川上 愛(かわかみ あい)
音楽心理学者・ピアニスト・音楽コンサルタント
3歳よりピアノをはじめ、これまでに天才ピアニストとして名高い中村紘子氏、史上最年少でチャイコフスキー国際コンクールで優勝した諏訪内晶子氏、史上最年少でパガニーニ国際ヴァイオリンコンクールで優勝した庄司紗矢香氏などを輩出してきたプロ演奏家の登竜門の学生対象国内最高峰コンクールである全日本学生音楽コンクールにて入選などコンクールでの入賞入選歴を持ちつつも、米国カリフォルニアの病院(California Pacific Medical Center)でのインターン経験を通し、ピアノ演奏がアルツハイマーの患者さんに及ぼす影響に衝撃を受け、心理学的観点から音楽が人の感情に及ぼす影響について研究を行っている。
2013年の研究論文は、国内外でプレスリリースされ、スイスの学術雑誌 Frontiers in Psychology において、その年の論文ランキングでトップ10入りを果たした(第4位・日本人では最高位)。特にEmotion Science部門では、2013年から2019年まで論文ランキングにおいて、6年連続して第1位の座を維持し続けた(2019年5月現在)。
米国ニューヨークタイムズ紙、英国BBCラジオ、仏国ルモンド誌にて特集が組まれ、本人の解説記事掲載および出演を果たすなど、世界の主要なメディアもカバーした。また、2014年には感情研究者として世界を牽引し続けているJames Russell 教授(Boston College)より当該論文について、「my favorite paper」との言葉と共に、注目すべき研究者との評を得た。
アカデミー賞にノミネートされた映画「レナードの朝」の原作者でもあるイギリスの故神経学者オリバー・サックス教授も生前、自身のSNSにて川上執筆のNYTimes掲載の解説記事を紹介している。
研究活動に集中するため長らくピアノに触れていなかったが、2021年より練習を再開。2022年1月Youtubeにピアノ演奏動画を公開したところ、ピアニスト アルフレッド・コルトー氏の孫弟子より「純粋な音」「音楽的で心に響く」との評を得た。
現在、企業の音楽活用のコンサルティングにも従事するなど幅広く活動中。
2013年度創造性研究奨励賞受賞。人間科学修士(大阪大学)、美術博士(東京芸術大学、主席修了)。
尊敬するピアニスト:
ネルソン・フレイレ(Nelson Freire)、マレイ・ペライア(Murray Perahia)、エフゲニー・キーシン(Evgeny Kissin)
職歴:
2004年2月~3月 米国カリフォルニア•パシフィック医学センター 研修生
2004年4月〜9月 大阪大学 人間科学部 TA
2006年4月〜9月 大阪大学 人間科学部 TA
2009年4月~2010年3月 独立行政法人 理化学研究所 脳科学総合研究センター 情動情報連携研究チーム 研修生
2009年4月〜2010年3月 独立行政法人 科学技術振興機構 ERATO 岡ノ谷情動情報プロジェクト 研究補助員
2010年4月~2013年3月 独立行政法人 理化学研究所 脳科学総合研究センター
情動情報連携研究チーム ジュニアリサーチアソシエイト(JRA)
2013年4月~2014年3月 独立行政法人 科学技術振興機構ERATO岡ノ谷情動情報プロジェクト 研究員
2013年4月~2014年3月 独立行政法人 理化学研究所 脳科学総合研究センター 客員研究員
2014年4月~2016年3月 玉川大学 脳科学研究所 研究員
2015年11月~2018年11月 関西学院大学 理工学部 受託研究員
2016年4月~2020年3月 日本学術振興会 特別研究員(大阪大学)
2016年4月~2016年9月 梅花女子大学 非常勤講師 担当科目「音楽心理学」
2016年10月~2020年3月 神戸親和女子大学 非常勤講師 担当科目「音楽心理学」
2019年4月~現在 自然科学研究機構 生理学研究所 共同研究者
2020年4月~2021年3月 大阪大学大学院文学研究科 招聘研究員
2020年7月~現在 音楽コンサルティングに従事
2021年4月~現在 早稲田大学文学学術院総合人文科学研究センター 招聘研究員
学部では、環境経済学を学び、修士課程より音楽の研究を始める。
2006年 大阪大学大学院 人間科学研究科 博士前期課程修了
修士論文:音楽聴取による“感動”と性格特性の関係
2013年 東京芸術大学大学院 美術研究科 博士後期課程 主席で修了
博士論文:音楽聴取に関わる二種類の情動
-音楽が一般に聴衆に与える印象と聴取者が実際に喚起する情動の関係について-