執筆:2016年4月
【自己紹介】
幼いころ田舎で育った経験を持ち、純粋に自然の中で暮らしてきた。高校、大学と国際協力に興味を持ち平和学、開発学を中心に勉強していく中で、何が貧困なのか、人の幸せには何が必要なのかを自分自身で試行錯誤していた。授業で学んでいくうちに、自然が人間にもたらす恩恵の存在と同時に、経済発展と環境保全の両立に関してさらなる興味を抱き、持続可能な開発(Sustainable Development)の概念を知る。この持続可能な開発のために、私は何ができるのか将来への道筋へのヒントを得るために大学院への進学を決意する。
【コースについて】
Environment and Developmentのコースは20名程度の生徒(アフリカンが半数、ヨーロピアンが4割ほど、アジアはインド人2人と私で3人のみ)だったが、授業はSustainabilityの学部共通で行われた。授業は基本的に前期4コマ、後期4コマで必修科目が4つある。開発学色もあるので、国際政治学部の授業もとることができた。
【授業について】
Global Inequalities and Development(Term 1-2)
通年科目(国際政治学部)
平均的に隔週で講義―講義に基づくDiscussionといった内容編成。4人の先生が週別にそれぞれのテーマに関して講義をしてくれるため、幅広い知識を得ることができる。ひとつの問題を深く知るというよりかは、問題の理論をつかむという感じであった。資本主義、ネオリベラリズムなどのレジームの理論から、NGOの運動の批判的考察、Urbanization、新興国の発展比較など本当に先生によって幅広い。それぞれの先生が自分の分野に熱い気持ちを持って説明してくれるためとても興味深く、質問にもしっかりと答えてくれ親切であった。前期2つ、後期2つのエッセイ提出。(2500字)
Environmental Policy and Governance (Term 1)
1コマ3時間、うち2時間講義、1時間セミナー
歴史的に各国がとってきた環境政策を分類わけして利点欠点を見ていく授業。また、よく博士課程の生徒が環境政策の分野に関して具体的な研究を紹介していた。セミナー中では授業で分けられたグループの担当がテーマの概要を述べ、詳しい内容に関してスライドを中心に近くにいる人たちと軽くディスカッションする程度であった。
試験で2つのエッセイを書く(100点満点)
Critical Perspectives of Environment and Development (Term 2)
Term2にあったのが惜しかった、もう少し詳しく勉強したかった内容。2人の先生が中心で、1人はPolitical Ecology, Ecosystem servicesなどのセオリー中心。もう1人は自身のアフリカ研究を中心に具体的に開発に関してどのような環境問題が現地でおきているのかについて議論する。2週間ごとにセミナーがある。
1500字、2500字のエッセイ提出
Development and Environmentalism in the Global South (Compulsory, Term 2)
Term 1の授業に比べてセオリーが中心。前半では、環境政策や開発政策の背景にある考え方を学び、先進国と途上国間でのその違いを考える。後半では、環境政策、開発政策に関する具体的なトピック(気候変動、参加型開発、社会的資本など)を扱い、その背景にあるdiscourseや政策の与える影響を学ぶ。後半は2時間の授業のうち、1時間はセミナー形式で、少人数のクラス。課題は、20%が一つ、80%が一つ。前者は論文の書評を書き、後者はトピックから1つ選んで書く。
【大学情報】
駅から25分程度、駅と大学の間に市街地があるため多くの学生が気晴らしや買い物にいく。学校が丘の上に建っている ため、ゆるやかな坂が多い。学生が多くすむ町のため、夏休みや冬休み期間はだいたいイギリス内の学生は実家に帰り、市内の人間がぐっと減る。ロンドンまで3時間、バスなら5時間とかかるが騒がしいことはなく、緑に囲まれているため大変勉強しやすい環境だった。
【最後に】
軸をしっかりしていないとぶれる。修士論文に向けてどのような授業をとるべきか、どういう内容を勉強しなきゃいけないのか理解してくると大変効率よく学びたいことが学べると感じる。