2012年度の講義録


第10回  塾生発表会
11月17日(土) 14:00~17:00

概要:全講義を受講した塾生たちによる発表会です。科学者維新塾を通じて得た、自身のキャリアに関する想いや考えを発表し、意見交換を行いました。


第9回 番外編

10月27日(土) 14:00~17:00
河田聡(科学者維新塾塾長、大阪大学教授、理化学研究所主任研究員など)


【プロフィール】 専門は応用物理(ナノフォトニクス)。1974年大阪大学卒業、79年同博士課程修了、カリフォルニア大学ポスドクなどを経て1993年より阪大教授。2003年ラマン顕微鏡メーカー、ナノフォトン(株)を創業。光(フォトン)とナノ構造の相互作用の研究である「ナノフォトニクス」の世界的パイオニア。ギネスブックに世界で最小のレーザー造形物が写真入りで掲載。紫綬褒章、文部科学大臣表彰、島津賞、市村学術賞、江崎玲於奈賞、等。






講義録
第9回講義では、塾長の河田先生との討論会を行いました。討論会では、10/26の夜から10/27の午前中に行った合宿の報告とともに、そこで行った議 論のテーマを元に再度ディスカッションを行いました。また、サイエンスとはどういうものか、どうやって研究テーマを作るのか、というようなサイエンスの エッセンスについても聞くことができました。これまでの講師を呼んで講義を受けるのとは異なり、ざっくばらんに互いの考えをぶつけ、議論する回となり、と ても面白く、かつ新たな発見のある有意義な時間を過ごすことができました。(塾生 柳川 由紀)


第8回 弁護士・弁理士
9月22日(土) 14:00~17:00
鮫島正洋(弁護士・弁理士)

【プ ロフィール】 弁護士 / 弁理士。1985年東京工業大学金属工学卒業後,藤倉電線株式会社(現:株式会社フジクラ)入社し,電線材料開発に従事。1991年弁理士試験合格 後,1992年日本アイ・ビーエム株式会社に入社し,義的財産マネジメントに従事。1996年司法試験合格。2004年,内田・鮫島法律相談事務所開設。 現在,中小企業知的財産戦略支援事業統括委員会委員長,金沢工業大学客員教授を兼務。著書に「新・特許戦略ハンドブック」「基礎から学ぶSEの法律知識」 など。



第7回 海外の大学教授

7月14日(土) 14:00~17:00
河野 淳一郎(米ライス大学・教授)

【プ ロフィール】 ライス大学教授(電気情報工学科及び物理・宇宙科学科)。専門は応用物理(ナノ構造半 導体、カーボンナノマテリアル)。1995年、ニューヨーク州立大学バッファロー校にて博士号 (物理学) 取得。カリフォルニア大学サンタバーバラ校、スタンフォード大学で研究員を務めた後、2000年にライス大学にて助手に就任。その後、2005年から同大 学にて助教授を務めたのち、2009年より現職。アメリカ大学生の日本インターンシップ・プログラム「NanoJapan」主宰。




講義録

第7回講義では、アメリカで工学博士を取得し、現在ライス大学で教授としてご活躍されている河野 淳一郎先生にご講演をいただきました。

前半は、ご自身のキャリアパスを元にライス大学の教授になるまでの道のりについてお話していただきました。アメリカ では修士課程から給料が支払われるなど研究者のサポート体制が整っており、また博士号が社会的に評価されているそうです。そのため世界中から多くの学生が アメリカに集まり、激しい競争の中で博士号取得を目指しています。しかし、日本と比べアメリカでの博士号取得は難しく、最も取得率が高い工学系でさえ博士 号取得率は約64%に留まるとのことでした。さらにアカデミアの道に進む場合、それまでとは異なる分野で独自の研究成果を出していること、また資金調達力 や自己宣伝力といった総合的な資質を厳正に審査され、ごく限られた人しか残ることができない、といった厳しい側面についてもお話しいただきました。終盤で はビザの取得やアメリカでの生活などにも話が及び、アメリカで研究者になるという進路をより具体的に考えてみようという気持ちになりました。

