第29回佐賀県理学療法士会学会は当初2021年1月に対面形式での開催を予定しておりましたが、新型コロナウィルス感染拡大の影響により延期させて頂いておりました。延期期間中実施方法を再考し、今回ようやくWEB学会として開催準備が整いました。学会開催に当たり学会長として一言ご挨拶を申し上げます。
私たちは、団塊の世代が75歳以上となり後期高齢者数のピークを迎える2025年問題、更に第2次ベビーブーム世代が65歳以上となり少子高齢化だけでなく、生産年齢層の減少と多死社会による人口減少が危惧されている2040年問題を迎えます。
高齢化が進むことにより、私たち理学療法士の対象は障害の重度化、重複障害、ターミナルなど改善が困難な対象者が増えていきます。現在の理学療法士は病期別・疾患別の点で対象者を捉え、線で経過を見ていくことが難しい状況にあります。
そこで本学会のテーマを全人間的復権への懸け橋、サブテーマを生きる・暮らし・人生の「さいこう」としました。「さいこう」には「再考」「再興」「最高」を意味し、対象者個々のライフステージにおける問題に対し、我々理学療法士が生活を「再考」「再興」し、対象者の「最高」に寄り添う存在でありたいという思いであります。そして、その根源はリハビリテーションであり全人間的復権であると考えます。対象者の生きる・暮らし・人生のライフステージの中で全人間的復権の懸け橋を理学療法士は架けることができるか?そのためには何が必要かを考える学会にしたいと思っております。
今回はこれまでの学会とは全く異なる形式での開催方法となります。期待と不安の中、中部広域部準備委員一同、会員の皆様にとって実り多き学会になりますよう準備を進めております。多くの会員の皆様のご参加を心よりお待ちしております。
2021年1月吉日
第29回佐賀県理学療法士会学会
学会長 大川内直木
(JCHO佐賀中部病院附属介護老人保健施設)