ドイツでの短期語学研修に参加した体験を、私なりに振り返ってみたいと思います。どうして参加を決めたのか、実際にどんな学びや発見があったのかを書いていきます。
1.なぜ参加を決めたのか
受験生時代、受験勉強で中世ドイツに関する世界史の論述問題を大量に解いているうちに、ドイツという国に対し興味を持つようになりました。もともと漠然と、「留学に行ってみたい」という憧れがあったのもあり、コロナ禍で中止になっていたこの海外研修が再開になったと聞いたとき、迷わず参加を決めました。
2.学習面
ライプツィヒ大学の付属の語学学校で授業を受けていました。事前のプレイスメントテストでギリギリB1に滑りこめてしまい、ついていけるか心配でしたが、どうにかなりました。日本人が多かったので、思っていたよりも控えめなクラスでしたが、そんな中でもできるだけ発言と質問をするようにしたことが自分の中で自信になっています。入学式では全くわからなかった学長のスピーチが、修了式にはわかるようになっていて伸びを実感しました。やはりドイツ語しか話せない状況に身を置くことで、否が応でも力は伸びるのだと思います。
3.生活面
一橋の3名と他大学の2名の計5名で暮らしていました。私にとって初めての共同生活で、日本人同士の生活といえどすべてが新鮮でした。研修校から40分ほど離れた住まいで、徒歩とトラム(路面電車)で通っていました。学校帰りには中央駅でショッピングをしたりアイスを食べたりと、勉強以外でも楽しい時間を過ごせました。現地のスーパーには日本では見かけないような食材も多く、普段のご飯の調達ひとつをとっても楽しかったです。ソーセージがズラッと並んだ冷蔵ショーケースは圧巻でした。
駅に改札がないとか、横断歩道の信号の色が変わるのがとんでもなく速いとか、家の鍵の開け方が少々特殊だとか、挙げればキリがないほどの驚きがありましたが、徐々に日本との違いを楽しめるようになっていきました。
この研修を通して、語学力アップはもちろん、異なる文化や他人との共同生活を楽しむ心の余裕や精神力の強さを身につけることができました。少しでも興味がある人がいれば、ぜひ参加してみてください。思っていたよりも多くの学びがきっとあるはずです。
(社会学部2年 AY)
↓美味しかったアイスの写真です。スパゲッティアイス。
私の短期ドイツ留学は、ブンデスリーガを生で観戦したいという願いをきっかけに始めたドイツ語学習が結びついたものでした。私の語学力はせいぜい大学の初級の授業を履修した程度だったので、初めはとても不安でした。実際にライプツィヒでの授業は全てドイツ語で進み、質問やペアワークもドイツ語。日本での授業と違う、ネイティブの話すドイツ語の聞き取りの難しさや、自身の語彙不足で考えを言葉に表せないもどかしさに大いに苦しみました。それでもめげずに授業に取り組み、試行錯誤を重ねて自分の意図を伝えることができた時は、自分にとってとても新鮮な達成感を感じました。
一方で、ドイツでの生活を通じ、文化や人種に関する現実にも直面しました。日本といえば「寿司・ラーメン・アニメ」といったイメージが広く共有されているようで、街中の人々は親しみを持って接してくれました。しかし同時に、外見による誤解や差別的な言動を受ける場面もありました。自分が日本人だと知れば敵意は和らぐものの、他のアジア人が差別されているという現状にひどく心が痛みました。移民や難民を巡る社会問題が背景にあるとはいえ、偏見や排斥の根底には「相互理解の不足」があると痛感しました。
それでも、拙いドイツ語で必死に会話を試み、相手が笑顔で応えてくれる瞬間には人種や国籍を超えた温かさを感じました。サッカーやアニメ、音楽といった共通の話題を通じ、ドイツだけでなくアゼルバイジャンやルーマニア、パレスチナなど多様な背景を持つ友人と出会いました。彼らと話しているときには、互いの文化的コンテクストを尊重しつつも、偏見に捉われない「一人の人間」として向き合える時間を得ました。
わずか1か月の留学でしたが、「異なる文化を持つ人々と共に生きる」とは何かを深く考える機会となりました。差別や偏見を超えて、人と人として出会い理解し合うこと。その大切さを胸に、日本に帰ってからも実践していきたいと思います。
(法学部2年 HT)
「現地でドイツ語を学びたい」という思いから、今回の語学研修への参加を決意いたしました。コロナ禍以降、初級クラス対象のドイツ語研修が再開されたのは今回が初めてでしたが、非常に充実したプログラムであり、貴重な経験となりました。
