執筆:2009年1月
自己紹介
楯石絢子です。高校を卒業してから、東京の留学機関で1年間、英語や勉強スキルを身につけてからイギリスに来ました。職務経験はありません。日本の外で生活してみたいという願望、そして常に自分を厳しい環境に置くという目的もあり、留学を決めました。したがって、私にとって留学することは日本の大学に行くより、自然な選択でした。
授業全体について
3学期制です。授業があるのは2学期までで、3学期は試験に向けて今までの見直しをします。 Reading week(ターム中間にある1週間の休み)はあります。私の場合はダブル・ディグリーなので開発学では必修科目と選択科目から1つずつ勉強できます。政治学では地域研究の選択科目から1つ(私の場合は中国です)、国際政治の分野から1つずつ選びます。授業の雰囲気はどれもクリティカルです。SOASは基本的にどの分野においても反西洋中心主義的な傾向があると思います。授業では、各学説がいかに西洋中心的か、他文化が忘れ去られているかが示されます。
これまでに受けた授業の内容・感想
授業名:Introduction to Political Study(政治系科目)
内容・感想:
政治の基本的な概念、イデオロギーを学びます。例えば国家、市民社会とデモクラシーの関係、自由主義、マルクス主義等。非常に基本的な事を学びますが、政治を勉強する上では大変役に立つコースでした。チュートリアル(ゼミ形式の授業)では各生徒が各週のトピックに関係する必須リーディングをまとめてプレゼンテーションを行います。そして、みんなでそのトピックの主要な議論について話し合います。
授業名:International Politics(政治系科目)
内容・感想:
基本的な国際政治の理論を現代の状況に照らし合わせて学びます。
授業名:Chinese Politics in 20th century(政治系科目)
内容・感想:
中国政治を19世紀後半から今に至るまで学びます。コース前半は中国政治の歴史的背景(中国共産党が中華人民共和国を創設するまでの道のり)に焦点をあてていますが、中盤からは中国現代社会の様々な問題をトピックごと(中国の農村と経済開発、環境等)に勉強していきます。
授業名:Theory and Evidence in Contemporary Development in 20th century(開発学系科目)
内容・感想:
開発学の様々な学説を学び、それらをトピックごとの様々なケーススタディに照らし合わせて、学説の説得力を考えるコースです。
授業名:Development and environment(開発学系科目)
内容・感想:
自然と人間の関係、環境と開発の問題への国際社会の取り組み、その結果をクリティカルな視点から学びます。環境と開発の間に生じる矛盾を考え、その解決策をクラスで話し合います。
授業名:Poverty, civil society and state policy (開発学系科目)
内容・感想:
貧困を本質的に解決するにはどうしたらいいかを様々なケーススタディを通して学びます。
大学情報
SOASはロンドン中心部のロンドン大学が密集するラッセルスクウェアにあります。立地は大変よく、すぐ近くには緑豊かな公園がいくつかあります。徒歩圏内にはレストランや食堂もたくさんあるので、大学内の食堂に食べ飽きた時は気軽に食べにいけます。図書館にはアジア・アフリカに関する本が沢山あり、日本語の本も充実しています。
その他の情報
日本人学部生の中には、1年目で日本に帰ってしまう人が少なからずいます。留学、特にイギリスの学部は3年間なので、明確な目標がなければやっていけないと思います。しかし、勉強が大変な分、本当に学びたい人にとっては毎日が挑戦・冒険・失望・希望の繰り返しで刺激的な毎日が送れること間違いなしです。特に、イギリスには日本やアメリカの大学における教養科目が存在せず、専門科目をみっちり3年間学べるので, 好きな事しか勉強したくないという方にはお薦めです。