対面で相談に乗りますので、希望する時間帯をメールしてください(アドレスはkaichiroのあとにkansai-u.ac.jpがつきます)。
それ以外にも会議、打ち合わせが入る場合があります。ご注意ください。
社会心理学、臨床社会心理学分野での卒業論文執筆のために、以下の内容を実施する予定である。
大まかな予定
3年次:卒業論文のネタ探しと先行研究探し。分析のための統計の勉強(理論半分、ソフトの使い方半分です。データ・リテラシー実習をさらに深める感じです。テキストもあります)
4年次:卒論を書く。とりあえず書く。「こつこつやった」学生は4年前期にデータがとり終えられます。すると、後期は分析と執筆にエネルギーを向けることができます。
詳細な予定
3年次前期
① 自分が興味ある社会心理学分野、近接分野のテキスト、学術論文等を学生が紹介し、教員がその内容を補足する形をとる(比率40%)。英語文献・日本語文献両方をとりあつかう。
② ①と並行して、心理学研究法・統計法、特に統計法の理解を進める。具体的には、テキストを見ながらPCで分析をする。
夏季休暇
研究計画立案のための先行研究収集ならびにそれらの要約作成(3年次後期に報告する)。テーマが決まっていない場合は、少しでも興味あるもの(論文、書籍)を手あたり次第収集して、広く浅く読み倒していく。その中で興味を持ったものについて、しっかりと読み、要約を作成していく。テーマが決まってきた場合は、そのテーマに沿った内容の資料(論文、書籍)を読み、要約を作成していく。
3年次後期
卒業論文で検討したい研究内容を少しずつ形にし、演習で報告し、議論を重ねることで研究計画を作成していく(比率70%)。なお、計画は1回で完全なものは作れず、報告と修正を重ねる。また、3年次前期の①、②、③も続けていくことになる。
4年次
3年次に立案した計画をもとにさらに計画を洗練化し、研究を実施し、卒業論文を執筆する。これまでの作業を地道に繰り返していくことで卒業論文が完成する。そのため、根気と絶え間ない努力が必要である。
教科書・参考書リスト
研究法・統計法・データ分析・
・古谷 嘉一郎・村山 綾(編)(2022). やってみよう!実証研究入門 ナカニシヤ出版 (研究法・統計法)
・小宮 あすか・布井 雅人 (2024). Excelで今すぐはじめる心理統計 簡単ツールHADで基本を身につける(第2版) 講談社(統計法・データ分析)
・高橋 尚也・宇井 美代子・宮本 聡介 (2023). 質問紙調査と心理測定尺度 サイエンス社 (研究法・統計法)
・松井 豊 (2023). 心理学論文の書き方(三訂版) 河出書房 (論文の書き方)
・川浦 康至 (2023). 卒業論文のデザイン 福村出版 (論文の書き方)
・鈴木 公啓 (2023). やさしく学べる心理統計法入門(増補版) ナカニシヤ出版 (統計法)
・小塩 真司・宅 香菜子 (2015). 心理学の卒業研究ワークブック 金子書房 (研究法)
・三浦 麻子(監修) (2017). 「なるほど!心理学研究法シリーズ(研究法、実験法、調査法、観察法、面接法)」 北大路書房 (研究法)
・板口 典弘・山本 健太郎 (2017). 心理学レポート・論文の書き方 講談社 (研究法)
・板口 典弘・森 数馬 (2017). 心理学統計入門 講談社 (統計法)
・柴田 康順 (2018). 心理統計の使い方を学ぶ 大正大学出版会
・「心理学のための統計学」シリーズ 誠信書房
社会心理学
・大坪 庸介・アダム・スミス (2017). 英語で学ぶ社会心理学 有斐閣
・「対人心理学重要研究集」シリーズ 誠信書房
『対人社会心理学重要研究集』所収原論文対照表(学内・VPN経由であれば多くの論文PDFを無料で取得可能)
・池田 謙一・唐沢 穣・工藤 恵理子・村本 由紀子(編著) (2019). 社会心理学(補訂版)有斐閣
・村山 綾 (2023).「心のクセ」に気づくにはー社会心理学から考える ちくまプリマー新書
・パトリシア・ウォレス (2018). 新版インターネットの心理学 NTT出版
・鬼頭 美江 (2023). つながりの社会心理学 弘文堂
・北村 英哉(監修) (2021). まんがでわかる社会心理学 KANZEN
・松井 豊(監修) (2023). 恋の悩みの科学 福村出版
・谷口 淳一他(編著)(2020).エピソードでわかる社会心理学 北樹出版
・亀田 達也 (2019). 眠れなくなるほど面白い図解社会心理学 日本文芸社
・北村 英哉・内田 由紀子(編) (2016). 社会心理学概論 ナカニシヤ出版
・唐沢 かおり(編著)(2014). 新社会心理学 北大路書房
・「セレクション社会心理学」シリーズ サイエンス社
・北村 英哉・小林 知博(訳) (2016). 心の中のブラインド・スポット 北大路書房
・北村 英哉・唐沢 穣 (2018). 偏見や差別はなぜ起こる? ちとせプレス
