おススメ!サイズ書籍

生物のサイズ問題に関わる書籍(一般向けを含む)をご紹介します。

お勧めがありましたら、管理人までご連絡ください(もしくは、コメントを残してください)。直ちに掲載いたします。

実験医学 2018年8月号 Vol.36 No.13

サイズ生物学

“生命”が固有のサイズをもつ意味とそれを決定する仕組み link (概論部分は無料公開中!)

ConBio2017でのワークショップが発端となり、実験医学に企画を組んでいただきました。様々なスケールにおける、またウェットからドライまで様々な実験手法をまたぎ、サイズ生物学の最新のトピックをまとめております。学部大学生・大学院生以上向けの内容です。

ゾウの時間 ネズミの時間―サイズの生物学 

本川 達雄 link (amazon)

ネズミよりもカラダの大きなゾウは、「ゆったり」とした時間を過ごすのか?そんな疑問に、生物のもつ「大きさ(サイズ)」 という観点から迫る、サイズ生物学の入門書。1990年代の大ベストセラー。生物学を勉強していなくとも楽しめます。人生として与えられた時間をどのように使うのか、という人生観をも考えさせられます。

Art Forms in Nature/生物の驚異的な形

Ernst Haeckel (著)/エルンスト ヘッケル (著)  洋:link (amazon) 和:link (amazon)

小・中学校の理科の実験で一度は生き物のスケッチをしたことがあるのではないでしょうか?この本の著者であるヘッケルは、スケッチの達人でした。まずは、ヘッケルのスケッチの美しさを味わってください。そして、ヘッケルが考える生き物の「美しさ」とは何なのかを考えながら、スケッチを眺めてください。ちなみにヘッケルのスケッチは、その後のアール・ヌーヴォーにも影響を与えました。

On Growth and Form/生物のかたち

D'Arcy Wentworth Thompson (著)/ダーシー・トムソン (著) 洋:link (amazon) 和:link (amazon)

今では当たり前ですが、100 年も前には生物学と数学・物理学は交わることの無い学問分野でした。ダーシー・トムソンはこの本で、普段何気なく接する生物がもつ様々な形には、数学(算数)や物理法則が隠れていることを示しました。生物学の潮流を変えた、20 世紀初頭の名著です。

 

生き物たちは3/4が好き 多様な生物界を支配する単純な法則 

John Whitfield (著),‎ 野中 香方子 (翻訳)  link (amazon)

生き物の大きさや形、寿命、代謝など様々なものが、なぜかカラダの大きさの3/4 乗に比例する関係を持っています。2/3 でも1(正比例の場合)でもない、この不思議な「3/4」という数字を生き物がもつ意味を、本書では様々な視点から解説しています。

かたち: 自然が創り出す美しいパターン

フィリップ・ボール (著), 林 大 (翻訳) link (amazon)

木の年輪やシマウマの縞模様など、よく見ると生物にはさまざな幾何学模様が隠れています。このような美しい模様は、特別な遺伝子の働きではなく、化学反応により創り出すことが可能です。生き物が単純な化学反応を駆使し、複雑で美しい模様を如何に創り出しているのかを感じることが出来ます。

生物の大きさとかたち―サイズの生物学

Thomas A. McMahon (原著), John Tyler Bonner (原著), 木村 武二 (翻訳), 小川 多恵子 (翻訳), 八杉 貞雄 (翻訳) link (amazon)

大きなトリはなぜ羽ばたくことなく滑空でき、小さなアリはなぜ力持ちのか。本書では、 実際の研究でも用いる生物の大きさ(サイズ)の「次元」に焦点を当てることで、サイズがもつ物理的な特徴を実際の実験データや写真と共に概説しています。生き物の サイズには何かしらの意味がありそうだと、 感じられるかもしれません。

スケーリング:動物設計論 : 動物の大きさは何で決まるのか

K.シュミットニールセン (著) ; 下澤楯夫 (監訳) ; 大原昌宏, 浦野知(共訳) link (amazon)

もし仮に巨人が存在するならば、どのような背格好になるだろうか?それは、我々ヒトの単純な拡大縮小ではなく、縦横比や骨の構造、代謝のしくみを調節したサイズとかたちが必要になるはずだ。本書では、様々な種類の動物の構造や機能を比較し、カラダの大きさの何乗に比例するのかという「スケーリング」の解析を行うことで、動物が如何に「設計」されているかに迫っています。

