13. 『星のうさぎ』のおとしもの

*『星のうさぎ』とは、

山口県精神保健福祉センターで

実施していた不登校グループ活動で、

現在は同様のグループが

宇部フロンティア大学大学院附属臨床心理相談センター

で開催されています。

1. 人生はとりかえしがつかない

―とりかえしがつかなくても、やりなおしはいくらでもきく。

2. 人生に遅れをとらぬよう

―人生に遅れなどない。

平均寿命80余年をどのように生きてもよい。

3. 集団生活を体験しないと社会性が身につかない

―どういう集団生活を経験したかということが問題。

また、社会性とは何か?

4. 集団生活を体験しないと社会に出られない

―出ている。勝手な想像をしてはいけない。

5. 嫌なことがあってもわがままを言わず、適応力を身につけないと

社会へ出てやっていけない

―人間は適応したり不適応を起こすことから生きている。

6. 嫌なことでも我慢しないと、楽な方へ楽な方へ流れる

―楽に生きたい。

また、人間は我慢できることとできないことがある。

(人間は苦労するために生きるのか?

楽な生き方を求めている。我慢に価値をおく企業社会)

7. 嫌なことから逃げてばかりいると、我慢できない人間になる

―だから何?逃げるが勝ち。

人間は逃げて生き延びてきた。

我慢の反対・わがまま(こちらの期待に添わない行動をとるとき

一般的にそう呼ぶ)は主体性。

8. いじめにも立ち向かう逞しさを身につけないと社会ではやっていけない

―立ち向かうなどできないのがいじめ。

また、一瞬でもなぜいじめられなければならないのか。

逞しさを身につけないとやっていけない社会とは何か。

9. 言いなりになって甘やかすから家庭内暴力になる

―子どもをギリギリのところまで追いつけるから家庭内暴力に到る。

また多くの場合、

その子どもはそれまで親の暴力によって抑え込まれていた

という歴史をもつ。

10. 父親は威厳をもって、きちっと叱って……、親父の出番

―求めていなければ出ないほうがよい。

11. 両親、意見を一致させた教育方針を

―両親意見を一致させて子どもを責めていることがある。

不一致させても守るべき。

12. 何事も途中で投げ出さず、最後までやり遂げることが大切

―嫌なことを無理してやり続けると、人間は疲弊する。

関心のあることは、やめろと言っても最後までやる。」

13. 友人は多い方がいい

―少なくて何が悪い、否、いなくても生きていける。

14. 何事も積極的に

―積極性も消極性も事態に対するあり方(態度のとり方)のひとつ。

物事によっては積極的になることもあれば、

消極的になることもある。評価の対象ではない。

15. 将来の(幸せの)ために今を辛抱すること

―今をどう幸せに生きるかをなぜ教えないのか?

教育は今よりも「将来のため」を重視する。

その将来とは何か。人間は常に今を、この瞬間を生きている。

・より良く発達した姿を描き出せない発達心理学。

・親の思いどおりになること、従順でいる子を大人になった、という。

・親の思う幸せが子どもの幸せではない。

・人間は主体的に判断して生きている。

・自己否定から自己否定―自分の世界を拡げたい。私という個性は世界でただひとつ。

今を生きている唯一の生命。

※上記の文章(『星のうさぎ』のおとしもの)は、

宇部フロンティア大学の

西村秀明さんのご了解をいただき、

掲載させていただきました。

西村さんの紹介ページは、

下記のリンクをご覧ください。

http://www.frontier-u.jp/index.php/b3-teacher-graduate/b3-info-laboratory-2

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