脳画像の扱いでまず注意すべきは、voxelのindexの付け方と、左右の定義になります。
たとえば、MATLABでは1から整数を数えますが、Pythonでは0からなので、標準脳の同じMNI座標であっても、voxelのindexは1個ずれます。
また左右の定義には、neurologicalとradiologicalの2種類があって、基本的なfMRI関係のソフトウェアによってどちらを採用するかが異なります。
こうしたことは常に(特にvoxelが持つ値を読みに行く際、解剖学的なラベルを付ける際に)考えないといけないわけです。
下の図は、SPMのsingle_subj_T1.niiをFSL-view, SPMでそれぞれ同時に表示したものですが、これで分かる通り、FSL(左の図)では、MNI座標が(0,0,0)の原点では、voxelのindexは(45,63,36)になり、SPM(右の図)では、MNI座標が(0,0,0)の原点では、voxelのindexは(46,64,37)になります。
またFSL(左の図)では、voxelのindexが(0,0,0)、SPM(右の図)では、voxelのindexは(1,1,1)の時にMNI座標は同一の(90, -126,- 72)を示します。
つまり、FSL + 1 => SPMなのです。
それからFSLとSPMでは前後左右が反転しているのに注意してください。左右の定義の違いは、脳を持っている実験参加者(患者)にとっての左右をそのまま左右とするか、実験参加者(患者)を見ている観察者(医師)にとっての左右をそのまま左右にするかによって、neurologicalとradiologicalの2つに分かれます。