後半は、参加者全員が輪になって座り「理系グローバル人材とは何か」というテーマでディスカッションを行いました。 最近様々な場面で「グローバル人材」という言葉を耳にしますが、「そもそもグローバルとは何か」という点が曖昧であり、私も以前から疑問を感じていまし た。今回様々な視点から活発な意見交換が行われ、私自身非常に参考になりました。今回出た意見の中でも、異なる文化・環境に溶け込める適応力、様々なバッ クグラウンドを持つ相手と協力して仕事が出来る能力、また相手の生活にまで踏み込んでニーズを見つけ出す行動力といった能力が特に大事なのではないかと感 じました。

河野先生の講義を通して、海外で研究者になる進路、また海外で活躍するための心構えについて考える良い機会になりました。次回の講義も楽しみにしています。(塾生 近藤 真司)



第6回 フリージャーナリスト

6月23日(土)
 14:00~17:00
井上久男(フリージャーナリスト)

【プロフィール】 1964年生まれ。九州大学卒。1988年NEC入社し、1991年退社。1992年朝日新聞入社。1995年名古屋経済部、1998年東京経済部、 2002年大阪経済部。トヨタや日産、三菱重工業、パナソニックなどを担当したほか「転機の教育」取材班にも在籍。2004年朝日新聞を退社。フリー ジャーナリストに。2005年大阪市立大学創造都市研究科(修士課程修了)。2010年同研究科博士後期課程単位取得退学。2004年~2006年阪大フ ロンティア研究機構(FRC)特任講師。2006年~2007年大阪市立大学創造都市研究科ティーチングアシスト。著書には「トヨタ愚直なる人づくり」(ダイヤモンド社、07年、中国と韓国でも翻訳)、「トヨタ・ショック」(講談社、共編著、09年)、「農協との30年戦争」(文春新書、企画取材執筆協力、10年)がある。また「報道ステーション(テレビ朝日)」などへの出演、文藝春秋、東洋経済新報社、講談社などの各種媒体で執筆。


講義録
第6回講義はフリージャーナリストの井上久男先生に、「フリージャーナリストになるには?」を中心に据えて講演をしていただきました。井上先生がフ リージャーナリストになるまでの道のりをご紹介頂き、また、組織で働くジャーナリストとフリーで働くジャーナリストの違いや、取材の仕方、記事の売り方な ど、フリージャーナリストのリアルな現場をお話し頂いた。講義を通して感じたのは大新聞社などに属さない形でのジャーナリズムの広がりだった。フリー ジャーナリストになるには「まずは組織でノウハウを盗むこと」という趣旨のアドバイスも頂いた。博士課程で一つのことを掘り下げてきた経験は、ジャーナリ ズムにも役立つのではないだろうか。個人的には理系の研究とジャーナリズムの共通項を多く感じた講義だった。(塾生 木全 翼)


第5回 会社経営者

5月26日(土) 
14:00~17:00
中原林人(ナノフォトン株式会社 代表取締役社長)

【プ ロフィール】 科学技術庁 航空宇宙技術研究所(現宇宙航空研究開発機構)にて3年間研究に従事、大手メーカにて商品開発・研究企画業務に携わる。 1991年東京大学大学院航空学専攻博士課程修了。 2008年グロービス経営大学院大学修了。博士(工学)、経営学修士。2008年11月にナノフォトン株式会社 代表取締役社長に就任。




