研究成果
I)赤間の全業績検索
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II)赤間の主なpapers: 脳および磁気共鳴画像法(MRI)関係に限定
Keiichi Onoda, Satoru Miyauchi, Shigeyuki Kan, Hiroyuki Akama. 2025. Decrease and recovery of integrated information Φ during anesthesia and sleep on human functional magnetic resonance imaging, Neuroscience of Consciousness, Volume 2025, Issue 1.
<概要>
現象的特性に基づき、意識の定量化と特徴化を可能にする統合情報理論(IIT)を裏付けるため、意識レベルを反映するとされるΦ尺度が、意識消失とともに減少することを示すエビデンスを提示し、解析した。本研究では、麻酔時(プロポフォール誘発)と自然睡眠時に取得した2つの機能的磁気共鳴画像(fMRI)データセットを解析し、Φが意識の喪失と回復に伴って変化するかどうかを検討した。5つの脳機能ネットワークからなるシステムを構築し、fMRI時系列データから遷移確率行列を計算、これらの行列に基づいてΦ値を導出した。IITによって予測されたように、Φは麻酔による意識消失時にグローバルレベルでもローカルレベルでも減少、同様に、Φは睡眠誘発性意識消失時に脳の後部領域を中心としたシステム内で局所的に減少した。機能ネットワークをシステム単位として考えると、脳の統合情報(Φ)は意識レベルの変動と連動していることがわかる。これらの知見は、意識と大規模機能ネットワーク内の統合情報との間に強い関連があることを示している。
doi: https://doi.org/10.1093/nc/niaf024
Onoda, Keiichi, Hiroyuki Akama. 2024. Exploring complex and integrated information during sleep, Neuroscience of Consciousness, Volume 2024, Issue 1.
<概要>
統合情報理論とは、意識の本質を解明することを目的とした理論的枠組みであり、意識はシステム内の情報の統合から生じ、意識の程度はシステム内の情報の統合の程度に依存すると仮定する。意識が失われると、統合情報理論が提唱する意識の中核となる複合体は崩壊し、統合された情報のレベルを反映するΦ測定値は低下すると予想される。本研究では、様々な作業中や睡眠中に機能的磁気共鳴画像法によって得られたグローバルな脳ネットワークを用いて、統合情報理論の予測を検証した。その結果、前頭頭頂ネットワーク内に位置する複合体はタスクの内容に関わらず一定であったが、複合体の領域分布は睡眠初期に崩壊することがわかった。さらに、限られた解析条件下では、睡眠が進むにつれてΦ測定値が減少した。これらの知見は、統合情報理論による予測と一致し、その定説を支持するものである。
doi: https://doi.org/10.1093/nc/niae029
四辻 嵩直, 赤間 啓之, 2023. 文章生成深層モデルによる刺激文の再構成, 認知科学, 30巻4号, p.465-478
<概要>
機械学習では、ディープラーニングによる自然言語モデルの急速な発展により、文生成モデルが高精度の文を生成できるようになった。本研究では、これらの文章生成モデルを用いて、言語情報を理解する脳の神経計算モデルを評価するために、脳の神経表現のみから直接刺激文を再構築する手法を構築することを目的とした。その結果、事前に学習させたディープニューラルネットワークモデルと組み合わせた変分オートエンコーダーモデルが最も高いデコード精度を示し、このモデルを用いて脳の神経表現のみから直接、その脳が読んでいる刺激文を再構成することができた。ただしトピックレベルの文生成を実現したにとどまるが、それでもこのモデルをニューロコンピューティングモデルと見做し、言語理解における神経表現の特徴を探索的に解析することが可能となった。
doi: https://doi.org/10.11225/cs.2023.041
Takaki Tokuhiro, Keiichi Onoda, Masahiro Takamura, Shuhei Yamaguchi, Hiroyuki Akama, 2023. Deep Learning Modeling for Prediction of Cognitive Task Related Features from Resting-state fMRI Data, QEIOS.
