サブプライムショック以後、金融機関やさまざまな国の発行する国債(特に、ギリシャやイタリア、スペインなど)の格付が変更され、金融市場に大きな影響が出たのは記憶に新しいできことです。
また、その結果、景気は低迷し、実体経済や政治・財政にも多大な影響が出ています。
ここでは、そもそも、このように経済・社会に大きな影響を与える格付とは一体何なのかの概要を紹介しています。
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格付とは
格付とは、ある企業や、個別の債券(証券化された複雑な商品など)について、約束通りに元本や利息が支払われないリスク(信用リスクといいます)がどの程度あるのかを、記号でわかりやすく示したものです。イメージとしては倒産するリスクと同じです。
よくニュースなどで、「日本国債の格付がAAAからAAに格下げ」というようなことを目にすることは多いと思います。これは、日本政府がお金を約束通りに支払わないリスクがあがりましたよ、という意味になります。
この格付は、国や地方公共団体などが行っている訳ではなく、民間の企業(格付機関)が行っています。主要な格付機関は国内と海外の格付機関の特徴を参考にしてください。
格付の役割
格付が持つ役割は、金融市場の円滑化です。例えば、お金を借りたい企業があったとしても、お金を貸そうとする側が相手のことがよくわからず「この人は本当にお金を返してくれるのだろうか」とリスクを恐れすぎると、お金を円滑に借りることが難しくなります。この相手のことがよくわからないことを「情報の非対称性」といい、経済において市場に非効率さを生んでしまう要因の一つです。
そこで信頼できる格付があれば、お金を貸そうとする側は、「この企業はこのくらいのお金を返してくれないリスク(信用リスク)があるんだな」と事前にわかることができるので、「じゃあこのくらいの金利なら貸してもいいか」といった具合に、相手のリスクに見合った対応をしっかりと取ることができる訳です
格付の持つ意義を簡潔に統括すると、「情報の非対称性を減少させる」ことで「金融市場を円滑にする」ことと言うことができます。
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