Wo ist Aachen?
フランクフルト空港からは電車で2時間ぐらい。
アーヘンの南にある田舎の風景。Eifel(アイフェル)という標高の低いい山地と自然保護地区。とても綺麗です。
アーヘンのことは、実は私はほとんど何も知らない。2013年の9月2日、十日間滞在したパリからコペンハーゲンに移るに際して、途中、北ドイツのヒルデスハイムに知人を訪ねるために汽車で移動することになり、するとアーヘンは通過駅でもあったので、せっかくだからと途中下車して、「言語アカデミー」を訪ねることにしたのだった。つまり、この街には、一泊、18時間ほど滞在したに過ぎない。その恐ろしく限られた見聞からこの街について確かな情報を提供することなど不可能に近いのだが、今後、語学研修に参加する学生諸君によって書き加えられ、書き改められることを期待して、そのための叩き台として、思い浮かぶことを書いてみたい。
この街の最大の魅力は、その位置にある。ベルギーとオランダに境を接しているのだ。つまり、ベルギーにもオランダにも自転車で行ける、ということになる。そしてそのことは、フランスにも近いことを意味する。パリに行くのにもっとも容易なドイツの街、それが、アーヘンだ。最も早い列車であれば、アーヘン-パリ間は2時間35分しかかからない。もちろん、ブリュッセル(1時間14分、29ユーロ)へもアムステルダム(3時間5分、27.8ユーロ)へも、呆気ないほど簡単に行くことができる。(移動時間と運賃が対応しないのは、格安チケットがいろいろあるからに違いない。)
アーヘンは、ドイツでもっとも人口の多いノルトライン・ヴェストファーレン州に属するが、この州には有名な大都市が多く、つまりは、これらの街にもあっさり行けるということだ。一番近い大都市は大聖堂で有名なケルンだが53分、ベートーヴェンの生まれたボンだと1時間21分、詩人ハイネの生まれたドュッセルドルフも1時間21分の距離だ。サッカーファンにとっては、ドルトムント、ゲルゼンキルヒェン、ミェンヒェングラートバッハが重要だろうが、それぞれ2時間24分、2時間12分、55分で行ける。(ただし、語学研修のある八月は、ブンデスリーガは残念ながらシーズン・オフなのだが、でも親善試合とかはいろいろあるようで、過去4年間にこの語学研修に参加した人の中にはしっかりサッカー観戦した人もいたようだ。)
ドイツの地図を見ると、アーヘンが、南北でいうとこの国のちょうど真ん中に位置することがわかる。(実は、ワイマールにも同じことが言えるのだった。)西の端に位置するアーヘンからまっすぐに東に移動すると、マールブルク、エアフルト、ワイマール、イエナ、ドレスデンという具合によく知られた街が並んでいる。これはドイツ横断旅行になるわけだが、もちろん、北のハンブルクや南のミュンヘン、東のベルリンに行くのだって、日本から行くよりは容易であることは間違いない。
地図を広げているだけでも、旅の計画に想像がどんどん膨らんでいくのではないだろうか。
藤野寛
アーヘンに行こうと思ったのは、温泉のためでした。別にドイツでの生活でお風呂が恋しくなったというわけではなく行く前からドイツの温泉に興味があったのです。ケルンの近くのアーヘンにカロルス・テルメンという温泉施設があると知り、ケルン・アーヘン・フランクフルトを巡る週末の旅行の行き先が決まりました。
