谷賢治,『解析力学と微分形式』,岩波書店,2004.
グラフ理論 ( and / or ) 結び目理論 -これでも数学?-
グラフとは “点を線で繋げたもの ”,結び目とは “変わった輪ゴム”のことです.
そんなものを数学として扱えるのか,扱えたとしても何か意味があるのか.
答えは Yes です.
このセミナーではそれらを数学としてどのように扱うのかから始め,
扱うことでどう役に立つのかを知ることが一つの目標となります.
ひょっとすると,新しい理論を開拓するのはあなたかもしれません.
前原濶,『幾何学的グラフ理論』,朝倉書店,1992.
村上順,『結び目と量子群』,朝倉書店,2000.
瀬山士郎,『トポロジー:柔らかい幾何学(増補版)』,日本評論社,2003.