人類がペニシリンなどの抗生物質を手に入れたことで様々な細菌(バクテリア)感染症を抑制してきました。しかし、バクテリアは抗生物質に対する耐性を獲得し、抗生物質存在下でも生存できるようになりました。その結果、複数の抗生物質に対する耐性をもつ多剤耐性菌が出現しました。2050年には多剤耐性菌による感染症の死者数が、現在の癌による死者数を超え、世界で1,000万人に達するとの試算もあります。このように多剤耐性菌による出現とそれによる感染症は世界的な社会問題となっています。
ペニシリンをはじめとする多くの抗生物質は、バクテリアの生存に必須の構造体である「細胞壁」合成経路を標的としています。バクテリアはこの細胞壁の合成・分解・修復を正しく行い、その品質管理を行っているのです。一方で、バクテリアが生存するために必須の細胞壁ですが、ヒトの体内環境を含めて、ある条件下では細胞壁がなくなっても生存できる術をもっています。一見、矛盾しているように見えますが、バクテリアは自身が生存するために様々な戦略を駆使しているのです。私たちは、バクテリアの細胞壁品質管理機構、および細胞壁に依存しない生存状態などを分子レベルで解明し、バクテリアの生存戦略を「細胞壁」をキーワードに明らかにしようとしています。私たちの研究は多剤耐性菌や細菌感染症などの社会問題にもアプローチしていくものです。
社会では、自ら課題を発見し、それを解決していく能力、そしてそれらを発信する能力が求められます。研究とは、自分自身で課題を見つけ、実験によりそれらを明らかにしていくことの繰り返しです。そして、研究成果(データ)は、卒研生や大学院生でも研究会や学会で発表するチャンスがあります。研究室のミーティングでも活発な議論を行います。研究室での様々な経験を通して、社会で必要とされる様々な力も向上していきます。
私たちの研究に興味をもつ学部生、大学院生はいつでも研究室に見学に来てください。研究に興味を持ってくれた高校生からのコンタクトも大歓迎です。
2025/10/17 第108回日本細菌学会関東支部総会@前橋で秋山さんが口頭発表しました。
2025/6/12-13 第21回21世紀大腸菌研究会@富山で、M1尾澤さん、小松さん、西川さん、M2難波さん、助教秋山さんがポスター発表しました。尾澤さんが、ポスター発表優秀賞を受賞しました!
2025/5/24 第52回日本マイコプラズマ学会学術集会@倉敷で、塩見が口頭発表しました。
2025/4/15 2025年度新歓をしました。
2025/4/1 助教として秋山光市郎さんが着任されました。
2025/3/31 笠井さんが4/1から大阪公立大学に転出のため、退職されました。
2025/3/3 笠井さんらの論文が、Journal of Biological Chemistry で公開されました。
2025/3/1 2024年度追いコンをしました。
2025/2/27 宮崎大学医学部で大学院生向けセミナーを行いました。
2025/2/18 大学院博士課程前期課程業績報告会で遠山さんが最優秀発表賞を受賞しました。
2024/12/14 細菌学会関東支部会@法政大学市ヶ谷キャンパスで清水さんが口頭発表しました。
2024/12/05 林さん・高岡さんらの論文を大学HPなどでプレスリリースを行いました。
2024/11/26 PDとして在籍した林匡史さん、学部卒業生高岡ちぐささんらの論文がCommunications Biologyで公開されました。
2024/10/17 笠井さんのSpiroplasma FtsZの解析に関する論文をbioRxiv https://www.biorxiv.org/content/10.1101/2024.10.15.618391v1 で公開しました。
2024/8/7-9 第97回日本細菌学会総会@札幌で笠井さん(選抜ワークショップ+ポスター)、清水さん(ポスター)、藤田さん(ポスター)が発表しました。
2024/6/17-19 第20回21世紀大腸菌研究会@宮崎で遠山さんが口頭発表しました。塩見が宮崎大・塩田先生とともに世話人を務めました。
2024/5/27 電通大の中根大介先生に、大学院講義・セミナーに来て頂きました。
2024/5/14-17 EMBO workshop "Archaeal and bacterial cell division, Beyond the Z-ring" @ポルトガル・アルコバサで塩見がポスター発表しました。
2024/4/4 大隅財団 微生物コンソーシアム定例会で塩見が口頭発表しました。
2024/3/28-29 2023年度国立遺伝学研究所研究会「微生物の細胞複製システムから紐解く生命のデザイン」で笠井さんが口頭発表しました。
2024/3/23, 25 学部、大学院の卒業式が行われました。
2024/3/18~19 生物の基礎探究会@東大で塩見が口頭発表しました。
2024/3/12~14 第18回日本ゲノム微生物学会年会で笠井さんがポスター発表しました。
2024/3/9 研究室11周年記念会を開催しました。
2024/2/17 大学院博士課程前期課程業績報告会で阿蒜さんが優秀発表賞を受賞しました。
2024/1/1 農芸化学会の「化学と生物」で解説記事「細菌の新奇生存戦略:L-form」が公開されました。
2023/9/26 卒業生の阿合理沙さん(筆頭著者)、山口穂野香さん、近田大基さん、助教の笠井さんが著者の論文がMicrobiologyOpenにアクセプトされました。
2023/6/29-30 第19回21世紀大腸菌研究会(鶴岡)で、遠山さん(口頭)、笠井さん(ポスター)、林さん(ポスター)、阿蒜さん(ポスター)、鳥居さん(ポスター)が発表しました。遠山さんが口頭発表賞を受賞しました!
2023/3/30-31 2022年度遺伝研研究会で塩見が口頭発表しました。
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2021年度オープンキャンパス(オンライン)での研究室紹介です。