研究内容

乳幼児の言語獲得

顔と声の視聴覚感覚の統合 

イラスト:清水智樹)

乳幼児の社会性発達

内受容-外受容感覚の統合 

言語・社会性発達の

評価と支援 

(1)乳幼児の言語獲得/顔と声の視聴覚感覚の統合 

私たちはどのように言語を獲得していくのでしょうか。言語獲得は環境要因の影響が大きく、乳幼児期では周囲の大人との関わりが重要であると考えられています。つまり、赤ちゃんは他者とのコミュニケーション社会環境の中で言語を獲得していく、と考えられます。これまでの研究では、赤ちゃんが発話者の口の動き(視覚情報)と、音声(聴覚情報)を結びつけ、音声を真似することで言語を獲得していくことを明らかにしました。さらに、赤ちゃんが音声を真似するには、発話者が赤ちゃんの目を見ていることが重要であることがわかりました。赤ちゃんは、他者とのコミュニケーションの中で言語を獲得して可能性が見えてきました。
Imafuku & Myowa-Yamakoshi (2016) Psychologia今福・大橋・明和 (2016) 音声研究Imafuku, Kanakogi, David, & Myowa (2019) Developmental Science 今福 (2019) 心理学評論

(2)乳幼児の社会性発達/内受容-外受容感覚の統合 

私たちは生後早期から他者に対して、特別な感受性を持ちます。例えば、生まれて間もない新生児でさえ、他者の顔や声に選好を示し、顔表情の真似をします。このような、他者とのコミュニケーションを成り立たせる上で欠かせない能力を「社会的認知と呼びます。これまでの研究から、乳幼児の社会的認知の発達過程やメカニズムを明らかにする研究を行ってきました。また、ヒトの社会的認知は、身体の影響を受ける可能性がいわれてきました。社会的認知が身体に根差すという仮説について、身体感覚(内受容感覚)が社会的認知の発達とどのように関連しているかを研究することで、検証を重ねています。
Imafuku, Hakuno, Uchida-Ota, Yamamoto, Minagawa (2014) NeuroimageImafuku, Fukushima, Nakamura, Myowa, & Koike (2020) Scientific ReportsImafuku, Yoshimoto, & Hiraki (2023) Scientific Reports

(3)言語・社会性発達の評価と支援 

言語獲得や社会的認知の発達の個人差やリスクを評価し、支援につなげる研究を行っています。これまでの研究では、在胎週数37週未満で出生する早産児や、出生時の体重が2500gに満たない低出生体重児を対象とした研究を行ってきました。また、乳幼児~思春期の自閉スペクトラム症のお子さんと保護者を対象に、社会的認知、言語を評価・支援する研究を行っています。
Imafuku, Kawai, Niwa, Shinya, Inagawa, & Myowa (2016) InfancyShinya, Kawai, Niwa, Imafuku, & Myowa (2017) Frontiers in PsychologyImafuku, Kawai, Niwa, Shinya, & Myowa (2019) Early Human Development Imafuku, Kawai, Niwa, Shinya, & Myowa (2021) Infancy

共同研究

京都大学     明和政子研究室: http://myowa.educ.kyoto-u.ac.jp 東京大学 開一夫研究室:https://ardbeg.c.u-tokyo.ac.jp/ja/top/東京大学     小池進介研究室: http://plaza.umin.ac.jp/~UTIDAHM/koike/member/東北大学 細田千尋研究室: https://neurocog.is.tohoku.ac.jp/