doi: https://doi.org/10.32388/GDWCBK
<概要>
脳ドックデータの中の安静時機能的連結情報から、年齢と負の相関を持つ二つの認知機能検査値のひとつ、Kohs立方体組み合わせテストのスコア予測を行った。予測モデルとしては、Wang et al. (2021) の連結性ベースグラフ畳み込みネットワーク(cGCN)を、判別から回帰に変更する為、最終ステップでsoftmax関数の代りにLSTMを加えた、cGCN-LSTMを提案している。また、予測モデルに対してocclusion法と呼ばれる入力情報における重要ROIを特定する手法によって各種検査指標における予測に重要なROI・ネットワークの特定を行っている。その結果、年齢予測に貢献する領域以外のROIを同定できるとともに、また本質的ネットワーク間の連結が大きく予測に貢献しており、デフォルトモードネットワークと小脳ネットワークにのみネットワーク内連結が重要なものとして検出された。
Sakaki Shimojo, Hiroyuki Akama. 2023. Prediction and Analysis of Structural Brain Health Indicators Using Deep Learning Models with Functional Brain Images as Input, QEIOS.
doi: https://doi.org/10.32388/RWZH4Y
<概要>
脳の老化および健康状態を評価する指標として、MRIによって撮像された脳の構造画像から得られる灰白質容積をもとに算出されるGM-BHQが知られているが、脳の機能情報を含む安静時fMRIデータをもとにした健康指標は、まだ確立されていない。そこで本研究では、BrainGNNという深層学習フレームワークを利用し、安静時fMRIデータとGM-BHQの間の関係を学習した回帰モデルを構築したうえで、機能情報に基づくモデルの予測値をFC-BHQとして求め、その有用性を検証した。また機能と構造の加齢に伴う共変動を示す脳領域やネットワークを、スパースモデリングにより隠れ層の分析を行い同定したところ、情動処理に関連する扁桃体-皮質/小脳間の機能的ネットワークなどの重要性が確認された。
Keiichi Onoda, Hiroyuki Akama. 2022. Complex of global functional network as the core of consciousness, Neuroscience Research
doi: https://doi.org/10.1016/j.neures.2022.12.007
<概要>
Human Connectome Project (HCP)と睡眠時データセットに統合情報理論(IIT)を適用して、人間の意識の神経基盤を、実行制御、顕著性、背側/腹側注意などの主要な脳機能ネットワークからなるグローバルな相互接続構造に見出した。
Yutaka Minowa, Keiichi Onoda, Masahiro Takamura, Shuhei Yamaguchi, Naoki Okamoto, Hiroyuki Akama. 2022. Comparing Deep Learning Models for Age Prediction Based on the Resting State fMRI Dataset from the “Brain Dock”Service in Japan (prerprint), bioRxiv.
doi: https://doi.org/10.1101/2022.08.14.503923
<概要>
島根大医学部および関係機関との共同研究による論考(未査読プレプリント)。年齢予測の難易度が高い、主に高齢者を対象とした日本の「脳ドック」サービスのrs-fMRIデータを用いて、年齢予測モデリングを行った。データ抽出方法、深層学習アルゴリズム、脳アトラスを変更したあらゆるタイプの方法論から、頑健かつ高度に有意な相関が得られた。年齢予測は、モデル化の達成度に差はあるものの、固有機能結合ネットワークに基づくごく少数の領域のみでも成功した。
Shinya Watanuki, Hiroyuki Akama. 2022. Neural substrates of brand equity: Applying a quantitative meta-analytical method for neuroimage studies, Heliyon, Cell Press.
doi:https://doi.org/10.1016/j.heliyon.2022.e09702
<概要>
消費者脳科学において、本研究は賦活尤度推定(ALE)に基づくメタ分析的連結性性モデリング(MACM)を用い、ブランドエクイティ(ブランド資産価値)の神経基盤を明らかにした。その結果、ブランドエクイティ関連脳内ネットワーク(BE-RBN)はデフォルトモードネットワーク(DMN)だけでなく、DMNとは別の脳領域(島皮質、下前頭回、扁桃体、腹側線条体、頭頂部)もBE-RBN脳領域として特徴的であることを発見した。ブランドエクイティ(ブランド資産価値)関連のメンタルプロセスは、自己言及、報酬、感情、記憶、感覚運動処理などの複数のメンタルプロセスを介して統合された複雑な構成要素であることが明らかになった。
<概要>
マサチューセッツ工科大出版局(MIT Press)から出版された、言語データ科学を網羅したハンドブック(1月18日発売)。赤間は脳と言語の関係を対象とした神経言語学に関する1章、"Chapter 48: Managing, sharing and reusing fMRI data in computational neurolinguistics" を担当している。電子版は各章それぞれを個別にダウンロード可能。なお、本自体は白黒で、この章は専門上どうしてもカラーが必要なので、ハワイ大がリサーチリポジトリ―をこの章の図版(Color figures from the Open Handbook of Linguistic Data Management)のために割き、本のリンクから飛ぶように設定してくださっている。
Naoki Okamoto, Hiroyuki Akama. 2021. Extended Invariant Information Clustering is Effective for Leave-One-Site-Out Cross-Validation in Resting State Functional Connectivity Modelling, Frontiers in Neuroinformatics.