ドイツでの生活は、想像以上に魅力的で刺激的なものでした。街中にはストリートアートが溢れ、至る所にポスターが掲示されており、芸術的な雰囲気が漂っていました。特に印象に残っているのは、ライプツィヒ大学近くのアウグストゥスプラッツという広場です。そこでは、毎日のようにストリートミュージシャンたちが音楽を奏でており、その楽しげな旋律に身を委ねながら散歩する時間は、私にとって至福のひとときでした。音楽の都として知られるライプツィヒの魅力を、肌で感じることができた瞬間でした。
研修に参加して驚いたことの一つは、日本人の参加者が予想以上に多かったことです。全体の約半数を日本人が占めており、休憩時間にはあちこちで日本語が飛び交っていました。そのような環境の中で、私はできる限りドイツ語のみで会話をすることを心がけていました。ドイツ語の習得には、日本語で思考する習慣から脱することが重要だと感じていたからです。つまり、何かを伝えたいときに日本語で考え、それをドイツ語に訳すのではなく、手持ちのドイツ語の語彙の中から最も近いニュアンスの表現を選んで話すように努めました。そうすることで、会話がよりスムーズに進むだけでなく、自分に不足している語彙や表現が明確になり、効率的に語彙力を高めることができました。また、もう一つ意識的に取り組んだこととして、日本人同士の会話でもドイツ語を使うようにしていました。たとえ片言であっても、日常的にドイツ語で話すことで、言語への抵抗感が徐々に薄れ、自然とドイツ語で思考する習慣が身についていきました。
今回の研修を通じて、語学力の向上だけでなく、異文化に触れることで得られる気づきや学びの大切さを改めて実感いたしました。今後もこの経験を糧に、より深くドイツ語とその文化への理解を深めていきたいと考えております。
(社会学部2年 MA)
オンライン授業はZoom上で行われました。時間はドイツでの8:30~12:00、つまり日本時間の15:30~19:00で、途中30分の休憩を挟みます。内容はその日の天気などの雑談から始まり、教科書をベースに会話、文法、リスニング、リーディングを同じくらいの比重で行い、時々小テストも実施されました。参加者は全員で15人程でしたが、会話はブレイクアウトルーム機能を使用して3~4人の少人数で行ったので、自ずと発話する状況が生まれました。参加者のなかで日本人は私1人だけで、他にはドイツで働くポーランドやチュニジア、トルコからの移民や、ウクライナからの避難民もいました。ドイツ以外の国から参加していたのはベネズエラやインドの学生でした。驚いたのは、日本での授業よりも圧倒的に会話やリスニングのテンポが速いことです。私は特に会話で言葉に詰まってしまうことが多く、その度にいたたまれない気持ちなりましたが、ドイツ在住の参加者を中心に活発に会話が展開されていたのを聞いて、正解が分からなくても、勇気を持ってとにかく発話することが大切で、発言しさえすれば聞いてくれるし、質問してもいいということを頭に浮かべながら発言することができるようになりました。また、それぞれ受けている場所も母語も全く異なる参加者と、ドイツ語という共通の言葉で意思疎通ができたことは、不思議な感覚ながらとても楽しくありました。印象深かったのは、誕生日の生徒へバースデーソング(Zum Geburtstag viel Glück)を皆で歌ったことです。現地に直接行くことはできなかったけれど、オンラインという特性により様々なバックグラウンドを持つ学習者と会話することができたのが、今回の何よりの収穫だったと思います。彼らとの交流を通じ、私もドイツ語学習に励みたいというモチベーションが高まりました。そして、いつか自分の足で現地を歩き、会話をしたいと思うようになりました。
(社会学部2年 OM)
私が参加したクラスは12名程度で、日本人が8名程度と中国人が4名でした。B1レベルで集まったクラスの雰囲気は明るく、日本人が多めでしたが日本での普段のドイツ語の授業とは違う経験を多くさせてもらいました。
教わった先生は三人で、会話授業の先生二人と発音授業の先生がいました。会話授業ではテキストを用いて文法説明も挟みつつも、やはりアクティブにコミュニケーションを取る機会が多くありました。単語力不足を随所に感じつつも、相手に上手く伝わるように頭を常に回転させながら会話練習に参加しました。授業内では試行錯誤を繰り返しつつ実際の会話で使える表現を増やし、授業外課題でEメール作文などの実践的な作文練習に取り組むことができました。発音授業では、ネイティブかつプロのPhonetik(音声学)の先生からしっかりと時間を取って誤魔化しなく発音を鍛えてもらいました。
