これまでの歩み
2005年頃、私は環境問題、特にごみ問題の深刻さに気づき、自分が出す「ごみ」を減らす活動を始めました。
2006年7月、町田市が環境先進都市を目指して「ごみゼロ市民会議委員」を募集、もちろん私も応募し委員になりました。
折しもそんな時に我々の活動の原点と言える「ハチドリのひとしずく」という民話に出会いました。
ハチドリというのは花の蜜を吸う体調10㎝ほどの小さな鳥です。
そのハチドリが燃えている森に一滴の水を必死に落とし続ける様子に感動し、自分もハチドリのようになりたいと思ったのです。
ちょうどその頃、ものすごいスピードで進む地球温暖化のテレビ番組を見て息子(当時小5)が
「お母さん、大変だ! このビデオを学校で見てみんなで考えればいいのにね。」
と言いました。
感動した私はすぐに担任の先生に息子とのやり取りをお話したところ、先生から「授業をやってみませんか?」とお声かけがありました。
友人と試行錯誤しながら出前授業『ハチドリ教室』を1回だけ行うつもりで精一杯頑張りました。
すると、次の年にも同じ小学校から「ハチドリ教室」をやってほしいと頼まれたのです。
この時にごみゼロ市民会議で一緒だった方に町田市役所 に出前で分別を指導してくれる部署があるよと教えて頂き、すぐに相談しに行きました。
訪ねた先は当時の町田市役所清掃事業部ごみ減量課(現・環境資源部 環境政策課 3R推進係)です。
小学校の総合学習(の地域学習)でゴミ問題を学ぶ4年生の子どもたちに「ごみの分別」を実際に体験してもらうことを思いつきました。
その体験を通して自分たちにもできるごみ減量があること、その正しい知識を覚えてもらい、家に帰った後にも実践してもらえるのではないかと考え、ごみ減量課の方に伝えました。
担当の方は私達市民と協働で出前授業をする事を快諾してくださり、3R推進課になった今日までずっと一緒にハチドリ教室を行ってきました。
はじめの「ハチドリ教室」からこれまで、小学校四年生での出前授業をメインに多くの子どもたちにハチドリの心を伝えることができました。
これからも、ハチドリさんたちを増やしていきたいと思っています。
小学校でのハチドリ教室の様子。右は「ゴミの分別ゲーム」。
初めて行ったハチドリ教室の様子が、タウンニュース町田版に載った。
2008年町田ごみフェスタ(当時)でのハチドリ教室。
私達はハチドリ教室を最初3人のママ友で始めましたが、ハチドリの精神に共感し協力してくれる仲間も少しずつ増え、
2010年に当『ハチドリ教室を伝える会』を発足しました。
一緒に出前授業をしている3R推進課の方々も初めは3人体制でしたが、授業後の子どもたちが地球を冷やす為に自分にできる事が沢山あると気づき、すぐに行動してくれるのでやりがいを感じてくださり、全員体制で関わってくださるようになりました。
そして2012年10月にハチドリ教室を伝える会と協働で「ハチドリ教室」を行っていく事の確認書を町田市環境資源部と締結するに至りました。
2010年には、「新宿のデパートでの『びっくりエコ100選』というイベントのワークショップでハチドリ教室をしませんか? 」
と知人より話がきたので3R推進課に相談しました。
その時も協働での参加を快諾してくださり、企画会議を重ねました。
「イベントで分別ゲームを行うのは少し難しそう。資源となるものを入れてその資源をリサイクルしてできたものが出てきてそれをプレゼントできたらいいね」
と3R推進課の1人が発言し、「それいいね!」と全員賛同しました。
その企画会議で生まれたのが『変身ボックス』。
この変身ボックスは町田市内のお祭りなどで今も大活躍しています。
会にも新しい仲間が入ってくれていて、ハチドリの一滴の紙芝居の上演や地球温暖化やごみの減量の方法などをパワーポイントによる映像を使って説明する手法をとり、びっくりエコ100選でのハチドリ教室も成功しました(広報まちだの1面にも掲載されました)。
2010年 びっくりエコ100選でのハチドリ教室(新宿高島屋) 。
会が発足してから毎年、年度末には必ず私達と3R推進課とでその年の振り返りと次年度に向けての話し合いをしています。
2011年2月の話し合いの時に3R推進課(当時ごみ減量課)課長さんから
「今回のびっくりエコ100選のような話は来年度もありますか?
もしなければ、町田市で毎年夏休みに小学生対象にリサイクル体験(牛乳パックの紙漉きと布草履つくり)を行っています。
これをハチドリさんも一緒にやっていただけませんか?」
とお声掛けいただきました。
もう1人の職員さんからも
「今までリサイクル体験やエコツアーなどを行ってきましたがそれらはただの工作でしかなかったように思います。
ハチドリ教室を受けてから紙漉きや布草履を作ることでただの工作ではなくなります。
なぜごみを減らさなくてはならないか、減らす方法は何か? を学習してから実際に自分の手でリサイクルしていく事で子ども達の心に残ると思うのです。」
とのお言葉をいただきました。
この会議で「夏休みわくわくエコ体験」が誕生し、以後毎年夏休みに開催、多くの子どもたちが参加してくれています。
最近では親子参加やリピーターも多くみられるようになりました。
「夏休みわくわくエコ体験」の様子。
また、私達が町田市と協働で行っているハチドリ教室についての講演依頼がくるようになり、聖心女子大や白百合女子大、私の母校(東邦医大付属看護専門学校同窓会)でも行いました。
白百合女子大(左)、東邦医大付属看護専門学校同窓会(右)での講演。
さらにさまざまなメディアが取材してくださるようにもなりました。
2007年タウンニュース、2009年タウンニュースの「人物風土記」、2010年テレビ東京「すなっぷ」、2012年小学校4年生社会科の教科書(2015年度から使用される)など。
そしてこの小学4年生の社会科の教科書でのハチドリ教室を見て相模原市の小学校の先生からハチドリ教室の申し込みがあり、相模原市資源循環推進課の方にも協力も得られ、今回初めて町田市以外の小学校で行うことができました。
神奈川県相模原市内の小学校でのハチドリ教室。
2006年にハチドリのひとしずくに出会い、感動し、息子の言葉がきっかけでハチドリ教室を行ってきました。
自分だけがやっても、、、ではなく、自分ができることをしてそれをみんながやっていくことで大きな力になるっていう考えを子ども達に持ってほしいこと、先生方にも大人にも持ってほしいことを伝えていき、ハチドリの精神の語り部となってくれる人も増やしていきたいし、広げていきたい。
でも、私達は完全なボランティアで、子育てしながら、仕事をしながら活動しているので少しずつしか進めていくことができない。
それでもいつかきっと全国に広めていけると信じてやり続けていきたいと思っています。
決してあきらめないで!!「もったいない!ほっとけない!へこたれない!」を合言葉に。
子どもたちからのハチドリ教室へのお礼のお手紙&感想文。私の宝物です!!
◆「まちづくりの環」への掲載記事
当会の代表・黒津が参加しています、「町田まちづくり市民会議」。
この会の会報で、ハチドリ教室についての記事も何度か掲載していただきました。
また、タウンニュースにもコラムを掲載いたしました。