その1
うちの近所のスーパーは、何でか横に大きい客が多い。
横に大きいって、日本人で「太ってる」人とは、レベルが違う。日本で「ものすごー太ってる」人でも、ここのスーパーに来たら、「あれ?私って痩せてるやん」て、でったい思う。日本人の肥満では、まだまだ修行が足らん。ゆっとくけどお父さん、誉めてないで。
カートにもたれかかって、ヨタヨタ歩く人も多いが、あんまり太りすぎると、たかだかスーパーの買い物やのに、それが歩けやん。店備え付けの電動カートに乗って、買い物する。
大きいカート、それなりに大きい座席。ほやのに、後ろから見ると、おっちゃんやのおばちゃんやののお尻の肉が、座席の左右から「だらーん」て垂れ下がっている。
面白い!面白すぎる!
その2
こんな楽しいお出かけ、黙って歩くのは勿体ない。しかし、ぶつぶつ独り言ゆいもて(言いながら)歩くと、アヤシイおばさんになる。
よって買い物は大抵、いやがるボーイズを無理やりお供に連れて行く。
「目の前にいてるおばちゃんのお尻見て見て。いくら何でも大きすぎやで、何でこんなになるまで手ー打てへんかったんかなあ」
「ママ、聞こえるよ!」
「かめへんかめへん(大丈夫、大丈夫)、だーれも日本語なんて分かれへんのやから」
その3
くっだらん話始めたら、「もーどーにも止まらない」(カッコのところ、歌ってけー)
「ねーねー、回文の最高傑作って知ってる?」
「このきのこ」
「よだれだよ」
「ちゃうちゃう、『エクアドル人信じるドア食え』やんか」
「どーゆー意味?」
「意味なんてない、ママの敬愛する『恐るべきさぬきうどん』に載ってたん」
「くっだらなあ~い」
「もー、ほんなことゆったら、君たちのおっぱいもみもみするろー」
「ちょっとママ、そんな恥かしいこと言うのやめてって!」
「えーやん、減るもんやなし」
-ほしたら、私のすぐ近くにいてた、電動カートに乗ったアメリカ人のおじいさんが
+ほしたら、私のまーはた(すぐ近く)にいてた、電動カートに乗ったアメリカ人のおじいさんが
その4
「スイマセーン、コノ上のタナのカンヅメ、トッテクダサーイ」
「……」
「……」
「話の内容、でんぶバレバレとか…?エクアドル人も?おっぱいもみもみも?」
「だからやめてってぼくたち、言ったじゃん!おじいさん、クスって笑ってたよ!」
「早よカンヅメ渡して、走って逃げよ」
どすどすどす、ばたばたばた
このスーパー、当分行けやんな…私って何か、こんなんばっかり…