このページでは時系列・空間・時空間データ解析に関するこれまでの研究をまとめています.
時系列データ解析
連続時間確率過程
Kurisu (2018) SJS, publication, arXiv
・(多変量)伊藤セミマルチンゲールが観測誤差を伴って高頻度短期観測される場合における
(i) integrated volatilityの推定方法(Realized Volatility(RV), Bipower variation (BPV), separated information maximum likelihood (SIML))の漸近的性質の導出
(ii) 同時ジャンプ検定 (co-jump test) の漸近的性質の導出
Kurisu (2019) EJS, publication, arXiv
・複合ポアソン過程で駆動されるOrnstein-Uhlenbeck過程を低頻度長期観測する場合における
(i) Levy-Khintchine 表現を利用したレヴィ密度のスペクトル推定量の構成
(ii) 高次元確率ベクトルに対する中間的高次元ガウス近似の理論を応用したスペクトル推定量の一様信頼バンドの構成
Kato and Kurisu (2020) SPA, publication, arXiv
・レヴィ過程を高頻度長期観測する場合に,
(i) Levy-Khintchine 表現を利用したレヴィ密度のスペクトル推定量の構成
(ii) 経験過程に対する中間的ガウス近似+ブートストラップ近似の理論を応用したスペクトル推定量の一様信頼バンドの構成
・応用例:英ポンド-豪ドル為替レートのレヴィ密度推定+一様信頼バンドを計算
回帰分析
Kurisu, Fukami and Koike (2025) BEJ, publication, arXiv
・アウトカム(スカラー値)が時系列相関をもつ共変量(多変量非定常時系列データ)と時間で説明される回帰関数+観測誤差で得られるノンパラメトリック回帰モデルが対象
・罰則付き深層学習によりノンパラメトリック回帰関数を推定
・罰則付き深層学習推定量が多くの非定常時系列データに対してカーネル平滑化推定量やシリーズ推定量よりも良い性質(収束レートに関するミニマックス最適性)をもつことを証明
空間データ解析
回帰分析
Kurisu (2019) SPL, publication, arXiv
・アウトカム(スカラー値)が空間相関をもつ共変量(1変量空間データ)+観測誤差で得られるノンパラメトリック回帰モデルが対象
・カーネル平滑化(局所定数回帰)によりノンパラメトリック回帰関数を推定
・推定量の多変量中心極限定理とその漸近分散の推定量の多変量中心極限定理を導出
Kurisu (2022) BEJ, puplication, arXiv
・Kurisu (2019) の枠組みの拡張,アウトカム(スカラー値)が空間相関をもつ共変量(多変量空間データ) と観測地点で説明される回帰関数+観測誤差により得られるノンパラメトリック回帰モデルが対象
・カーネル平滑化(局所定数回帰)によりノンパラメトリック回帰関数を推定
・回帰関数が加法的な場合も考え,次元の呪いを回避する方法も提案
・回帰関数が一般形の場合,加法的な場合それぞれの推定量の多変量中心極限定理,一様収束レートを導出
Kurisu and Matsuda (2024) BEJ, publication, arXiv
・アウトカム (スカラー値) が非確率的な関数(空間トレンド)+空間相関を持つ誤差項で得られるノンパラメトリック回帰モデルが対象
・カーネル平滑化(局所多項式)によりノンパラメトリック回帰関数を推定
・推定量の多変量中心極限定理,一様収束レートを導出,漸近分散の推定法
・主結果の拡張として2つの空間データのトレンドが局所的に等しいかどうかの検定(局所二標本検定)も提案
Kurisu and Matsuda (2026) BEJ, publication, arXiv
・Kurisu (2022), Kurisu and Matsuda (2024) の枠組みのシリーズ推定版
(i) アウトカム(スカラー値)が非確率的な関数(空間トレンド)+空間相関を持つ誤差項で得られるノンパラメトリック回帰モデルと
(ii) アウトカム(スカラー値)が空間相関をもつ共変量(多変量空間データ)と観測地点で説明される回帰関数+観測誤差で得られるノンパラメトリック回帰モデルが対象
・リッジ罰則付きシリーズ推定(スプライン,ウェーブレット推定量)によりノンパラメトリック回帰関数を推定
・推定量の多変量中心極限定理,一様収束レートを導出,漸近分散の推定法の提案
・応用例:首都圏の夜間人口トレンドデータの分析
時空間データ解析
ブートストラップ法
Kurisu, Kato and Shao (2024) JASA, publication, arXiv
・多変量 or 高次元空間データ,時空間データの平均ベクトルの推定理論とブートストラップ法を用いた統計的推定・検定理論の構築
・独立データ,時系列データに対する高次元ガウス近似の理論を空間データに拡張
・空間相関を持つデータに対して適用可能なガウス型ワイルドブートストラップを提案
・応用例:アメリカの中西部の気象台で観測された年次降水量データの分析