講義録

第5回講義では,工学博士であり、さらに経営学修士も取得され、現在はナノフォトン株式会社の代表取締役社長をなされている中原林人氏にご講義をしていただきました。
 中原氏は、中国出身であり、大学院から日本に来られてご活躍されている興味深い経歴をお持ちの方です。講義の前半は、日本に来た時に感じたカ ルチャーショックや、どのようなことがきっかけで研究の世界から企業経営へと進んできたか、などキャリアパスを考える上で意義のあるお話を聞くことができ ました。さらに、企業経営とは何か、また会社とはどういうものか、など実際の会社経営や起業についてもお話を聞くことができ、今後起業してみたいと考えて いる塾生達には刺激的な講義だったと思います。また、この講義に先立ち、塾生には、生まれてから現在までの幸福度を示すグラフ作成の宿題がでており、それ を元にして数名の塾生が意見を発表する機会もありました。このグラフを書いたことにより、自分は何に幸せを感じるか、また幸福度が低かったときにどのよう な行動したことで幸福度が再び上昇したか、を認識することができ、自身の心と対話するきっかけとなる、とても有意義な体験でした。
 講義後半では、参加者全員が輪になって座り、活発な意見交換が行われました。起業のための具体的な資金の集め方、商品の売り込み方から、サイ エンスの分野から会社経営者に至るまでにいかに人生を”決定”してきたか、新しい道に進むのに怖さはなかったか、どうやったら怖さを振り切って新しい道に 進むことができるのか、など塾生からの活発な質問がでました。また、日本では博士号取得者による起業が少ないこと、世界的には博士号取得者がアカデミック 分野だけでなく様々な分野で活躍していること、など日本社会における博士号取得者の現状を知ることができ、博士号とは何か、さらには今後の日本での博士号 取得者の活躍の場、を考える有意義な時間となりました。
 質問タイムの最後に塾長の河田先生より、“この講義を聞いたことで将来起業をしてみたくなった人は?”という質問がありましたが、少なくとも 5-6名の塾生から手が挙がっていたことを記憶しています。将来、塾生から何人もの起業家が生まれるのではないかと期待できる、わくわくする未来がイメー ジできました。最後に、“失敗を恐れずにまずは動いてみることが大切“という中原氏の言葉を思い返しながら、来月の講義を楽しみに待ちたいと思います。 (塾生 柳川 由紀)


第4回 サイエンスコミュニケーター・サイエンスライター

4月28日(土) 14:00~17:00
内田 麻理香(サイエンスコミュニケーター・サイエンスライター)

【プロフィール】 1974年千葉県生まれ。東京大学工学部応用化学科卒、同大学大学院工学系研究科応用化学専攻修士課程修了。同大学院博士課程進学、日本学術振興会特別研 究員(DC1)。2005年に処女作を出版したのち、サイエンスライターとなる。2007年に東京大学工学部広報室特任教員に就任、その後独立。各種媒体 を通じてサイエンスコミュニケーターとして活動中。主な著作は「カソウケン(家庭科学総合研究所)へようこそ」「恋する天才科学者」(共に講談社刊)、 「科学との正しい付き合い方(ディスカヴァー・トゥエンティワン刊)」、「理系なお姉さんは苦手ですか?(技術評論社刊)」「おうちの科学(丸善出版 刊)」主な出演番組は「世界一受けたい授業」(日テレ系列)「すイエんサー」(NHK教育)。2009年より東京大学大学院学際情報学府博士課程在籍中。

講義録
内田麻理香さんの講義では、ご自身の経歴を踏まえて、サイエンスコミュニケーションにまつわる仕事のご紹介をしていただきました。冒頭部分では、なぜ、現在のお仕事であるサイエンスコミュニケーター・サイエンスライターをするに至ったかに関してお話しいただきました。その経緯について非常に率直に語っていただき、当時はある種ポジティブではなかったという部分までも踏み込んでくださいました。参加者の多くが抱えている進路に関する問題ともマッチする部分があり、非常に説得力と迫力ある内容だったと思います。

サイエンスコミュニケーションの解説の部分では、まず「科学リテラシーとは」から始まり、それを高めるにはどうしたらよいか、ということをお話しいただいた後、それらに関して参加者でも議論しました。議論を重ねても具体的な結論には至りませんでしたが(あるいは、それに対する正解というものはないのかもしれません)、サイエンスを伝えることに関して広く意見交換をすることができ、非常に有意義な講義となりました。  (塾生 南波 英志)


第3回 国会議員

3月24日(土) 14:00~18:00
梅村聡 (参議院議員、医師)
講義題目:「理系博士と政治家」


【プロフィール】 2001年大阪大学医学部卒業。同年医師国家試験に合格後、研修医として大阪大学医学部付属病院に勤務。2002年箕面市立病院に勤務。2004年大阪大学医学部付属病院にて診療に従事。2007年 大阪大学医学系研究科入学。同年、民主党公認で大阪府選挙区から参議院議員選挙に出馬し、当選。 現在、参議院厚生労働委員会理事、民主党大阪府連幹事長代理、民主党大阪府参議院選挙 区第2総支部長、民主党参議院国会対策委員会副委員長、民主党厚生労働部門会議副座長、民主党「適切な医療費を考える議員連盟」事務局長など。 日本内科学会認定内科医師。 


