うだい先生 続き その1
ハイスクールでは年一回、「タレントショー」とゆう催しがある。本来、タレント、即ち何かに才能のある子がそれを披露するものやったんやが、最近は「国や地域対抗、何か楽しい出し物合戦」みたいな位置づけになっている。
例えば今年は、中国チームは踊り。日本チームは、歌と演奏やった。
うだい先生 続き その2
こうゆうものに燃えるタイプではない長男。しかし、頼まれたら断る勇気のない彼は、友人たちの強引な誘いに、つい参加するハメに。
「タレントショー」は、金曜の夜、7時開始である。会場は、高校の講堂。アメリカの学校って、どんな催しも、必ず夜に行われる。
うだい先生 続き その3
ああ、前置きが長なった。とにかく、当日の歴史の授業にて。
アメリカ人って、お揃いのTシャツを作るのが大好きである。このショボイ催しであるタレントショー用にも製作され、希望者は誰でも購入できるようになってる。
こうゆうものを買うのはフツー、出場者とその家族である。しかし、このイベントの出場する気のなさ満々の長男は、勿論買わんかった。
あらゆるイベント大好きな、歴史の先生。自分が出るわけでもないのに、この日の授業には、「2015年 タレントショー」と書かれたTシャツを、ちゃあんと着てきてた。
うだい先生 続き その4
授業が始まると、歴史のことは放っといて、一人一人に「今日のタレントショー、見に来いよ」と声をかけてまわった。長男のとこにも来たんで、彼はゆった。
「あの~、ぼくわ~、出場するんですけど~」
ほしたら、先生の目が「キラーン」て光った。「何だって!そうか、出演か!とゆうことは、君はこのTシャツを持っているな」
「いいえ、持っていません」
ほしたら
先生その場でTシャツを「ばっ」と脱ぎ、長男に着せた。
「君のものだ」...いらんがな...
うだい先生 続き その5
ほれから、そのクラスにいてるサッカー部の生徒を呼び、その子の携帯電話を取り上げた。ほして「二人で握手して、こっちを向いて笑うんだ!」サッカー少年の携帯で写真撮影。ほして、少年にゆった。
「さあ、今すぐ君のツイッターアカウントに、今撮影した写真をアップするんだ。そして、今から僕がゆう言葉をタイプしろ!」
「サッカー部は、タレントショーを応援します」
してへんがな...
あとでそのツイッターを見ると、むっちゃ苦笑いしている二人の写真がありましたとさ。
うだい先生 続き その6
さて、授業は第一次大戦の始まりに入った。言葉で説明するよりも、体で覚えてくれ、とゆうことなのか
サラエボ事件のしょぼーいバージョンの寸劇などを、いやがる生徒たちに無理やりやらせた。その後、一対一の戦いのシーンになり、何でか次男がその一人に選ばれた。次男は、たまたま教室にあったゴルフクラブ(何でやねん!)で「オレはものすごく怒っているのだ!」と叫びながらゴルフクラブを振り下ろす役。もう一人は、これまた、たまたま教室にあった松葉づえ(何でやねん!)で迎え撃つ、とゆう、人選を誤るとあわや大惨事、みたいな小芝居をさせられた。
それから先生は、みんなに「ノートを一ページ破って、それを丸めてボール状にしなさい」
ほして
「よし、二手に分かれて、戦え!」
生徒たちは大喜びで、ボールをむちゃむちゃ投げ合ったとさ。
うだい先生 続き その7
もはやこれは、歴史の授業とはゆえやんではないか。ほんま、何の授業やねん!
ひと騒ぎ終わった後。教室の床は、ボールやら何やらかんやらが散らばりまくっていた。
先生は、近くにいた生徒二名に「君たち、椅子の上に立ちなさい」と命じた。ほして
「さあみんな、彼らに拍手を!何故ならこの二人は、教室のゴミを全部拾って捨てるとゆうボランティアを買って出てくれたからです!!」
勿論、割れるような拍手。何でやねんとゆう顔の二人。当たり前や。ほんでも、みんなに大きな拍手をもろてしもたもんで、シブシブながら、粛々と(?)任務を遂行したそうである。
この人、歴史の先生で終わるには、誠に惜しい人物である。