モヤシ語入門

1.文字と発音

1.1.文字

公式の文字は定めない。モヤシ語の音素を表記できるものであれば、何を使っても良い。ただし利便性のために、ラテン文字での表記を標準とする。ラテン文字の表記では、下記の26字が使用される。

(母音)a,e,i,o,u,-

(子音)p,b,f,v,t,d,k,g,s,z,c,j,m,n,l,r,x,y,w,'

また雰囲気を出すために、作者オリジナルの文字を使用しても良い。

[ToDo: オリジナルの文字の画像を掲載する]

1.2.発音

•a,e,i,o,uは母音で、スペイン語のものと同様。

•" - "は、曖昧母音を表す。基本的に、連続して発音することが難しい子音と子音の間に緩衝音として現れ、発音されても、文法上無視される。

•"c"は英語の"sh"、"j"は"c"の有声音。"x"はドイツ語の"ch"の音。

•" ' "は、英語の"h"の音。基本的に、母音と母音が連続する場合に、分離するために挿入される。

•それ以外は、英語と同様に発音。

•IPAによる解説は、下記の表を参照のこと。


1.3.二重母音

二重母音は、下記のものが認められる。

ai, ei, oi, au

また、下記の組み合わせは、前の母音が半母音化する。

ia, ie, io, iu

ua, ue, ui, uo

1.4.アクセント

1音節の語は、その音節にアクセントがある。2音節以上の語は、最後から2番目の音節にアクセントがある。

2.品詞

2.1.機能語

機能語は、語末が母音で、かつ語中に二重母音および二重子音を含まないものである。モヤシ語の本来語として定義され、文法上の様々な機能を表す。

2.2.内容語

内容語は、語末が母音で、かつ語中に二重母音または二重子音を含むものである。何らかの意味を表す。

2.3.名称語

語末が子音のもの。人名などの固有名詞を表す。

3.挨拶・間投詞

挨拶や間投詞は、E類機能語に内容語を続けることで表す。E類機能語とは、"e"で終わる機能語群のことである。

3.1.挨拶

「こんにちは」に相当する挨拶は、"te puspo"である。

teは次に来る内容語を使って何らかの挨拶をすることを表す機能語である。puspoは、「良い」を表す内容語である。

3.2.間投詞

"me puspo"は「やった!」を意味する間投詞である。"me"が付くことで、"puspo"が挨拶ではなく、何らかの感情表現であることを示している。

4.前置詞・名詞・形容詞

4.1.前置詞

A類機能語は、いわゆる前置詞と同様の働きをする。(A類機能語は、"a"で終わる機能語である。)内容語の前にA類機能語を置くことで、次に来る内容語が名詞であることを示すと共に、その名詞の格もあらわす。

主なA類機能語には、下記がある。

ya:絶対格

sa:動作主の格

fa:与格

4.2.名詞

A類機能語の後に来た内容語が、いわゆる名詞として解釈される。

4.3.形容詞

名詞の後に来る内容語が、いわゆる形容詞として解釈される。

複数の内容語が名詞の後に続く場合、左結合で意味が解釈される。例えば、A B C は((A B) C)と解釈される。

結合の順序を変更したい場合は、ai...auという機能語で括る。例えば、A ai B C au は、(A (B C))と解釈される。

4.4.代名詞

主な代名詞は、以下。

mai: 一人称、私、私たち

sai: 二人称、あなた、あなた方

poi: これ、あれ。まだ会話の中に出てきていないものを指差しして「それ」

toi: それ。既に会話の中に出てきた名詞を指して「それ」

4.5.数詞

[ToDo]

5.法・動詞・副詞

5.1.法(modality)

O類機能語は、次に来る内容語が動詞であることを表すため使われるのと同時に、動詞の法も表す。法とは、言及されていることが話者にとって真実であることを表したり(直接法)、命令であったり(命令法)と、文に対する話者の態度を表す。

主なO類機能語は以下。

[ToDo]

5.2.動詞

O類機能語の後ろに来る内容語が動詞である。動詞は、どの格の名詞を取るのかが辞書によって定義されている。

5.3.語順

モヤシ語の語順は、文頭に動詞、以後名詞を並べる。文頭の動詞の法が"yo"の場合は、"yo"を省略することができる。

5.4.副詞

動詞の後に続く内容語は、動詞を修飾する。そのため、副詞とみなしてよい。複数の内容語が動詞に続く場合の解釈については、形容詞の時と同様である。

5.5.相(aspect)

