イベント報告

2024. 3. 25 (月) 2023年度異文化コミュニケーション学部学位授与式&2023年度卒業生と2022年度卒業生が研究室来訪!

 立教大学池袋キャンパスのマキムホール(15号館)にて、10:30から12:00にかけて異文化コミュニケーション学部の学位授与式が開催されました。入学時にコロナ禍で様々な困難を乗り越えた卒業生たちが学位記を受け取る晴れ姿には感慨深いものがありました。卒業式後は、ゼミメンバーから担当教員(石黒)へ花束の贈呈があり(花束を選んでくださったゼミ長の佐々木さん[集合写真・後列左から二人目]、ありがとうございました)、その後、メンバー全員で集合写真(写真上段)を撮りました卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます!

 また、午後には、2023年度卒業生4名(写真中段:横井さん[左上]、竹田さん[左下]、高橋さん[右下]、山内さん[右上])が研究室を来訪し、ゼミ長の横井さんから石黒へ記念品(素敵なネーム入りのボールペン)が贈られました。2023年度ゼミメンバーの皆さん、花束と記念品をお贈りいただき、誠にありがとうござました!

 その後、コロナ禍の影響で卒業が遅れた同級生をお祝いに来ていた2022年度の卒業生3名(写真下段:石井さん[左]、大久保さん[中央]、高梨さん[右])も研究室を来訪しました。懐かしい思い出や卒業後の様子等について1時間以上お話ができ、楽しい一時を過ごすことができました。新旧ゼミメンバーの皆さん、ありがとうございました!

2024.1.22(月) 2023年度(3・4年生合同)集合!

最終授業日に出席できたメンバーで集合写真を撮りました。

2024.1.22(月) 研究テーマ発表(3年生)&卒論発表会(4年生)第三弾!(発表者9名)@立教大学池袋キャンパス

 2023年度の授業最終日に、第3回目の研究テーマ発表と卒論発表会を実施いたしました。

3年生の研究テーマは以下のとおりです:

・スタートアップ企業における企業規模拡大に伴って起こる組織コミュニケーションの変化(川上さん)

・在日中国人留学生異文化適応の過程で起きる問題の要因と解決策について(日影さん)

・理想的な異文化教育(*1)とそれが留学生に与える影響(塩﨑さん)

*1: 国内で受ける異文化教育ではなく、日本から海外へ学生が留学した先で留学中に受ける異文化教育を指しています。

実用的な異文化コミュニケーション能力を向上させるためのトレーニングメソッド(*2)及びプランの立案―科学的な知見をもとに―(櫻井さん)

*2: 近年、サッカーで注目されている、人びとの無意識に着目したVisceral Training と相似形の発想で異文化コミュニケーション能力育成を図るという斬新な研究です。

 4年生の卒論発表会では、外国籍の人との相互行為を経験する日本人の中で立ち上がるナショナル・アイデンティティについて論じたもの(丸山さん)、日本の義務教育において、異文化及び多文化教育を行う際に、美術が有用であることを構成主義的視点から論じたもの(山内那由多さん)、近年、流行し、大学生が就活等において自己の性格を診断するツールとなっているMBTIを用いて、自身を「外向的」あるいは「内向的」と認識している大学生たちのSNSのコミュニケーションと対面のそれの傾向について論じたもの(山内もかさん)、技能実習生が抱える職場内でのコミュニケーション問題の現状と原因を示し、日本語教育の観点から提言を示したもの(向井さん)、そして、日本企業における社内英語公用語化の影響と社内コミュニケーションの変化について、楽天のケース分析を通じてその是非を論じ、かつ、近い将来就職する大学生へのアンケート調査を通じて英語公用語化の将来について考察したもの(下條さん)といった5つの研究が発表されました。短い時間でしたが、各発表の後にあった質疑応答は有意義なものでした。


2024.1.15(月) 研究テーマ発表(3年生)&卒論発表会(4年生)第二弾!(発表者8名)@立教大学池袋キャンパス

 新年を迎え、第2回目の研究テーマ発表と卒論発表会を実施いたしました。

まず、3年生の研究テーマ発表では、以下のようなテーマが示されました:

・日本のグローバル企業におけるリーダーの在り方―文化的差異に焦点を当てて— (武田さん:3年生共同ゼミ長)

