ICTを用いた教育工学の背景
1980年から1990年代に向けて、コンピュータを利用した、コンピュータ支援教育(CAI)が普及し、教育にコンピュータを最大限に利用することを目的とした研究が活性化
1990年頃からコンピュータネットワークやインターネットが大きく発展した事から、時間や場所の制限がない学習支援が行なわれるようになり、e-Learningの言葉が盛んに用いられるようになり,学習ログを一カ所に集中管理
2005年から携帯電話やRFIDやQRコードなどのユビキタスツールが普及した事から、実世界での学習支援が注目され、多くの教育機関でユビキタス学習の研究が推進
第一世代のユビキタス学習の研究事例
左の図は、言語学習の分野で,ユビキタス技術を活用した研究であり、日用品に付与したRFIDタグを読み込むことで、日用品の英単語の学習を行なう事ができます。つまり、単語と物を関連付けて学習することができる学習支援を行なっています。
右の図は、理科の植物や蝶の観察に応用したユビキタス学習の研究であり、RFIDを植物園の植物に付与しています。これにより、学習者は、植物園を訪れた際に、RFIDリーダを用いて、植物の情報を読み込み、植物の観察をしながら、知識を深める事が可能となります。
ユビキタス学習の世代交代
第二世代のユビキタス学習では、ライフログの登場により、学習環境に学習した事を学習ログとして残す事ができるようになり、その学習ログを語学学習に応用した研究が登場。
受動的学習ではなく、学習者が中心となる主体的な学びの支援が行なわれるようになりました。
ユビキタス語彙学習システムのSCROLLの概要
留学生は日常での語学学習で和製英語やオノマトペなどの意味を学習する事が多々ある。例えば、アメリカ英語だとフレンチフライやイギリス英語だとポテトチップスが一般的であるが、日本に留学生がマクドナルドに行った際に、そこでフライドポテトの和製英語を学びます。他にも日常ではリモコンやクーラーなどの和製英語が多くあり、オノマトペの場合も日常生活で頻繁に学ばれます.こういった実世界での単語や学習体験を学習ログとして残すためにSCROLLと呼ばれるユビキタス学習システムが開発しました。右の図はSCROLLのインタフェースとなっており、以下のURLからユーザ登録すればだれでも利用できるシステムとなっております。