doi: https://doi.org/10.3389/fninf.2021.709179
Download from here. (medRxiv, doi: https://doi.org/10.1101/2021.06.07.21258389)
<概要>
同じアプローチで同じ測定法を採用しても、異なる場所のMRIデータが混在させると、複数のサイトのデータソースの調和が困難になり、結果の精度が低下することは広く知られている。複数のサイトデータが混在するABIDE(Autism Brain Imaging Data Exchange)コレクションでも、自閉症スペクトラム(ASD症例とTC例の判別分析は、単一サイトデータほどは期待された精度が得られていない。本研究では、深層ニューラルネットワークの一種であるInvariant Information Clustering(IICと略す)を拡張し、IICをラベルを用いた「教師付き」学習に変換したうえ、画像生成技術の代わりにソースサイトの違いを学習すべき(ノイズの多い)情報とみなすことで、現在のところASDの判別において最も良好なクロスサイトモデリング結果を得ることができた。
Hiroyuki Akama, Yixin Yuan, Shunji Awazu. 2021.Task-induced Brain Functional Connectivity as a Representation of Schema for Mediating Unsupervised and Supervised Learning Dynamics in Language Acquisition, Brain and Behavior, Wiley.
doi: https://doi.org/10.1002/brb3.2157
<概要>
ランメルハートのスキーマ理論に則り、言語習得における教師なし/あり学習がもたらす脳機能変化とその個人差に焦点を当てたfMRI実験研究である。教師なし学習では、オニスらの考案した暗黙の逐次的確率学習に従って、実験参加者に人工的文法に基づく音声ストリーミング刺激から単語と思われるパターンを抜き出させる。続く教師あり学習では正解となる特定のパターンをもつ単語を、あらかじめ教授したうえで学習させる。この教師あり学習が、最後に初回と同一の教師無し学習をさせた場合、このようなハイブリッド学習が脳の反応にどのような変化をもたらすか、タスクベースの機能的連結性の観点から解析した。結果として、初回の教師無し学習では全般に自発的なデフォルトモードネットワークの活動が見られるが、最後の教師無し学習ではハイブリッド学習に良い成績を収めた参加者のみにそれが見られることを突き止めた。また、スキーマのtuningができた教師あり学習の好成績者は、始めから自己教師学習、スーパー学習ができており、そこには小脳の機能的ネットワークが関与していることを明らかにした。
Sunao Yotsutsuji, Miaomei Lei, Hiroyuki Akama,. 2021. Evaluation of Task fMRI Decoding with Deep Learning on a Small Sample Dataset, Frontiers in Neuroinformatics.
doi: https://doi.org/10.3389/fninf.2021.577451
<概要>
fMRIの小規模データセットに対し、予測のための深層学習(deep learning)を適用する場合、個人の多様性や機械学習特有の情報漏洩(information leakage)など、様々な問題を抱えることになる。本論文は方法論的な適正化を検討しつつ、2D畳み込みネットワーク(M2DCNN)による分類器が、3D畳み込みネットワーク(3DCNN)を凌駕して、タスクを行う際の脳反応の集団レベル機械学習(group-level MVPA)において高い精度をもたらすことを示した。 本論文はE-book, Computational Methods for Translational Brain-Behavior Analysis (PDF<download from here>, EPUB<download from here>)に収められた。(Rong Chen, Tianyi Yan, Yiannis Ventikos, and Jinghao Zhou,eds (2021). Computational Methods for Translational Brain-Behavior Analysis, E-book, Lausanne: Frontiers Media SA. p.360-320. doi:10.3389/978-2-88966-897-7)
Shinya Watanuki and Hiroyuki Akama,. 2021. Neural Substrates of Brand Love: An Activation Likelihood Estimation Meta-Analysis of Functional Neuroimaging Studies, Frontiers in Neuroscience.