OriHimeユーザーライフストーリー対話論の視点からー (日馬さん)

・日本の外資企業においてバーチャルチームの円滑な多文化協働・運営に携わる外国人リーダーの職場経験と認知的志向について(窪さん:3年生共同ゼミ長)

国際医療NGO活動におけるアクター間のミスコミュニケーションの要因と予防策 (渥美さん)

これから対象を明確化したり、テーマの焦点をさらに絞ったりするなど、今後検討を重ねていくものですが、とても興味深い研究テーマ発表でした。3年生はわかりやすく発表され、それに対して4年生から示唆に富んだコメントがなされ、良い発表セッションとなりました!

 4年生の卒論発表会で示された研究のテーマは以下のとおりです:

・「異文化理解力」や「異文化コミュニケーション能力」を育むための教育方法―義務教育課程で修得すべき考え方やスキルを中心に― (竹田さん)

航空安全に関する異職種間のコミュニケーションーヒューマンエラーを低減する取り組みを中心に―(佐々木さん:4年生共同ゼミ長)

多文化組織において日本人リーダーと異文化出身フォロワーが相互に行う対等な関係づけとは—自律型組織を生み出すシェアド・リーダーシップの視点から― (横井さん:4年生共同ゼミ長)

・日本におけるベジタリアン学生自分らしく生きる社会実現の関連性—ドイツのベジタリアン学生から見える社会認識の違い— (石井さん)

 4年生は、12月に提出した卒業論文の内容を発表しました。4つとのも重要なトピックで、竹田さんは、アンケートと事例研究に基づき、義務教育段階で必要なダイバーシティ教育について論じられ、佐々木さんは、航空機の運航にかかわる様々なアクター間のコミュニケーションで重要なポイントをインタビューで明らかにされ、横井さんは、マレーシア駐在経験がある日本人マネジャーにインタビューを実施し、仕事で必要な言語・非言語スキルを例証され、最後に、石井さんは、ベジタリアンが置かれた状況を日独社会間の比較をしながら明らかにし、ベジタリアンが尊重されるような(異文化)コミュニケーションの在り方についてエポケーやエンパシーといった概念を交えて述べられました。

2023.12.18(月) 研究テーマ発表(3年生)&卒論発表会(4年生)第一弾!(発表者8名)@立教大学池袋キャンパス

 本年度の異文化コミュニケーション学ゼミも残り3週となり、その3週で実施する3年生の「研究テーマ発表」と4年生の「卒論発表会」の第1弾を実施いたしました。この日は、3年生4名(古川さん、庭田さん、傳さん、松澤さん)、4年生4名(今田さん、高橋さん、宋さん、櫻澤さん)が発表しました。

 3年生の研究テーマ発表では、発表者の皆さんが、「エンゲージメント」(古川さん)、「組織アイデンティティ」(庭田さん)、「マイクロアグレッション」(傳さん)、「ネゴシエーションスタイル」(松澤さん)といったそれぞれの研究を方向付けるキーワードを示されました。また、研究の背景、目的、先行研究、今後の取り組みなどがバランスよく提示されており、素晴らしかったです。先に行われた発表内容と絡めて自身の研究について述べる場面などもあり、皆さん、丸暗記ではなく、自分の言葉で考えながら発表されていたのが印象的でした!今後は、期末レポートに向けて、先行文献研究をさらに進めながら、テーマや調査対象を絞っていって、研究の目的をさらに明確なものにしていきましょう!

 4年生の卒論発表では、図や表を用いて研究内容の要点を巧みかつ明確に整理したり(今田さん、高橋さん、宋さん)、ライフストーリーの要点を簡潔にまとめて示したりと(櫻澤さん)、卒業論文に取り組んだ成果が十分に見てとれました!発表者自身がそれぞれのテーマについて研究に基づくまとまった考えを持っていることがわかる良い発表でした。4年生の発表者の中にも、3年生の発表内容に言及したり、4年生の同僚の研究や9月に卒業した先輩の大久保さんによる研究の内容にも触れる方もおり、彼ら彼女らの臨機応変さは「さすがだ」と思いました!

 また、今回は、4月から参加されるゼミ生も見学に来て良い研究発表会となりました(以下は発表者の集合写真:左側4年生、右側3年生)。年明けの次回第2弾でも、3年生4名、4年生4名が発表します!