アスペクトとは、物事がどの段階にあるかを表す。モヤシ語においては、アスペクトを表す接頭辞を動詞に付けることで表す。接頭辞が付いていない場合は、状態の最中であるか、動作の最中であることを表す。主なアスペクト接頭辞は下記。

[ToDo]

5.6.時制(tense)

時制は、その物事が起きるのが今なのか、過去なのか、未来なのかを表す。モヤシ語においては、時を表す副詞を動詞の後ろに続けることで時制を表す。ただし、時制の表示は必須ではなく、文脈から明らかな場合は付けなくてもよい。

6.接続詞・否定・疑問文

6.1.接続詞

U類機能語は、接続詞の働きをする。接続詞は、内容語と内容語を並列化するか、または文と文を並列化する。

6.2.否定

否定を表すには、neiを否定したいものの後ろに置く。

6.3.選択疑問文

疑問文には、2種類ある。一つ目は、yesかnoかを選ばせたり、AかB与えられた選択肢から答える「選択疑問文」である。二つ目は、文の中で欠けた情報を埋めるものを答える穴埋め疑問文である。ここでは、選択疑問文の表し方を説明する。

選択疑問文を作るには、接続詞"ku"を使う。接続詞"ku"で単語を並列化させ、並列化されま単語の内、どれが正しいか選ばせることで選択疑問文を作る。yes/no疑問文は、「Aである」と「Aでない」という選択肢を並列化することで表される。

返答する場合は、選択肢の内で正しい単語を復唱する。

6.4.穴埋め疑問文

穴埋め疑問文を作るには、文の中で埋めて欲しい単語の場所に疑問詞"kau"を置く。例えば動作主が不明でそれを問いたい場合は、動作主の前置詞"sa"の後に"kau"を続ければよい。

7.関係詞

7.1.関係詞

関係詞"fau"を使うと、文を使って単語を修飾することができる。

fauを含んだ文をai...auで挟んで、修飾したい単語の後ろに置くことで、関係節を作ることができる。

8.データ集

8.1.内容後のリスト

https://onedrive.live.com/redir?resid=9C3F8BE2B10E2F75!15406&authkey=!AGw04whNMwi41WI&ithint=file%2cxlsx

8.2.例文集

ざすろんさんによる、「りんごが食べたい58文」を例文として掲載する。

http://starlightensign.com/langcontents/1450

Z1.私はりんごを食べる. lusti ia gaspe sa mai.

Z2.私はりんごを食べた. lusti fairfi ia gaspe sa mai.

Z3.彼はりんごを食べている. prulusti ia gaspe sa toi nospo.

Z4.彼女はりんごを食べ終わっている. klilusti ia gaspe sa toi fembe.

Z5.彼女はりんごを食べ終わっていた. klilusti fairfi ia gaspe sa toi fembe.

Z6.私の妻はりんごを食べたことがある. lusti fairfi ia gaspe sa fepra mai.

Z7.私の妻はりんごを毎日食べる. lusti ia gaspe sa fepra mai ra gopra pendi.

Z8.私と私の妻は昨日りんごを食べた. lusti ia gaspe sa mai sa fepra mai ra goprfairfi.

Z9.私と私の妻は6日前にりんごを食べた. lusti ia gaspe sa mai sa fepra mai ra goprfairfi orgi.

Z10.彼らは明日りんごを食べる. lusti ia gaspe sa toi dispu ra goprbeinde.

Z11.彼らは6日後にりんごを食べる. lusti ia gaspe sa toi dispu ra goprbeinde orgi.

Z12.彼女らは3日間りんごを食べている.(食事としてりんごだけを食べている) lusti ia gaspe sa toi fembe dispu ra gopra empa.

Z13.彼女らはりんごを5分間食べ続けている.(りんごを食べる所要時間に5分かかっている) trelusti ia gaspe sa toi nospo ra mentu enso.

Z14.彼は常にりんごを食べている.(四六時中ずっとりんごを食べている) trelusti ia gaspe sa toi nospo ra tilbu pendi.

Z15.りんごが3つある. gusti ia gaspe empa.

Z16.りんご達がテーブルの上にある. gusti ia gaspe dispu na kauspo.

Z17.誰かがあのりんごを食べてしまった.(その結果,あのりんごは今はない) klilusti ia gaspe.

Z18.誰かがこのりんごを食べそうだ.(推量) bo'o lusti ia gaspe.

