執筆:2017年6月
1. 自己紹介
大学ではスワヒリ語を専攻していました。卒業後、外務省に入省し、1年間の本省勤務後、研修の一環としてイギリスの大学院に留学しています。
2. 所属コースの概要
私の所属するコースはDepartment of Development Studiesのコースの1つで、開発学を総合的に学ぶコースです。授業はLecture(大人数の授業、講義)とSeminar(少人数の授業、ディスカッション)にわかれています。イギリスやヨーロッパの学生が多数ですが、アフリカやアジアからの留学生も多く、Seminarでは様々な国の学生と意見交換する事ができます。また、SOAS特有の「Heterodox(異端派)」アプローチをとる授業が多く、新古典派経済学やネオリベラリズムをはじめとする主流派の理論を学ぶとともに、それらを批判する理論が多く取り上げられます。
3. 授業の概要
授業名:Theory, policy and practice of development
内容:1学期は開発の歴史を中心に学びます。「開発」とは何かに始まり、中心的な理論や論争、なぜ行われるのか、誰が行うのか、などの開発学の基礎を学びます。2学期は分野ごと(ジェンダー、貧困など)に学びます。ほとんど全ての授業でケーススタディが取り上げられ、各国の開発政策やプロジェクトを例に挙げながら授業が進みます。1学期と2学期の終わりにそれぞれ3000字のレポートがあり、3学期にテストがあります。
授業名:Political economy of development
内容:1学期は開発経済学の基礎を学びます。開発政策がどのようにパラダイムシフトしてきたのか、経済学の理論と絡めて授業が進みます。2学期は分野ごと(教育と保健、経済危機など)に学びます。経済学を学んだことのない学生のためにEconomic for Beginnersという授業も開講されています。1学期と2学期の終わりにそれぞれ3000字のレポートがあり、3学期に持ち込み可能のテストがあります。
授業名:Government and politics in Africa
内容:1学期、2学期ともにアフリカ政治学について分野ごと(パン・アフリカニズム、紛争・平和構築など)に学びます。上記2つの授業と異なり、ほとんどの授業を1人の教授が担当し、パワポなどはありませんでしたが、毎回とても分かりやすく、アフリカ政治学に興味のある方にはオススメの授業です。1学期と2学期の終わりにそれぞれ4000字のレポートがあり、3学期にテストがあります。
授業名:Swahili 3
内容:聴講で受講。スワヒリ語のクラスは4つのレベルがあり、充実しています。Swahili 3のクラスは7人ほどでスワヒリ語を3〜4年勉強した学部生中心でした。Lectureでは東アフリカに関する講義をスワヒリ語で受けます。スワヒリ語の詩や文学を読んだり、タンザニアの歴史を学んだり、内容は様々です。Seminarは会話重視で、ゲームをしたり歌を歌ったり、とてもリラックスした雰囲気です。
4. 大学紹介
大学自体はとても小規模で、国際色豊かな雰囲気です。個人的には、アフリカに関する図書が充実している図書館が好きでした。
5.留学をめざしている人へ一言
1年間の大学院生活は想像していたよりも時間がなく、あっという間に1年が過ぎてしまいました。日々の課題に忙殺されて目標を見失わないよう、1年間で何がしたいのか明確にして、充実した留学生活を送ってください。