金曜日の午後にワイマールを出発して夜にケルンに着きました。ケルン大聖堂はとにかく大きくて、車窓から見えた途端に大興奮でした。駅をでると目の前に聳え立ち、近づくと視界に収まりきらないほどでした。ライン川の対岸から見ても迫力があり、ホーエンツォレルン橋から眺める夜の大聖堂は最高でした。ケルンは古い町だけあってとんでもない老舗の飲食店がたくさんあります。ケルンのご当地ビール、ケルシュは飲みやすくおいしかったです。ケルシュのグラスは細いので、丸い入れ物に何本もケルシュを入れて運んでいるのがおもしろかったです。その日はユースホステルに泊まり、次の日の朝に大聖堂を見学しました。中も外も厳かな雰囲気でした。塔の上には階段で上れますが、けっこう大変でした。幅が狭くて目が回りそうになりながら装飾や落書きを見て気を和ませ、ひたすら上り続けました。大変な思いをしただけあって、上から見た景色は格別でした。ちなみにケルンは英語でCologne(コローン)、オーデコロン発祥地で、「4711」というブランドが老舗です。さっぱりした香りで価格もお手頃なのでお母さんへのお土産にぴったりだそうです。
ケルンからICEで30分ほど、アーヘンに着いたのはちょうどお昼頃でした。時間があれば大聖堂を見に行ったと思うのですが目的はとにかく温泉だったので、すぐにバス停とお昼ご飯を探しました。しかし市街ではない方へ向かってしまったためか、なかなか見つかりませんでした。やっと見つけたケバブ屋でトルコ語のテレビをBGMにハエと格闘しながら昼食をとり、なんとかバス停を見つけてカロルス・テルメンへと向かいました。市内の観光はほぼしていないのですがバスから見た感じでは、石畳の道は古くて趣があり、駅周辺以外はあまり道幅が広くなくて、なんとなくワイマールに似ていました。保養地という土地柄か、すっきりとしていて爽やかな町という印象でした。
テルメンに入ると腕時計型のキーを渡されます。入退場や買い物はこれで行い、あとで精算する仕組みです。入場料は休日料金で12ユーロ、サウナにも入ると追加でさらに12ユーロくらいだったと思います。ロッカーで水着に着替え、軽くシャワーを浴びたらいよいよ温泉に入ります。温泉というよりは温水プールのようでした。水温は33度くらいで温いような冷たいような。ただし、みんな泳がずに漂ったり会話したりして楽しんでいるようでした。客層は地元の老夫婦や親子連れなどといった感じで、観光客らしき人はあまりいませんでした。半身浴くらいのところから足がつかないくらい深いところ、ジャグジーや屋外もあり、プールだけでも十分楽しめました。が、私はどうしてもサウナも体験してみたかったので、一人で行ってみました。アロマの香りがするミストサウナや足湯もあり、たくさんあって回りきれませんでしたが、とても楽しめました。サウナゾーンにも温泉があり、サウナを出た後はシャワーで汗を流してから入浴するように注意書きがありました。古代ローマ風の柱とライトの色が変化するお風呂がとてもきれいでした。サウナの方が人はそんなに多くなくてリラックスできました。ちなみにサウナゾーンは水着着用禁止です。移動の際はバスローブを着ている人もいました。カロルス・テルメンの中は本当に時間がゆったり流れているような気がして、いくらでものんびりできそうでした。残念ながら長居はできなかったのですが、わざわざアーヘンまで行ってよかったと思いました。語学研修中にいくらでも温泉に行けると思うと少しうらやましいですね。
そのあとはフランクフルトへ行って、市街やユダヤ人街記念館や近郊のバート・ホンブルクにあるローマの遺跡、ザールブルク城砦を見たりしました。
長距離の移動には主に、ジャーマンレイルパスというDBの乗り放題の切符を使いました。EC,ICEなどの高速鉄道や、ベルリンやフランクフルトなど大都市の市電(Sバーン)でも使えるし、どの電車に乗るかを後から決められるので本当に便利でした。使用日数が決まっていれば、事前に日本で購入できるのも利点だと思います。アーヘンはオランダ、ベルギー、フランスの国境に近いので、多国間で使えるユーレイルセレクトパスなどを活用するといいのではないでしょうか。
旅行の計画を立てるのはすごく楽しいし、実際に行ってみるともっと楽しいです!がんばればけっこう色々なところへ行くことができます。週末の限られた時間の中でどこへ行って何をするか考えただけでもワクワクしてきませんか?一緒に旅行した3人には心から感謝しています。ありがとうございました。
今井里香