生物にみられるパターンとその起源

松下貢 (編) link (amazon)

現存する生き物の形は「安定」しているものなのか?ヒトの見た目も考え方も、さまざまな力や作用の「バランス」の良い所で平衡状態を取っています。本書では、生物のかたちやパターンがどのように形成されるのかを実際の数式や数理モデルを基に解説しています。数学や物理に興味のある人向け。

形態の生命誌 : なぜ生物にカタチがあるのか

長沼毅 (著) link (amazon)

生物は種により、似ているところと似ていないところがあります。長い進化の過程で形成された生物のかたちの多様性から、かたちの意味を考える、そんな一冊です。生物に興味がある人向け。

形の生物学

本多久夫 (著) link (amazon)

ヒトを構成する組織・臓器は全て、沢山の細胞が集まって出来る「袋」で構成されています。生き物は、その袋をどのように変形させ、複雑な形と組織に適した機能を与えているのでしょうか。生物学に興味がある人向け。

光と水と植物のかたち : 植物生理生態学入門

種生物学会 (編) link (amazon)

私たち動物とは異なり、地に根を張り自由に動くことが出来ない植物は、そのかたちがもつ意味合いも大きく異なります。生死に直結する光と水を効率よく獲得する為に、植物はかたちを調整する様々な仕組みを持ち合わせています。生物学に興味がある人向け。

生きものの建築学

長谷川尭 (著) link (amazon)

ヒト以外の動物は、設計図を作成したり、力学計算をすることなく、「家」を作り出しています。そんな動物たちが住む家から、人間は何かを学ぶことが出来るでしょうか。本書では、動物が住む「家」と人間が設計した建築を比較し、概説しています。

空間デザインの原点 : 建築人間工学

岡田光正 (著) link (amazon)

人間の特性に合ったモノを作ることを、一般的に人間工学とよびます。本書では、人間個人の体の大きさや、集団としての人間の振舞いも含めた人間の持つ特性を、建築家が如何に捉え、それを建築に活かしているかを垣間見ることが出来ます。

Powers of ten : 宇宙・人間・素粒子をめぐる大きさの旅

フィリップ・モリソン [ほか] 共編著 ; 村上陽一郎, 村上公子 (訳) link (amazon)

我々が住む世界がどのような大きさ(スケール)で構成されているかについて、写真共に解説された名作です。きっと人間が如何に小さく、また如何に大きいのかを感じることが出来るでしょう。

生物の大きさはどのようにして決まるのか

大島靖美 (著) link (amazon)

研究生活において個体のサイズを決定する遺伝子を探し続けた大島先生の研究のエッセンスが詰まっています。

ガリバー旅行記

ジョナサン スウィフト・作 link (amazon)

自ずと知れた巨人と小人の世界に迷い込む物語です。巨人と小人の特徴をどのように表現する際には、作者の数学(算数)的センスに従い、ヒトの体の仕組みを考慮した形跡が感じ取れます。

黄金比はすべてを美しくするか? 最も謎めいた「比率」をめぐる数学物語

マリオ・リヴィオ (著), 斉藤隆央 (訳) link (amazon)

数学は、絶対的な数字で表されるその美しさ故、神が作ったとも言われています。その一例である、「黄金比」と呼ばれる比率は、人間が自然と気に入る比率で、生物や人工物にも散見されます(好きな比率があると、「〇〇の黄金比」と名付けたりもします)。本書では、そんな黄金比の数学的美しさや普段の生活に隠れている黄金比を概説しています。

建築を考えるときに大切な8つのこと

Colin Davies (著) 朽木順 (綱訳) link (amazon)

建築とは何であるのか。建築の「作品」としての学問的・美的な意味と、周囲の空間・環境と如何に調和する為の実務的な意味の2 面性を含んでいる。本書では、建築家がどのような事を考え建築設計、さらには建築論を展開してきたかが分かります。

測って描く旅

浦一也 (著) link (amazon)

長さの尺度には、「無生物的な」尺度(メートル)と、「人間的な」尺度(フィートや尺)があります。本書は、建築家が様々な建築を「測る」ことで、建築がもつ尺度に迫るものです。

[洋書 (学生・研究者向け)]

Cell Biology by the Numbers

Ron Milo (著), Rob Phillips (著) link (amazon)

WHY SIZE MATTERS

John Tyler Bonner (著) link (amazon)