また通常の授業とは別にプロジェクト授業があり、研修最終日に行われるプロジェクト発表に向けて各プロジェクトでドイツ語でのインタビューや発表練習などを行いました。私はドイツ語でGedicht(詩)を書いて発表するプロジェクトに参加し、少人数の中で優しく丁寧にドイツ語での詩の書き方などを指導してもらいました。
本研修に参加して一番良かったことは、ドイツという初めての土地でder Fremde(異邦人)として生活することの不安さと楽しさの両面を強く肌で感じることができたことです。私は1年次に必修のドイツ語の授業を履修しておらず、文法は独学で何とかこなしていたものの会話・発音練習などは十分にできていませんでした。また、海外での滞在経験にも乏しく、研修に臨む上で総合的に経験不足だったと思います。実際、授業だけでなく現地で生活してみるとトラブルが起きた時の対応などで語学力・経験値の少なさを実感することもありました。しかし一方で、初めて訪れたヨーロッパ、ドイツで異文化に間近で接することで日本文化・社会との差異を今一度強く再考する機会にもなりました。特に、休日に南ドイツのニュルンベルクを訪れ、多くの教会建築や中世都市らしい街並みを目にすることができたことはドイツ史を専攻する身としては望外の喜びでした。
(社会学部3年 MS)
私がドイツ語に興味を持ったのは、ドイツの文学、哲学、歴史が好きで、それらをもっと詳しく知りたいと思ったことがきっかけでした。そして一橋大学に入学してさまざまなことを学ぶうちに、海外で学んで見識を広めたいと思うようになりました。そんな中でこの短期留学のことを知り、親の後押しもあり参加することにしました。これからドイツでの私の体験について書こうと思います。留学を検討している方々の参考になれば幸いです。
ドイツに到着して、まず涼しさに驚きました。初日は雨が降っていたこともあり、長袖の上着がないと寒く感じてしまうくらいの気温で、日本との気候の違いを感じました。それから街並みも日本と大きく違います。石造りの建物がずらりと並び、壁にはグラフィティがたくさんありました。きれいな教会があちこちにあるのも新鮮で、街のどこを撮っても絵になるような場所でした。
留学しなければ得られなかった経験もいくつかあります。特にドイツでの日常生活については、実際に住んでみないと分からないことも多かったです。例えば飲み終わったペットボトルや瓶は、スーパーなどに回収する機械があって、そこに入れると割引のレシートが出てきます。環境問題への関心が強いドイツならではだなと思いました。後悔していることは、一ヶ月は意外と短いということです。せっかくの機会なのでもっと有効活用すればよかったと思います。
それからドイツに限らず観光地で気をつけることとしては、スリです。最終日、ベルリンを観光している際に署名のようなものを集めている人たちに話しかけられたので、どれどれと思って彼女らが持っていた紙を読んでいると、ジーッと音がしました。そうです、彼女らの仲間の一人が私のウエストポーチを勝手に開ける音です。幸い何かを盗られる前に気付きましたが、スリはこういう手口を使うので、気をつけましょう。
(社会学部2年 MK)
2022年の語学研修@Aachenの参加者のうち、2人の体験記を紹介します。オンラインでの開講でした。
クラスの学生は3人(日本人2人、韓国人1人)と少なかったため、とてもアットホームな授業でした。日本で受けるドイツ語の授業と大差ない雰囲気だった点は心残りですが、人数が少ない分、ドイツ語をしゃべっている時間自体は大人数のクラスよりも多かったのではないかと思います。
授業は3人の先生の持ち回りです。ドイツ語圏以外の地域出身の先生もいらっしゃいました。内容は文法の解説と問題演習が主でした。問題演習といっても無味乾燥なものではなく、ほかの学生と相談しながら解いたり、習った文法を使って自由に作文したりと、楽しく取り組めるものです。リスニングやプレゼンテーションもありました。また、何回か抜き打ちでテストがあり、これらの点数をもとに最終的な成績がつきます。さらに、授業のはじめには雑談コーナーがあり、週末の予定や天気などについて会話をしました。この雑談がなかなか手ごわく、どんぴしゃの単語や言い回しが思い浮かばないために、歯がゆい思いをすることが多々ありました。一方、ほかの国での生活について実際に住んでいる人の話を聞くことができ、とても興味深かったです。