doi: https://doi.org/10.3389/fnins.2020.534671
<概要>
fMRIメタ分析の手法の中で賦活尤度推定(Activation Likelihood Estimation)を用い、ニューロマーケティングの重要な対象であるブランド愛の神経基盤を、他の愛情形態の神経基盤と比較し、その特異性を明らかにした。本論文はオランダにあるニューロマーケティング協会 Neuromarketing Science & Business Association (https://nmsba.com/) から、消費者神経科学における今年を代表する研究に選ばれ、研究の抄録がNeuromarketing Yearbook 2021に掲載された。[追記]なおこの論文は、Frontiers e-book, Consumer Neuroscience - Foundation, Validation, and Relevance (Edited in June 2023 by Thomas Zoëga Ramsøy, Hilke Plassmann, Carolyn Yoon and Joseph T. Devlin), p.73-87 (PDF<download from here>, EPUB<download from here>.)という形で出版された。
Hiroyuki Akama and Airi Ota. 2020. Area-specific Biased Global Efficiency in Functional Connectivity Provides Features Negatively Correlated with Age, BioExiv Neuroscience.
doi:https://doi.org/10.1101/2020.04.22.054627
<概要>
(プレプリント) Enhanced Nathan Kline Institute - Rockland Sampleが公開する脳機能画像データから、安静時機能的連結性のネットワークと、そのグラフ指標である全体効率を計算し、脳アトラスで、z軸に沿って上下の領域に系統的な1, -1の重みを割り振るバイアス付き全体効率を求めると、それが実験参加者の年齢と有意な負の相関を示し、ひとつの機能的連結性-脳健康指標、すなわちFunctional Connectivity-Brain Healthcare Quotient(FC-BHQ)となりうる可能性を示した。
Hiroyuki Akama, Individual typological differences in a neurally distributed semantic processing system: Revisiting the Science article by Mitchell et al. on computational neurolinguistics, F1000Research, 2018,
doi: https://doi.org/10.12688/f1000research.14584.1
<概要>
Mitchell et al., 2008のScience論文データを再検討し、名詞による脳のfMRI賦活について、L2正則化抜きの古典的最小二乗情報のみによるモデリングでは、実験参加者毎の精度にばらつきがあり、そのばらつきがANOVAとStabilityという素性選択法の結果の食い違いと系統的に対応し、低精度の実験参加者では、ANOVAによってamodalな言語処理領域が、Stabilityでは視覚処理領域が選ばれる傾向があり、まさしく脳内の意味処理の中心をめぐる最近の論争の場とも重なっていると言うことを示した。
Hiroyuki Akama, Brian Murphy, 2016. Emerging Methods for Conceptual Modelling in Neuroimaging, Behaviormetrika, Springer, 2016, doi: https://doi.org/10.1007/s41237-016-0009-1
<概要>
心や脳が概念をどう処理するかを解明するニューロイメージング、特に脳磁気画像法(fMRI)において、神経的・認知的状態を判別するための機械学習の手法として、多ヴォクセルパターン分析(MVPA)が近年急速に普及し、進化を遂げつつある。この論文は、意味処理、言語切替をターゲットに、赤間研を中心とするMVPA研究をまとめ、この分野全体を俯瞰し、さらにここ1、2年の劇的な展開もフォローしたreview論文である。
Hiroyuki Akama, Maki Miyake, Jaeyoung Jung, Brian Murphy, 2015. Using Graph Components Derived from an Associative Concept Dictionary to Predict fMRI Neural Activation Patterns that Represent the Meaning of Nouns, PLoS ONE
doi: https://doi.org/10.1371/journal.pone.0125725
<概要>
複雑ネットワーク上の2つの点の間の距離指標として、測地的情報と共起的情報を融合したMiF(Markov inverse F-measure; マルコフ逆F尺度)という計算法を新たに提案し、それを連想概念辞書から抽出した意味ネットワークに適用したところ、言語コーパスとしてきわめて小さなデータサイズにもかかわらず、MiF距離行列を用いると、Mitchell(2008)によるfMRIデータの機械学習モデルを改良でき、単語に関する連想タスクを行う脳の反応を有意な精度で予測することができることが判明した。
本論文はかつて東京工業大学のトップページ(研究最前線)から「連想辞書情報から脳の反応を予測する―グラフ指標MiFをfMRIデータ解析に導入―」として紹介されました。
Miaomei Lei, Hiroyuki Akama, Brian Murphy, 2014. Neural basis of language switching in the brain: fMRI evidence from Korean-Chinese early bilinguals. Brain and language, Elsevier, 2014, 138.