2023. 12. 11(月)~13(水)@立教大学池袋キャンパス

2023年度4年生による卒業論文の提出!

4年生13名が卒業論文を無事に提出いたしました!4年生の皆さん、ご提出おめでとうございます!

以下にタイトルを紹介します:

・働きやすい職場環境を実現するリーダーシップ・フォロワーシップの在り方 ──変革型リーダーシップの視点から──

 

・多文化組織において日本人リーダーと異文化出身フォロワーが相互に行う対等な関係づけとは ──自律型組織を生み出すシェアド・リーダーシップの視点から──

 

・航空安全に携わる異職種間のコミュニケーション ──ヒューマン・エラーを低減する取り組みを中心に──

 

・日本企業における社会英語公用語化の影響と社内コミュニケーションの変化 ──楽天のケース分析とアンケート調査を通じて──

 

・ 「異文化理解力」や「異文化コミュニケーション能力」を育むための教育方法 ──義務教育課程で修得すべき考え方やスキルを中心に──

 

・コミュニケーション相手のナショナリティと日本人のナショナル・アイデンティティの関係性に関する分析

 

・日 本 の 義 務 教 育 での 異 文 化 及 び 多 文 化 教 育 に お ける美術の有用性について ──構成主義的視点から──

 

・日本の大学に求められるリーダーシップ教育のかたち ──シェアド・リーダーシップに基づく受講成果分析を通して──

 

 ・技能実習生が抱える職場内でのコミュニケーション問題 ──日本語教育の観点とそこからのアプローチについて──

 

・日本 アイドルの海外進出促進に必要な戦略 とは ── K- P O P の 成 功 事 例 と の 比 較 分 析──

 

・LGBT当事者教員の必要性について問う ──異文化感受性発達モデルを軸に考察する──

 

・日本におけるベジタリアン学生と自分らしく生きる社会実現の関連性 ──ドイツのベジタリアン学生から見える社会認識の違いを通して──

 

・MBTIの外向性と内向性 ──大学生のSNSとリアルでの性格差異──

 

2023. 11. 16(木)18:00~19:45 @立教大学池袋キャンパス

Study Session 2: Dialogue with Dr. Milton Bennett over Intercultural Communication Research

11/10のStudy Session1に引き続き、ミルトン・ベネット先生が構成主義の観点から捉えられる異文化コミュニケーションについて短い講義をされたあと、ベネット先生と参加者間で対話を行いました。次から次へと質問が出る中で、常に必ず構成主義の観点から丁寧に質問に答えられ、それがさらなる質問につながる、というダイナミックなやりとりが続きました。ハイライトの一つは、第三の文化空間(a third culture space)の話のなかで、本学教員の神戸直樹先生が多文化が交錯する場の倫理についてどのように考えれば良いかと問われた際に、ベネット先生は、構成主義の立場から絶対的な善のようなものは想定できず、参与者がそれぞれメタ意識meta-consciousnessを持ちつつ、文化間の差異をメタ・コーディネート(meta-coordinateしながら、多文化間倫理を共創(co-create)していく形になるという応答をされました。繰り返される争いを避け、持続可能な社会としていくうえで必要な倫理的スタンスを共に作っていく、ということでした。多文化間でやりとりをしながら何かを共創していくという点では、異文化コミュニケーションを学ぶことは重要で、とくに「あたりまえ」に自他を線引きする営みをメタレベルから自覚的かつ動的に捉え、他者と新たな関係性を生成することを助ける構成主義に基づく異文化コミュニケーションは必要であると改めて思い至りました。ベネット先生、参加者のみなさん、誠にありがとうございました!

