大学の研究室は,学術的に価値のある「知」を,「論文」という形で生み出す場です.しかし,それと同時に,研究という活動をすることを通じて,将来,研究とは違った形でも,社会にとって有益な知を生み出すことのできる「人間」を育てる場でもあります.したがって,単に論文を書く能力を身に着けてもらうだけでなく,将来,社会に貢献できる人間を育てることが,大学の研究室の大きな役割です.
こうした考えのもとで,ゼミでは以下のようなことに重点を置いた指導を行っています.
大学の卒業・修了後,どのような進路に行っても必要になる基礎的な力を鍛えます.基礎的な力とは,社会人としての常識にはじまり,論理的な思考力,それを伝える文章力,努力を成果としてまとめる力,コミュニケーション力などです.本研究室では,研究内容そのものだけでなく,研究に臨む姿勢への指導や,ゼミのために作成されるレジュメへの添削やプレゼン指導,学外での発表の機会を提供することなどを通じて,この基礎的な力を鍛えます.卒業・修了後,どこに行っても通用する力を,研究活動を通して身につけることが,本研究室の第一の目標です.
研究を通じて,「社会に出て,自分はこれでやっていく」,「これなら誰にも負けない」,という拠りどころになるものを,最低ひとつ,学生に遺します.これは「何かひとつ」の拠りどころを持たせることで,それをベースに,将来様々な可能性を広げてもらいたいからです.「何かひとつ」は,人によって異なります.ある人にとっては,社会現象をモデルによって数理的に扱うことかもしれませんし,GISなどの技術かもしれません,また,別の人にとっては,とにかく靴底をすり減らして,現地で数多くの人に話を聞くことかもしれません.徹夜を厭わず地道に解析作業を続けられることかもしれません.研究指導においては,それぞれ異なる学生の資質を見極め,研究の中で「何かひとつ」の個性をとことん伸ばせるようなアドバイスを心がけます.
指導教員は,形式的には指導を行う教員ですが,一方的な指導ではなく,教員自身も学生と共に学び,研究を一緒に創っていく姿勢を心がけています.そのため,研究指導は,ゼミの場だけでなく,密に情報を交換できる,個別相談に時間を割くことを重視しています.また,研究以外の場面での交流も重視しています.「つくばの社工」出身という教員の経歴をフルに生かして,学生目線に立った粘り強い指導に力を尽くします.
原則として,文科系修士棟で行います.
週1回,3名程度発表でローテーションします.1人あたり,1か月に1度の報告ペースが目安になります.
1か月に1度の遅い報告ペースですので,発表者には,1か月間のインテンシブな努力と,レジュメとパワーポイントをしっかりと作成して発表することが求められます.
夏にはゼミ合宿を行うほか,学会等での発表前には,必要に応じて臨時のゼミを行います.
ゼミは公開していますので,興味のある方は雨宮までご連絡ください.