・クロード・スティール(著)北村 英哉(訳) (2020). ステレオタイプの科学――「社会の刷り込み」は成果にどう影響し,わたしたちは何ができるのか 英治出版
雑誌論文
・国内 J-stage
・国内 Cinii
・国外 Google sholar
有益な情報
古谷のサイトにいろいろリンクをつけています https://sites.google.com/site/kaichisspace/home
受講生への要望
・報告、連絡、相談をきちんとでき、演習に無断遅刻、無断欠席をしないことが前提である。そして、研究に対して意欲を持って取り組む人を望む。
・2年次配当科目の「行動科学研究法」「インターネットの心理」を履修していることが望ましい。「データ・リテラシー実習」や「データ分析実習」などでデータ分析の経験があるとより望ましい。
・スムーズな研究実施にあたって、自宅でPCが使え、インターネットへ接続可能な環境を整えてほしい。
・LINE等のコミュニケーションツールを利用可能にしておいてほしい(LINE WORKSかSlackを利用予定)。
・「行動科学研究法」のテキスト「やってみよう!実証研究入門」を所持し、研究法・統計法に関する資料を集めておくとよい。インターネット上にもかなりのものが存在している。また社会心理学の書籍情報は上記に掲載した(今後も更新予定)。なお、KOALAの電子書籍タブにて、"心理学"と検索するとかなりの数の電子書籍を確認できるため、活用してもらいたい。
・テーマに臨床社会心理学と銘打ってはいるが、担当者は公認心理師等のメンタルヘルスケアの実践家ではない。ゆえに、心の悩み等については対応できないことに注意してほしい。
ちょっとした小言(笑)
本ゼミでの演習は「友達が行くから行く」といったお考えの方ですと、とてもつらいと思います。これまで私のゼミに所属された方は、“一人”でどうしようか考えて、選んでくださった方ばかりでした。就職活動で考えてみてください。「友達がA社志望だから、私もA社を志望する」なんてことはしないでしょう。「ゼミ選びと就職活動を同じにするな、就職活動ではそんなことはしない」とお考えになる方もおられるでしょう。しかし、日ごろからそういった行動傾向があるということは、就職活動でも同様の傾向をする可能性もありえます。だったら、今回のゼミ選択では、そういった行動を変えてほしいと思います。また、自分一人で意思決定する経験は積んでおくべきだと私は考えています。
ところで、「卒論も授業の課題レポートも同じようなもんでしょう」とお考えの人もおられるかもしれません。しかし、人に書いてもらったり、単純にネットの文章をコピペしたり、AIに書いてもらったり、お金を出して頼んでできる類のものではありません。文章が書けない自分にイライラしたり、何をしていいか途方に暮れたり、分析で思うような結果が出なかったり、考察で頭を抱えたりといったことがあると思います。また、自身満々の研究計画を発表して「もうすこしこことここを考えてみて」と言われて、悔しい思いをすることももあるでしょう。しかし、この小さな挫折とそこからの立ち直りを繰り返して、卒論を最後まで執筆する経験は皆さんの糧になると思います。
1.研究するテーマを決める(もともと気になっていたことでもいいし、いろいろ調べてみて気になることを見つけてもいい。また1つだけでなく複数でもいい。作業量は増えるけど・・・)。
2.研究するテーマに合わせて、先行研究を探し、読む、読む、読む。
3.先行研究の内容から、「ここをもう少し細かく調べてみたい」、「ここではこう書いてあるけど、この条件を加えたらどうなるんだろうか」、「この研究20年前の結果だけど、今はどうなんだろう」、「これは海外の研究だけど、日本ではどうなんだろう」、「先行研究AとBを組みあわせたらどうなるんだろう」といった、プラスアルファを考える。
4.プラスアルファを満たす先行研究がないかを探し、あれば読む(先行研究の内容を箇条書きや文章化しておくと、後で活用できる)。
5.2~4を繰り返し、「これ気になるなあ、どうなるんだろう」ってものを見つける。もし、気にならなければ1に戻る。
6.「これ気になるなあ、どうなるんだろう」について、具体的なイメージがあるならば、先行研究を活用し、可能な限り仮説として作ってみる(できないこともある)。
7.「これ気になるなあ、どうなるんだろう」を具体的に研究するための方法(実験、質問紙調査、面接調査、観察調査、フィールド調査、二次分析)を考える。
8.実際に研究を遂行するための作業を行い、(量的、質的、あるいは両方)データを取得する。
9.データを分析し、結果をまとめていく
10.結果をまとめながら、なぜそういった結果が出てきたのかを考察する。
11.論文・レポート・報告書を執筆する。
そうそう、僕がどんな人なのかは、このサイトを見てもらったり、こちらを見てください。