2023.11.13(月)10:45~12:25 @立教大学池袋キャンパス

A Special Session  : Dialogue with Dr. Milton Bennett over Intercultural Communication Research

異文化コミュニケーション学ゼミナール(第7回)では、異文化コミュニケーションを扱う分野で世界的に著名なミルトン・ベネット先生をお招きし、ゼミ・メンバーが取り組んでいる個別研究について各人が英語で説明し、ベネット先生にコメントをしていただくという特別セッションを実施しました。たとえば、ゼミ・メンバーの櫻澤さんがベネット先生の異文化感受性発達モデル(DMIS)をLGBTQ研究の応用することを説明した際に、その応用法についてベネット先生から好意的なコメントもいただきました。ゼミ・メンバーは、ベネット先生とやりとりをする中で、自身が取り組む研究の重要性、無自覚に前提にしている考え方(たとえば、「マイノリティ当事者がマイノリティの支援をすればうまくいくはず」といった前提等)、新たな視点(generalization ≠ stereotypes, aesthetic empahty等)、諸研究に通底するキーワード(相互適応/mutual adaptation, shared leadership等)を認識する貴重な機会を得ました。ベネット先生に自身の研究内容を伝えようとするゼミ・メンバーたちの奮闘ぶりは素晴らしかったです!また、ベネット先生が短い時間で個々の研究内容を理解され、的確かつ示唆的なコメントをされていた点は見事でした。

2023.11.11(土)9:40~11:30 @代々木オリンピックセンター

異文化コミュニケーション学会年次大会におけるワークショップの実施

異文化コミュニケーション学会(SIETAR Japan)にて、本ゼミ担当者の石黒が、ミルトン・ベネット先生(IDR Institute)と山本志都先生(東海大学)と一緒に110分間のワークショップ(What is "Integration" in the DMIS?)を実施しました。まず、石黒が全体のワークショップの目的(誤解されたり、理解が難しいと言われたりすることがある異文化感受性発達モデル(DMIS)の統合(Integration)について、講義やグループでのディスカッションを通して理解を深めること)と流れを説明しました。その後、ベネット先生がDMISと統合について哲学的背景である知覚構成主義(Perceptual Constructivism) を踏まえて説明され、さらに、山本先生が統合のキーワードと言えるリミナリティ(liminality: 境界性)について具体例を交えて詳説され、最後、石黒がグループワークを入れつつ、統合を多文化チームという具体的なコンテクストで考える機会を提供しました。グループワークでは、参加者が活発に議論をしてくださり、統合に関するプロセスを具体的な事例と共に考え、理解することができました!

2023.11.10(金)17:10~18:50 @立教大学池袋キャンパス

Study Session : Dialogue with Dr. Milton Bennett over Intercultural Communication Research

前日(11・9)の公開講演会に参加した学内外の教員、院生、学部生で少人数の研究会を行いました。冒頭で、ベネット先生が講演会の内容を振り返ってコメントをされ、その後、参加者が自身の研究テーマを中心に自己紹介をしました。ベネット先生が一人ひとりの参加者の研究テーマについてコメントをする形で進め、その後、講演内容について質疑応答を行いました。参加された立教大学名誉教授の鳥飼玖美子先生からは、ベネット先生が提示されたmeta-consciousnessとmeta-cognitionの違いについてご質問があり、ベネット先生が黒板に図を書きながら説明された一幕もありました(写真右)。講演の内容をさらに深く理解するうえで助けとなる充実した研究会となりました!参加した学部生、大学院生もベネット先生と交流する貴重な経験を得て、さらなる学びへのモチベーションを大いに高める機会となったようです。

2023.11.9(木)18:00~19:30 @立教大学池袋キャンパス

ミルトン・ベネット先生による公開講演会 "Constructivist Approach to Intercultural Communication"の開催

異文化コミュニケーション学において「異文化感受性発達モデル」(the Develomental Model of Intercultural Sensitivity)で著名なミルトン・ベネット(Milton Bennett)先生が、異文化コミュニケーション学部主催の公開講演会にて、ご講演されました。講演では、異文化コミュニケーション摩擦につながりうる実証主義や相対主義の限界を超えるための哲学的立場である知覚構成主義Perceptual Constructivism)について講演をされました。ベネット先生(写真右)の熱のこもった講義のあと、終了時間まで参加者から興味深い質問がなされ、ベネット先生が応答されました。講演会修了後も多くの方が会場に残ってベネット先生とお話されていました。

今回、講演会の実施にあたって、立教大学大学院異文化コミュニケーション研究科博士後期課程の平野さんと杉原さん、そして異文化コミュニケーション学部石黒ゼミのゼミ長である窪さん、武田さんにはボランティアとして準備と運営を手伝っていただきました。皆さんの素晴らしい働きのおかげで、スムーズに会を実施できました。本当にありがとうございました。また、異文化コミュニケーション学ゼミナールのゼミメンバーも3年生を中心に多く参加しました!質疑応答の際に、観ることができたゼミメンバーたちの真剣な表情は素晴らしかったです。皆さん、ご参加いただき、ありがとうございました!

