01. ごあいさつ(奥地圭子)

学校法人東京シューレ学園

東京シューレ葛飾中学校 学園長 奥地圭子

本校は、不登校を経験した

お子さんの成長支援を

目的とする私立中学校で、

2007年に開校しました。

開校の母体になったのは、

東京シューレというフリースクールで、

すでに35年の歴史があります。

フリースクールは

学校制度外に創られた

子どもの居場所・学び場ですので、

活用しているのは

主に不登校の子ども達ですが、

居場所があることで元気に育っています。

そして、東京シューレを生み出した母体が

「登校拒否を考える会」という親の会で、

すでに37年の歴史があり、

現在も月1回の例会を

王子シューレで開催しています。

小中の不登校が今も

12万人いる日本社会にあって、

学校へ戻そうとするのでなく、

子どもの気持を受けとめ、

共に考えていく大切さこそ、

本人を元気にしていく、ということを、

不登校の子ども達から学んできました。

共通して言えることは、

「休むことの大切さ」です。

いつも「行け行け、どんどん」

がいいとは限りません。

すでに、学校に行きしぶっている、

「行く、行く」

といいながら実際は行けない、

「行きたくない」

と宣言している等の状況がある時は、

無理して登校させるのではなく、

休みを認めてあげる方がいいし、

「ちょっと休んだら」

と声をかけてあげていいのです。

学校に行こうとすると頭痛・腹痛、

気持ち悪い等の体調の悪さや、

朝起こしを頼まれたのに

どうしても起きられない等の

サインが出ている場合は、

すぐにでも休むことが大事です。

それが不登校をこじらせないこつです。

大人は「学校を休んでいい」と言おうものなら、

そのままいい気になって

怠けてしまうのではないか

と不安になって、

休むことを受け入れられない人が多い。

でも当事者である

子どもの気持に立って考えるのが

大切なのです。

学校が大事といっても、

学校で傷ついたり、疲れたり、

恐怖感や不信感、拒否感が生まれて、

学校が苦しい存在になることは

あり得ることです。

子どもは

学校へ行かなくてはならない

とは思っているので、

それでも頑張って通い続けるのですが、

限度が来て不登校が始まるのです。

行かなくてはならないのに行かない、

これは本当につらいことです。

まずはゆっくり休み、

心や体を充電しない事には

どんな次の手もうまくいきません。

そして、

休む期間がかなりあっても、

進路はあるし、

人生は築いていけるのです。

親の会にきてみていただくと、

そんなことがいっぱいわかります。

参加は自由、どうぞきてみて下さい。

予約なしで大丈夫です。お待ちしています。

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『フリースクールが「教育」を変える』

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