doi: https://doi.org/10.1016/j.bandl.2014.08.009
<概要>
本国際学術雑誌論文は、機能的磁気共鳴画像法(fMRI)装置を利用し、脳神経の反応を非侵襲的に撮像し、そのデータを一般線形モデルと機械学習を併用して解析することで、言語切替の神経基盤を明らかにしたものである。特に、朝鮮族のバイリンガル話者が第一母語と第二母語を切り替える際の脳反応として、実行調節や言語活動に固有の重要な脳部位が幅広く分布することを明らかにし、バイリンガルにおける紡錘状回の役割などをクローズアップしつつ、Duffauらの脳内ネットワークモデル、すなわちホドロジカルモデルを支持する知見をもたらした。
Hiroyuki Akama, Brian Murphy, Lei Miao Mei, Massimo Poesio, 2014. Cross-participant Modelling Based on Joint or Disjoint Feature Selection: An fMRI Conceptual Decoding Study, Applied Informatics, Springer,
doi: https://doi.org/10.1186/2196-0089-1-1
<概要>
機能的磁気共鳴画像法(fMRI)装置を利用し、脳神経の反応データを機械学習にかけて、脳が何を考えているか予測分類モデルを構築する方法は、多変量パターン分析と呼ばれる。しかし、この方法では、脳の個体差もあり、異なる個人間で精度の高いモデルを計算することが困難である。本国際学術雑誌論文では、その問題を克服するため、個人のデータを素性選択用と交差検証用に分割し、素性選択用のデータからのみヴォクセル(脳画像の厚み付き画素)を選択し、他の個人を訓練例にして機械学習を行った結果、横断的な被験者「間」脳反応解読モデルの精度向上に成功した。
Hiroyuki Akama, Brian Murphy, Li Na, Yumiko Shimizu, Massimo Poesio, 2012. Decoding Semantics across fMRI sessions with Different Stimulus Modalities: A practical MVPA Study, Frontiers in Neuroinformatics,
doi: https://doi.org/10.3389/fninf.2012.00024
<概要>
本国際学術雑誌論文は機能的磁気共鳴画像法(fMRI)装置を利用した神経科学における多変量パターン分析の事後解析法を提案している。fMRI実験参加者に与えた対象の典型的属性・印象を想起させ、実験参加者が考えている内容を予測するという解読モデルを構築して、高度に有意な分類精度を得た。また意味処理においては、脳の様々な部位が連動的に関与し分散表象を形成していること、またタスク方略の違いから来る個人差も大きいことを鑑み、機械学習の事後分析として時空間で探索的にモデリングする方法を提案した。特にボールド(BOLD)データを採取するボックスカー(boxcar)の設定を網羅し、時間的位置を刺激開始後0~20秒にずらしながら、そのつど機械学習の精度を計算すると(時間的な幅は繰り返し時間(Repetition time)に固定)、精度関数は、規範的な血流動態反応函数と全く相同なガンマ関数で表されることを発見した。
Hiroyuki Akama, Cabanis(Pierre-Jean-Georges), Dictionnaire de la Mort (Sous la direction de Philippe Di Folco), Larousse, France, 2010, p.165-167
<概要>
フランスで出版された本著書(フランス語で執筆)のうちこの章は、フランス革命以降、医学哲学に名をとどめた、ピエール=ジャン=ジョルジュ・カバニスという医師、政治家、哲学者の業績を扱ったものである。カバニスは、脳に関する唯物論的思考で知られており、その著作は、脳科学における論理と倫理を考える上で、知られざる古典的としての存在意義を持ち続けている。(現代脳科学を概説として紹介する場合(特に言語中枢を取り上げる場合)、『カンデル神経科学』の第一章にもあるように、19世紀の歴史的脳科学まで概論として立ち戻るのが常道である。)
Yoshiaki Someya, Hiroyuki Akama, Acupuncture modulates functional connectivity of the brain: generating a small-world network in swallowing-related areas, Japanese Acupuncture and Moxibustion (JAM), 2018;Vol.14(1):1-7.
<概要>
誤嚥性肺炎が死亡率で大きな割合を占める現在、嚥下障害の治療法の確立が求められている。そうした背景において、本研究はあくまでパイロットスタディではあるが、fMRIを利用し、嚥下を司る脳領域の機能的連結性に鍼灸が影響を及ぼすことを示したものである。本論文は日本鍼灸学会令和元年の高木賞を受賞した。
その他、CogSciなどの国際会議でメンバーズ・ポスター発表を行うなどしております。