演習では、人がどのように他者や環境と関わるのかをテーマにします。
・対人関係 … 友人、恋人、親子、先輩後輩、知らない人、店員とお客さんなど、日常にあるさまざまな関係
・人と動物・人とAI … ペットとの触れ合いや生成AIとの協働など、近年重要性が増している関係
・人と文化・人と集団 … 伝統や習慣に縛られる私たち、SNSや学校・会社といった集団に属する私たち
「人間は関係のなかで生きる存在」という視点を出発点に、多様な関わり方を探究します。
関係は「存在する」だけでなく、やり取りや相互作用によって形づくられます。
・友人関係における助け合いや、すれ違いからくるストレス
・初対面の人との短い会話や、動物と触れ合う時間
・やり取りの「量(頻度)」だけでなく、「質(どんな内容か、どう受け止められるか)」も大事な視点です
・最後に、そのやり取りが心や社会にどのような影響を与えるかを探ります。
・友人同士の助け合いが精神的健康や他者への信頼をどう支えるか
・恋人や家族との葛藤がストレスや幸福感にどう結びつくか
・動物との触れ合いが安心感や心の安定にどのように寄与するか
・AIやSNSとの関わりが、人間の判断や価値観にどんな影響を与えるか
同じような関係ややり取りでも、人によって感じ方・受け止め方・影響の出方は異なります。
・性格(外向性・内向性など)
・心理的傾向(自己肯定感、共感性、完全主義など)
・発達段階やライフステージ(大学生期、働き始めた後、親になったとき など)
必要に応じ、こうした個人特性と関係の相互作用にも注目することで、「誰にとって」「どんな関わりが」「どのような影響をもつのか」をより立体的に理解します。
この1~3(もしくは1~4)の枠組みを踏まえ、その時々の研究テーマに合った最適な方法を選んでいきます。
・質問紙調査、インタビュー調査、観察調査・フィールドワーク、実験的手法、既存データの二次分析
これらを駆使しながら、自分の関心に沿ったテーマを深め、卒業論文という一つの成果にまとめ上げます。
・日常の「なぜ?」を研究テーマに変える力
・データを集め、分析し、根拠に基づいて考える力
・人関係や社会現象を多角的に捉える視点
・身近な疑問を出発点にする:日常の「なぜ?」を研究につなげる
・多角的に考える:統計や実験だけでなく、質的調査やインタビューも活用する
・実社会とのつながりを意識する:研究で得られた知見を、教育・福祉・ビジネス・日常生活にどう活かせるかを考える
・こうした視点を持ってゼミ活動を進めることで、みなさん自身が「人と人、人と社会の関係を考える専門家」へと成長していくことを目指します。
1.研究するテーマを決める(もともと気になっていたことでもいいし、いろいろ調べてみて気になることを見つけてもいい。また1つだけでなく複数でもいい。作業量は増えるけど・・・)。
2.研究するテーマに合わせて、先行研究を探し、読む、読む、読む。
3.先行研究の内容から、「ここをもう少し細かく調べてみたい」、「ここではこう書いてあるけど、この条件を加えたらどうなるんだろうか」、「この研究20年前の結果だけど、今はどうなんだろう」、「これは海外の研究だけど、日本ではどうなんだろう」、「先行研究AとBを組みあわせたらどうなるんだろう」といった、プラスアルファを考える。
4.プラスアルファを満たす先行研究がないかを探し、あれば読む(先行研究の内容を箇条書きや文章化しておくと、後で活用できる)。
5.2~4を繰り返し、「これ気になるなあ、どうなるんだろう」ってものを見つける。もし、気にならなければ1に戻る。
6.「これ気になるなあ、どうなるんだろう」について、具体的なイメージがあるならば、先行研究を活用し、可能な限り仮説として作ってみる(できないこともある)。
7.「これ気になるなあ、どうなるんだろう」を具体的に研究するための方法(実験、質問紙調査、面接調査、観察調査、フィールド調査、二次分析)を考える。
大体、ここまでを1年間かけて(3年生の間)ボチボチとやっていきます。
あと、毎度毎度「発表」をするわけではありません。
本来はそうしたいところですが、やはりスキルの差もあるため、一緒に作業することも多いです。
できる人はガンガン進めていき、苦手な人はボチボチとやっていく感じです。
8.実際に研究を遂行するための作業を行い、(量的、質的、あるいは両方)データを取得する。
9.データを分析し、結果をまとめていく
10.結果をまとめながら、なぜそういった結果が出てきたのかを考察する。
11.論文・レポート・報告書を執筆する。
そうそう、僕がどんな人なのかは、このサイトを見てもらったり、こちらを見てください。