研修に参加したことによる収穫は主に3つあります。まず、自分が何を苦手としているかが明確になりました。それまでは大ざっぱで偏った勉強の仕方をしていたのですが、授業内で慣れないリスニングや作文をこなしたり、先生の添削を受けたりすることで、看過していた自分の弱点に目を向けるよい機会となりました。
さらに、見切り発車をするのがうまくなった、という点も挙げられます。研修前に受けたドイツ語の授業では、どう表現しようかと逡巡しているうちに、発言のタイミングを失うことがよくありました。研修に参加して場数を踏むことで、とにかく第一声を発しさえすればあとはそのときの自分が考えてくれるさ、という気楽な姿勢で発言できるようになったと感じています。
最大の収穫は、実際にドイツ語圏に行きたいという意欲が高まったことです。今回オンラインでの参加となり、もろもろの負担が軽くなった一方で、物足りなさが残っています。また、一か月間の授業を受け通したことはささやかな自信にもなりました。そのため、研修前は時たまおぼろげに思い描くだけだった長期留学が、今では次の段階としてはっきりと意識されてきています。
(社会学部4年 H.M.さん)
まずは概要から。期間は8/2(火)〜8/29(月)の平日、授業時間はドイツの午前中にあたる日本時間15:30〜19:45、途中休憩が大体17:30ごろから30分間ありました。先生は3人、月火・水・木金と曜日によって担当が分かれており、Rの発音が先生によって異なったりと、私にとっては聞き取りにくい発音をする先生もいました。先生は3人とも女性でしたが、若い先生ほど早口な印象を受けました。指導についても、とにかく話すことを促す先生や、格変化・語尾をきっちりと直しつつ会話を進める先生などスピード感も三者三様でしたが、どの先生もPCを駆使した授業に慣れており、オンラインならではのPC上でのドイツ語を使ったゲームを途中に挟んだりと、飽きることなく毎授業を過ごしました。
生徒に関しては、私のクラスは結果的に3人と非常に少人数でしたので、少し特殊だったのかもしれません。私を含め日本人が2人、韓国人が1人という内訳で、アジア人にありがちな?控えめな雰囲気で、発言しづらいということもなく和気藹々としていました。私自身の性格を考えると、しっかりと考えてから発言出来るこのクラスはとても合っていたと思います。
クラスのレベルはB1でしたが、おそらくこのB1は語彙をぐっと増やすべき段階であるようで、都度ことばの意味をドイツ語で説明することを求められたり、同時に類義語をあげ、ニュアンスの違いを確認したりという場面が多くあったことが印象的でした。またドイツ語で学ぶ内容も、東西ドイツの歴史や移住、エネルギー問題についてなど、大学の授業のような事柄が多く、どの単元も興味を持って触れられるものばかりでした。オンラインという点では、やはり授業時間外に必然的にドイツ語に触れる機会がないことが残念でしたが、一週間も経つと自然と日常生活の中で頭に浮かんだことをドイツ語で表現しようとしている自分に気がつきました。逆にオンラインならではの、毎授業の初めにお互いの所在地の天気や、時事ネタ、週末の予定などを報告し合う時間もあり、ちょっとした楽しみにもなっていました。意外に負担となっていたのが毎日の宿題で、授業内で行うショートスピーチ(プレゼンテーション)の準備や独作文、文法問題からリスニングまで満遍なくかなりの量があるため、午前中にアルバイトなどをしつつ宿題もこなすのはなかなか大変でした。
夏休みという期間に、PCの前で長時間向き合わなければならないオンライン授業を毎日受けるというのは少々つらくもありましたが、幸いにも先生方がとても優しく、始まってしまうとあっという間でした。おかげさまで伸び悩んでいたリスニングも少し改善したように思います。長期間学んでいると新鮮さが失われていったり、楽しさを忘れたりすることがあると思います。私もドイツ語に対してそんな気持ちが少しあったのですが、1ヶ月間、拙くともドイツ語で自分の考えを表現できる体験、そしてドイツ留学を目指す受講者同士の励まし合うような雰囲気を通して、再び勉強し続けようと思えました。
(言語社会研究科1年 N. M.さん)
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