研究室の概要
都市環境行動学研究室とは
都市には様々な人が生活し,人の日々の営みが,都市を創り出しています.そうした人の営みは,周囲を取り巻く物理的,社会的な環境のあり方によって、促進されたり、逆に阻害されたりします.一方,人の営み自体もまた環境の一要素として,別の人の営みを促進したり、阻害したりする側面を持っています.つまり,人と環境との間には,相互に創り,創られる,相互交流的な(Transactionalな)関係があります.こうした関係性を読み解くことは,より快適,安全で,持続可能な都市の創造に向けて重要です.
本研究室では,様々なスケールにおける環境を対象としながら,そこで展開される人の営みを観察・分析しています.人の心理や行動と環境との関連を明らかにして,より良い環境の創出・運営の方法を明らかにすることが研究室の目標です.
研究のアプローチはさまざまです.質問紙調査や実験・観察などの社会調査によって得られた,個人レベルや集団レベルでの人間の心理や行動に関するデータをもとに,統計解析やモデル分析を行なう研究もあれば,統計データや地理空間情報,ビッグデータなどを用いながら,GISによって人間行動の解析を行なう研究もあります.また,文献調査やインタビュー調査をもとに,定量的に測定するのが難しい対象に対して質的な分析を行う研究もあります.いずれのスタンスに立つ研究にしても,実証的な研究アプローチで人間の行動と環境との関わりあいを明らかにすること,最終的には都市計画やまちづくりの視点からの問題解決に貢献することが目標です.
ベースになる学問は,第一には都市計画です.しかし,研究の拠りどころとなる理論や分析枠組み,分析手法,問題解決策の提示などの点においては,地理学,空間情報科学,環境心理学,犯罪学,ランドスケープ科学,社会心理学,都市社会学などとも関連します.研究室の所属学生には,都市計画に加えて,もうひとつの専門分野の習得が求められます.様々な学問の境界にあるテーマを扱う学際性は,本研究室の特色のひとつです.
研究テーマのページをご覧いただいて,少しでも自分の興味に近そうだと思う方は,ぜひお気軽にご連絡ください.