Z19.誰かがこのりんご,そのりんご,あのりんごを食べたそうだ.(伝聞) kiski ia ai io lusti fairfi ia pei taurba gaspe ia pei doirgi dau ia pei raista dau au.

Z20.りんごがひとつもない. gusti nei ia gaspe.

Z21.私はりんごを食べない. lusti nei ia gaspe sa mai.

Z22.私はりんごを食べられない.(りんごがないので状況的に食べられない) do'o lusti nei ia gaspe sa mai.

Z23.私はりんごを床に落とした. fluluklo ia gaspe sa mai.

Z24.りんごが床に落ちた. fluluklo ia gaspe sa mai.

Z25.りんごは食べられない.(りんごの性質として,可食でなくなった) lusti nei ia gaspe.

Z26.私はりんごを食べたい. mo lusti ia gaspe sa mai.

Z27.私はりんごを買いたい. mo seingi ia gaspe fa mai.

Z28.このりんごは汚い. melba ia pei taurba gaspe.

Z29.このりんごは綺麗ではない. melba ia pei taurba gaspe.

Z30.あのりんごは食べられそうだ. bo'o lusti ia pei raista gaspe.

Z31.あれはりんごではない. gaspe nei ia pei raista.

Z32.これはりんごではなくみかんだ. gaspe nei ia pei taurba yu io gasnerbe.

Z33.あなたはみかんを食べるか? lusti nei ku lusti ia gasnerbe sa sai?

Z34.はい,私はみかんを食べます. lusti. / dau gai. / gai.

Z35.あなたはみかんを食べないのですか? lusti nei ku lusti ia gasnerbe sa sai?

Z36.ええ,私はみかんを食べません. lusti nei.

Z37.あなたはみかんを食べたかった.ですよね? xistu sa sai ia ai io lusti ia gasnerbe sa sai au, ku io dau nei?

Z38.いいえ,私はみかんを食べたくはありません. xistu nei.

Z39.あなたはりんごもみかんも食べないのですか? lusti nei ia gaspe ia gasnerbe sa sai, ku io dau gai?

Z40.いや,私はりんごを食べます. lusti ia gaspe sa mai.

Z41.私はみかんを食べない.だから,みかんは食べられない.(受け身の否定) lusti nei ia gasnerbe sa mai. ※後半の文と前半の文は同型。

Z42.りんごは食べることができない.なぜなら,りんごは綺麗ではないから. bo'o lusti nei ia poi gaspe ga'a ai io melba ia toi au.

Z43.りんごは汚い.一方で,みかんは綺麗だ. melba ia gaspe iu io melba nei ia gasnerbe.

Z44.みかんを食べましょうよ?(勧誘) mo lusti ia gasnerbe sa sai.

Z45.いいえ,お断りします. mo dau nei.

Z46.あそこでみかんを食べろ.りんごは食べるな. to lusti ia gasnerbe na raista. to lusti nei ia gaspe.

Z47.りんごを頂いても宜しいですか?みかんは差し上げます. puspo nei ku puspo fa sai ia ai io lusti ia gaspe sa mai au? go xospu ia gasnerbe fa sai.

Z48.私は「りんごは食べるな,みかんを食べろ」と言った. kiski fairfi sa mai ia oi "to lusti nei ia gaspe. to lusti ia gasnerbe." oin.

Z49.あなたはりんごを食べろと言うのですか? kiski nei ku kiski sa sai ia ai io lusti ia gaspe sa mai?

Z50.貴様はりんごを食べたいと言った. kiski fairfi sa sai ia ai io lusti xistu ia gaspe sa sai au.

Z51.私はりんごを食べたいと言った覚えがない. kuldi nei sa mai ia ai mo lusti ia gaspe sa mai au.

Z52.あなたは確か「私はりんごを食べたい」と言ったはずだ. kiski fairfi reispi sa sai ia oi "mo lusti ia gaspe sa mai." oin.

Z53.私はもしかしたらそう言ったかもしれない. bo'o kiski fairfi sa mai ia dau.

Z54.あなたは絶対に私に対して「りんごを食べたい」と言った. kiski reispi sa sai fa mai ia oi "mo lusti ia gaspe sa mai." oin.

Z55.彼は私にりんごを食べさせる. lusti ia gaspe sa mai ga'a xistu toi.

Z56.みかんは私に食べられていない. lusti nei ia gasnerbe sa mai.

Z57.りんごは彼によって私に食べさせられた. lusti fairfi ia gaspe sa mai ga'a xistu toi.

Z58.ここには何もない. gusti nei ia neski.