2023. 9.29(金)~30(土)@三浦海岸

4年生ゼミ合宿の実施

神奈川県の三浦海岸駅近くにある施設にて、ゼミ合宿を開催いたしました。今回は、卒論に取り組んでいる4年生12名と大学院の平野さんが参加しました。初日は、5時間半に及ぶ個人研究の発表会を実施しました。それぞれの研究発表後、質疑応答を行い、研究を発展させるための批判的かつ建設的なフィードバックを行う機会となりました。メンバー間のやりとりに加え、教員(石黒)ならびに大学院生の平野さんのコメントもあり、4年生の皆さんは大変刺激を受けた様子でした。研究発表会の後は、座敷で歓談しながら美味しいお食事をいただき、友好を深めました。翌日は、朝から近くの砂浜へ行き、青空の下、前日の研究発表会、合宿全体について振り返り、12月中旬提出の卒論作成に関する豊富を述べあいました。充実したゼミ合宿となりました。まずは11月の卒論仮提出、そして12月の本提出に向けてがんばりましょう!

2023.9.26(月)@立教池袋キャンパス

秋学期初日・新メンバーの参加

新しく12名のゼミ生(3年生)が加わりました。新メンバーの研究関心は多様で、多国籍企業における交渉スタイル、多国籍企業における日本人のコミュニケーション、パワー・ディスタンスの観点で文化差があるメンバーが同一組織に所属する場合の待遇コミュニケーション、多国籍企業で働く日本人社員の理想的なふるまい、企業におけるディサビリティとコミュニケーション、日本国内にある多文化組織としての英語教室におけるトラブル回避のためのコミュニケーション、日本で働く外国人労働者に対する教育、国際医療NGO活動におけるアクター間のミスコミュニケーション、多文化組織における対話の可能性とその限界、組織における日本的対人コミュニケーション、といった研究トピックに関心をもっている。大学院生や留学中のメンバーを加えて、総勢28名となりました。初回のゼミでは、様々な興味関心、経験を持ったメンバー同士が早速相互に刺激を与えている様子が観察され、素晴らしい初日となりました。個性豊かなメンバーが揃い、これからのゼミ活動が楽しみです。

2023.9. 19 (火)@立教大学池袋キャンパス

9月卒業者の学位授与式

本ゼミ・メンバーの大久保さんが学位授与式に出席されました!大久保さん、ご卒業、誠におめでとうございます!卒業論文では、リーダーシップ研究のLMX(Leader-Member Exchange)理論に着目され、複数の関連研究を整理、接合してご自身のモデルを構築され、興味深い研究成果を示されました。後輩にもLMXの研究に言及する人が出てきており、大久保さんの影響が見てとれます。ゼミ担当者である石黒が立教大学に着任し、初めて担当した2名のゼミ生のうちのお一人が大久保さんでした。当時は研究室を使って3人でゼミを実施していました。今では多くのゼミ生がいますので、その時期は懐かしい思い出となっています。コロナの渦中において予定していた留学の時期が遅れるなど様々な困難に直面しながらも、それを見事に乗り越えられました。入社されるグローバル企業での今後のご活躍をお祈りしています!

