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Goo FUKUOKA
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ヒロハホッスモ(新称)の新産地  

 愛媛県では以前(1990年代後半)から汽水域に生育する大型のホッスモが確認されていました。現地調査を行った結果、福岡県で確認されていたNajas guadalupensis var. floridanaであることが判明しました。この発見は国内2例目で、和名が無かったため本論文で新称として「ヒロハホッスモ」を提唱しました。本種はアクアリウムからの逸出説もありますが、国立科博で標本調査をした結果、近隣のラグーンにおいても過去(1923年)に標本が採集されていたことから、在来種である可能性もあります。今後、国内で調査が進みヒロハホッスモの新産地が発見されることで、在来種である可能性が高まるものと期待できます。なお、和名については、現地調査へ向かう道中の車内にて、角野先生から和名は何が良いかな?と聞かれた際にヒロハでホッスモっぽいのでヒロハホッスモで!と、今思うと安直な回答をした記憶があります(当時二十歳になったばかりで若気の至りと思います)。後日、論文原稿にて角野先生に採用していただいたことを知りました(車内ではオオホッスモや、オバケホッスモとかもいいんじゃない?とか色々な意見が飛び交っていました)。ホッスモより大型で鋸歯が目立ちます。

その後、他地域(本州、九州)においても新産地が発見されています(未発表)

F1雑種ツツヤナギモ(ヒルムシロ科)の形態学的・分子遺伝学的研究 

 狭葉性ヒルムシロ属は分類が困難な水草の一つです。その理由として、形態的に酷似する種間雑種を形成することが挙げられます。その中でも三木茂が原記載をしてから情報が乏しく正体不明な雑種としてツツヤナギモPotamogeton x apertus Mikiがありました。愛媛県においても狭葉性ヒルムシロ属とその雑種と思われる不明種が生育しており、その中にツツヤナギモと思われる個体が含まれていました。そこで形態的・遺伝的に解析を行った結果、形態的には托葉の基部が筒状となり、心皮が歪に変形しており、遺伝的にはヤナギモPotamogeton oxyphyllus Miq.を母系、ツツイトモPotamogeton pusillus L.を父系とする一方向性の雑種であったことから、ツツヤナギモと判明しました。この発見は原記載から実に80年ぶり(論文発表当時)となります。

 同時にツツイトモとホソバミズヒキモの種間雑種も確認しており(ツツミズヒキモ※当時未記載)、これに未発表の雑種を含めると愛媛県に生育している狭葉性ヒルムシロ属雑種を整理することが可能となります。ツツヤナギモは、ツツミズヒキモと同所的に生育する場合には、葉身長と葉身幅、葉身の色で識別可能です。

四国新産のイトタヌキモ 

 イトタヌキモUtricularia exoleta R. Br.は、その名の通り繊細な糸状の葉と茎で、貧栄養な環境に生育する食虫植物です。本種は分類学的にはオオバナイトタヌキモUtricularia gibba L.のシノニムとして扱う見解もありますが(Taylor1989)、国内では明らかに花の大きさが異なることから独立種として扱う見解があります(角野2014)。本稿では独立種として扱う見解を採用して、四国新産の生育地を報告しました。近年、各地で外来種オオバナイトタヌキモの帰化を確認していることから、本種との混同に注意が必要です。

 余談ですが、愛媛県外では比較的自然度の高い溜池で本種と思われる個体をしばしば見かけます。花の咲いていない状態では同定ができませんが、オオバナイトタヌキモの逸出が頻繁に行われると本種であるのか否かの判断がより難しくなりそうです。

中国地方新産のガシャモクとエゾヤナギモ(ヒルムシロ科) 

準備中

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