病気になって感じたこと

家族のありがたさ

親、兄弟が同じ県内に住んでいたので入れ替わり立ち替わりで看病をしてくれた。子ども二人がまだ小さかったので、妻一人では看病しきれなかったと思う。義兄や義姉もお見舞いによくきてくれた。動かない手や足を数時間おきにマッサージしてくれたのは本当にありがたかった。

妻は生まれたばかりの娘を母乳で育てたかったが、私の看病を優先したため、母乳が出なくなってしまった。申し訳なかった。妻と子どもたちがいたから、病気の苦しみを乗り越えられたと思う。

更新日時:H20年12月22日(月)

致死率5%

ギラン・バレー症候群の致死率は5%程度でほとんどは治る病気と説明を受けた。普段払っている5%の消費税をそれほど意識することはないが、「死ぬ確率が5%」といわれると、とても大きな割合で恐ろしく感じた。自分は特別死ぬのではないかと思った。

更新日時:H20年12月22日(月)

入院保険

医療費は一ヶ月に25万円程度かかった(食費込み)。その他、家族の交通費、給料の減額、お見舞いにきてくれた方へのお返し等を考えると、入院保険は一日1万円以上のものに入っていた方がよい。ちなみに私は二つの入院保険に入っており、合計で一日9500円支給された。

更新日時:H20年12月22日(月)

お見舞い

友人・知人のお見舞いは、体がほとんど動かずおむつを着けている頃からきていただいた。恥ずかしいことではあったが、病気を知っていただく上でも、私自身が巷の情報に触れ気分をリフレッシュする上でもいいことであったと思う。

更新日時:H20年12月22日(月)

急性期病院とリハビリテーション病院

ギラン・バレー症候群は、治療が終わるとリハビリをするしかないので、入院生活が長期にわたる場合は、回復し始めたらすぐに回復期リハビリテーション病院に転院した方がよい。

更新日時:H20年12月22日(月)

高度な社会保障制度

雇用保険による傷病手当、健康保険による高額医療費助成制度、会社の福利厚生など、日本の社会保障制度は高度に発達していると感じた。健康な頃は意識しなかったが、これらの社会保障制度に支えられて安心して暮らしていけることがわかった。

更新日時:H20年12月22日(月)

携帯電話の便利さ

閉じた世界である病院と外界をつなぐ道具として携帯電話はとても役に立った。家族との連絡、お見舞いにきてくれる人からのメール、ブログのアップ、子どもたちの成長を妻が動画で送ってくれたりなど。今は病院内でも一部の場所や特別な場合を除いて携帯電話が使用できるようになっている。うまく使えば闘病生活も楽しくなると思う。

更新日時:H20年12月22日(月)

前向きな気持ちの大切さ

たとえ苦しい状況でも気持ちを前向きに保つことが大事だと思った。その方が病気が回復しやすくなるだろうし、家族、友人、病院スタッフの協力も得やすい。

更新日時:H20年12月22日(月)

喜びは高度な感情表現

言葉を発せず、表情を作れず、ジェスチャーもできないと、喜びを表現するのは難しかった。怒りや悲しみはそれらができなくても伝えられた。喜びは高度な感情表現なのだと思った。

更新日時:H20年12月22日(月)

生きる意味

発病するまで自分は世の中の役に立たなければ生きている意味がないと思っていた。ところが、ギラン・バレー症候群になって、何もできないどころか人の世話になりっぱなしだった。役に立たない私に対しても支えてくれる人がたくさんいた。この経験から、価値観を見直すとともに、この恩を社会に返していきたい。

更新日時:H20年12月22日(月)

医学の進歩と限界

医学が進歩し、様々な医療機器、薬、医療システムが開発されていることを実感した。それとともに、ギラン・バレー症候群は100年前に発見され、かつ、1年間に1000人の日本人が発病するにもかかわらず、効果的な治療法とリハビリメニューが確立していないという医療の限界も感じた。

更新日時:H20年12月22日(月)

闘病生活を楽しむ工夫

・気をつけないと「食う・寝る・テレビ」の生活になってしまうので、12の日課を作ってこなすようにした。

・自由な時間がたくさんあったので徒然草など普段読まない本を選んで読んだ。

・カラオケや絵画教室など病院のイベントに積極的に参加した(ご高齢の方が多かったので場違いかと思ったが、かえって喜んでもらえた)。

・体が少しずつ動くようになる課程がわかるように、1週間に1回程度携帯電話でリハビリの様子をビデオ撮影した。

・2週間に1回程度、会社の上司や同僚に近況報告メールを送った。

更新日時:H20年12月22日(月)

優先席

ギラン・バレー症候群はある程度回復すると外見上は健康な人と区別がつかない。しかし、筋力や体力がないので長時間立っているのはつらい。

病気になる前は優先席に座っている若い人を見かけると批判的な気持ちになったが、病気になったことで、見た目は健康そうでも座りたい状況の人もいるのだろうと考えるようになった。

先入観を排除して人に接しなければならないと思った。

更新日時:H21年1月24日(土)