講義録

第3回講義では,参議院議員であり医師でもある梅村聡氏にご講演をしていただき,大盛況にて終了しました。

前半は,内科医から参議院議員に転身するというご自身のキャリアパスについてお話ししていただきました。医師であり博士である方が国会議員にな るというのは以前にも例がなく,私たち博士過程または博士号取得者の塾生達にとって,新しい進路としてお話を伺うことができ,多いに刺激を受けました。
ご講演の中で,「政治家は究極のボランティアだ」という梅村氏のお言葉がとても印象深く,心に残っています。そのようなお気持ちで活動されているからこそ国民の目線で国民のための政策を作ることができると感じました。
後半は,「もし高校1年生だったら?」という質問に対して,塾生全員に今の思いを発表していただきました。塾生1人1人の発表について,梅村氏や塾長の河 田先生にコメントしていただき,自分自身の考えについて深めることができました。研究者以外の道でご活躍されている方からお話を伺うことができ本当に有意 義な時間を過ごすことができました。有意義なご講演を聞いてこれからどのように行動を起こしていこうか私個人としても塾生としても考えていきたいと思って います。
次回はサイエンスコミュニケーターの内田麻理香氏をお迎えし,ご講演していただきます。大変楽しみにしています。(塾頭補佐 鏑木 結貴)



第2回 Nature編集者

2月25日(土) 14:00~17:00
Rachel Won (Acting Editor-in-Chief of Nature Photonics)

【プロフィール】 
Rachel Won joined Nature Photonics in June 2006 and is now the Acting Editor-in-Chief of the journal. Before that, she worked at Aston University's Business Partnership Unit inBirminghamUK as a Medici Fellow commercializing photonics research for the university. She obtained her PhD in optical fibre sensing, microwave photonics and nonlinear optics as a member of Aston's Photonics Research Group. Prior to that, Rachel worked for Philips Optical Storage in Singapore as an Optics Engineer. She holds a Master's degree fromNanyang Technological UniversitySingapore and a Bachelor's degree from the National University of Malaysia.




 第1回 科学者

1月28日(土) 14:00~17:00
河田 聡 (理化学研究所主任研究員、大阪大学教授、阪大フォトニクスセンター長)
講義題目:「私が科新塾を始めた理由」

【プロフィール】 専門は応用物理(ナノフォトニクス)。1974年大阪大学卒業、79年同博士課程修了、カリフォルニア大学ポスドクなどを経て1993年より阪大教授。2003年ラマン顕微鏡メーカー、ナノフォトン(株)を創業。光(フォトン)とナノ構造の相互作用の研究である「ナノフォトニクス」の世界的パイオニア。ギネスブックに世界で最小のレーザー造形物が写真入りで掲載。紫綬褒章、文部科学大臣表彰、島津賞、市村学術賞、江崎玲於奈賞、等。




講義録
2012年科学者維新塾・御茶ノ水第2期、第1回講義は無事終了することができました。
総勢20名ほどの方に参加していただきました。お忙しい中、また寒い中、参加していただき、ありがとうございました。お疲れ様でした。

前半は、塾長である河田聡先生から「私が科新塾を始めた理由」として、人・組織・学問、そして日本の体制の寿命の話、科新塾のモデルとして中之島にあった適塾、そして適塾から羽ばたいた人物の一人として福沢諭吉の話の後、博(知識がひろい)という意味としての博士の存在、独立自尊の士としての博士の話をしていただきました。

後 半は、塾長補佐の沖野晃俊先生からの自己紹介、運営メンバーの自己紹介の後、塾頭・久保田淳からの年間スケジュール、運営方針などの説明を行い、参加者全 員の自己紹介を行いました。講義後の懇親会、懇親会の2次会にも多くの方にご参加いただき、様々な話題で盛り上がりました。
第2期は、新しいメンバーとともに活動を始めます。講義を受けるだけでなく、各個人が行動に移せるよう活動を活発にして参ります!
(第2期塾頭 久保田 淳)