協働する教育AIの研究開発

(1)仮想議論者とのグルーピング機能

グルーピングを行う際に、デジタル教科書システムから収集できる座学の学習データとKI fUで収集できる演習の学習データを用いて各学習者の知識を行列化し、各学習者の知識が異 なるようにグループ編成を行う(Step 1.1)。グループ編成後、各グループ内において、各学 習者と知識の異なる仮想議論者のデータを自動生成し(Step 1.2)、その仮想議論者をグルー プに追加する機能を実現する(Step 1.3)。

(2)仮想議論者の成果物の自動生成機能

仮想議論者が学習者と議論を行う際、他者と比較するための成果物が必要となる。そこで、 本研究では、 Step1で作成された仮想議論者の知識ベクトルに基づいて演習で行う概念モデ ルの成果物を自動生成する機能を実現する。この成果物を使用して、仮想議論者は、他者と 議論する際に、自身の概念モデルの成果物を他者に共有する機能を実現する。

(3)学習者の議論状況と知識に応じた仮想議論者のボット機能

仮想議論者が学習者の成果物の知識と議論の状況に基づいて、他者と違った事を議論した り、議論回数が少ない学習者に対して議論を促す機能の研究開発を行う。例えば,ある学習 者の成果物において、実体の「生徒」内に属性の「学籍番号」が無い場合、仮想議論者は、 「生徒の実体だけど何か属性が抜けていませんか?」などの議論を促すつぶやきを提示する。 また、実体内の属性が適切に記述されていた場合においても、誤った回答を提示することで、 他の学習者に自身の解答に見落としがないかを復習させる機能や議論中の学習者の発話回数 などの議論データを収集しておき、発話回数の少ない学習者に対しては自身や他者の成果物 を見直す機能を研究開発する。