執筆:2019年7月
1.自己紹介
日本の大学で法学部政治学科を卒業。学部時代は主に国際関係の勉強をしていて、年に一度の長期休みは海外へ。大学3年次にインクルーシブ教育に興味を持ったことと、大学4年次にインドネシアで教育系のボランティアをしたことをきっかけに大学卒業後のイギリス大学院進学を決意。約半年間大学内にあるINTOという教育機関でgraduate diplomaを修了後、UEAの大学本コースに入り、現在に至ります。
2.所属コースの概要
今年度は前年度の半分で8人のみでした。国籍は日本、韓国、中国、イギリス、東ティモール、インドネシアから1~2人とアジア中心に偏ってはいるものの必須の授業は他コースから受講者がいるため、多国籍なクラスです。また、コースメイトもクラスメイトも多様な経験をされており、常に刺激の多かった授業でした。コースディレクターはとても面倒見がよくて、春学期・秋学期ともに定期的にハウスキーピングミーティングというコースメイトと先生が会って授業に関しての相談や修士論文の相談(主に春学期)をはじめ常に悩みや心配事を共有できる機会を与えてもらっていました。コースを担当する先生で若干授業に対する方針等は異なりますが、どの先生もとてもいい先生方です。
3.授業の概要
・授業名:Introduction of Education for Development(秋学期)
・内容:MA Education and Developmentの秋学期必修授業。開発学を学ぶにあったって教育という切り口で勉強していく授業です。授業のトピックをInequality and Opportunity, Inclusion and Exclusion, Diversity and Recognitionというように大きく3つのテーマに分けて、それぞれのテーマに関連させて開発途上国における教育に関する問題点や議論を学んでいきます。理論ベースの授業もあれば、実例をもとに考える授業など様々でした。
・課題:1500wordsのエッセイ20%、2000wordsのエッセイ80%
・感想:月曜日の9時から3時間の授業なので初めて受ける際は身構えていましたが、授業自体はインタラクティブで生徒同士のディスカッションが中心なのであっという間に3時間が過ぎていきました。
・授業名:Educational Policies and Practice for Development(春学期)
・内容:MA Education and Developmentの春学期必修授業。国際開発をする上でどのように教育政策が実際に策定されていくのかのプロセスやコンセプトを見ていく授業。秋学期が導入編だとすれば、春学期は秋学期に学んだことをもとにさらに発展させて、実際の問題を議論していきます。
・課題: Annotated Bibliography(文献解題)1000wordsとPolicy Brief 2000 words
・感想:この授業の課題は、他の授業の課題と違い少し独特で各々Policy Briefという授業のコンテンツに沿って政策要綱を作ります。したがって、従来のエッセイやレポート等とは書き方が少し異なるので受講者は当初少し戸惑いながらも取り組むという感じでした。
・授業名:Intercultural Education and Training(春学期)※他学部履修
・内容:この授業は他学部であるPPLC(政治学、哲学、言語とコミュニケーション学)の授業で、他にも教育学部の学生が履修するなど多様なクラスメイトに囲まれた授業でした。授業のカリキュラム作成を学ぶのに近い形で、どのようにして国際理解を授業の中に組み込んでいくかを理論的、実践的に学ぶ授業です。
・課題:自分で考えた授業のプロジェクトを3000wordsでmodule outlineのように書いてまとめるというもの。
・感想:先述したように他学部履修だったこともあり、理論面で理解するのに最初は苦労しましたが、15人以下の少人数のクラスで毎回セミナー式、かつ先生との距離も近い授業だったため、積極的にいろいろなことを聞きやすい環境でした。他学部履修をするのは最初躊躇していましたが、結果他学部の友人もできたのでよかったと思います。
4.大学紹介
2017年にノーベル文学賞を受賞したKazuo Ishiguroが卒業生ということもあり、学内書店にKazuo Ishiguroコーナーが作られるなどフィーチャーされていました。図書館は24時間開いているため試験前や課題提出前は1日中図書館にこもる人も珍しくないです。
また、学内のThe Sainsbury Centre of Visual Artsはアベンジャーズの本部の撮影地として使われています。
さらに、学生の満足度は毎年ランキング上位にあり、学業や語学のサポートだけでなく生活環境サポート等大学内で受けられるサポートが大変充実しています。
国際開発の分野においてもイギリス国内で有名な大学の1つであり、留学生も様々なバックグラウンドを持っています。
5.その他
寮は大学が提供している学外の寮に住んでいました。キャンパス中心部から少し歩くのがネックでしたが、勉強のオンオフの切り替えになり、また寮の周りは自然が多いので過ごしやすい環境でした。
私の部屋にはトイレバスはついていて、キッチンは8人で共有でした。大学院へ入ってからの寮は特に不便を感じませんでしたが、Diploma courseに通っていた時に住んでいた寮のキッチンは、電子レンジと冷凍庫がなく、不便でした。スーパーがキャンパスから徒歩圏内にあるため食料品の買い物で困ったことはありませんでしたが、時には週に1度デリバリーをしてもらってまとめ買いをしていました。また、日本食スーパーはありませんが、中華系スーパーが複数あり、デリバリーもしてくれるので、ある程度の日本食を作る分には事足ります。
市内にチェーン店も多く、また素敵なカフェも多々あるので、いい気分転換になると思います。
6.留学をめざしている人へ一言
1年間というと、本当にあっという間で大変なことのほうが多いですが、何か壁にぶち当たりそうになったときは初心を思い出してがんばってください。
Norwichはとても穏やかで勉強するには適している環境だと思います。勉強の合間のリフレッシュ方法を見つけながらも楽しい留学生活が送れますように!