2023.9.14(木)@立教大学池袋キャンパス

多文化関係学会第22回年次大会・基調講演のふりかえり

多文化関係学会第22回年次大会にて、基調講演「地域社会にいきる日本語教育のかたち── 異分野をつなぐ協働の実践── 」をお願いした神吉宇一先生(武蔵野大学)が研究室に来訪されました。ゼミ担当者(石黒)と博士後期課程の平野さんでお迎えし、基調講演をふりかえりながら、神吉先生のご講演内容についてディスカッションをしました。ディスカッションでは、「理論/実践」「理想/現実」といった二元論的思考/カテゴリーを見直して、「過程」「中間領域」へまなざしを向けることが大切だと再認識しました。たとえば、目の前にある現象を2つのカテゴリーで単純化して評価するのではなく、「過程」や「中間領域」に着目し、そこで何が共同生成されているのか、また、どのようなことができるか、と考えることで、モノゴトを良い方向に進めていくことができる可能性が高まるのではないか、と。ここでは、異文化コミュニケーション学を通して培われる既存のカテゴリーを相対化する力多面的思考が役立つと思います。ディスカッションを通じて、もう一つ考えたことは、領域を超えてコミュニケーションを取る「領域横断的コミュニケーション能力」です。これも、各領域で「あたりまえ」のカテゴリーを他領域の人びとにわかるように説明したり、見直したり、作り変えたりしながら、メタな視点から領域間を仲介する能力が必要です。知覚構成主義に基づく異文化コミュニケーション学を提唱されているミルトン・ベネット先生がいうところの「メタコーディネーション」(meta-coordination)ですね。多様化が進む現代社会において、さまざまな異(領域・分野)と協働する異文化コミュニケーターが本ゼミで育成できればいいと思っています。院生の平野さんは、英語教育と日本語教育に通底する問題について説明するなど、領域横断的コミュニケーションを実践していました!神吉先生のおかげで素晴らしい時間となりました。誠にありがとうございました!                   (写真:左から神吉先生、石黒、平野さん)



2023.9.9(日)@北九州国際会議場(開催校:北九州市立大学)

多文化関係学会第22回年次大会(Japan Society for Multicultural Relations)

ゼミ担当者(石黒)が、北九州国際会議場で開催された「多文化関係学会第22回年次大会」にて、研究発表をしてきました。日本企業に存立する「多文化ヴァーチャル・チーム」の日本人リーダーの思考プロセスを理解するために構築したモデルを紹介しました。多文化ヴァーチャル・チームというのは、オンラインでのコミュニケーションを柱に世界各地のメンバーと仕事をするチームのことです。発表の質疑応答やその後に、複数の先生方から、企業の多文化ヴァーチャル・チームではない文脈でも活かせるのではないかと言われ、モデルの転用可能性について考えさせられました。また、モデルで示されたいくつかの認知傾向は、リーダーたちの日本文化的な特徴の裏返しではないか、という鋭いご指摘もいただきました。ご指摘に感謝いたします。 

なお、ゼミ・メンバーの平野さん(博士後期課程2年)も、多くの来場者の前で「外国語教育分野における日本国内の異文化コミュニケーション能力研究の動向 」というタイトルで研究成果を発表され、多くの参加者を集めました!参加した先生方から貴重な質問・コメントをいただき、研究を進展させるヒントを得られたとのことでした。残念ながら、ゼミ担当者(石黒)とは別室での発表であったため、平野さんが発表中の写真が撮れませんでしたが、雰囲気を掴んでもらうために、発表中の石黒(左)、関東地区交流会(真ん中)、そして「縁側」知セッション(右)の写真を以下に示します。真ん中、右の写真には平野さんが写っています。



2023. 9. 3(日)@東洋大学(白山キャンパス)

SIETAR Japan(Society for Intercultural Education, Training, and Research, Japan) Workshop

異文化コミュニケーション教育の新たな出発点:あいまい、あやふやになっているところを整理する

講師:Milton Bennett・山本志都・石黒武人 

ワークショップ概要:異文化コミュニケーション教育の中であいまいなまま過ごしていて気になっているところなどを整理するワークショップにしたいと考えています。たとえば異文化コミュニケーションにおけるSimilarity basedDifference based のアプローチをどう考えるかについてです。かつてゴールデン・ルール(共通点ベースのシンパシー)プラチナ・ルール(違いに基づくエンパシー)の著書もあるミルトン・ベネット博士はこの問題を今はどう考えているのでしょうか。最後に、これまで3回を通して私たちが考えてきたことを学習者に伝えるためには、どんな風に教材化できるかについてみなさんで考えます。(当イベントの案内より転載)

所感:異文化感受性発達モデル(the Developmental Model of Intercultural Sensitivity, DMIS)等で世界的に著名な異文化コミュニケーションの専門家であるミルトン・ベネット先生、『異文化コミュニケーション・トレーニング』の筆頭著者である山本志都先生とご一緒に、異文化コミュニケーション学会(SIETAR Japan)の研究会で、二言語併用ワークショップのファシリテーターを務めました。知覚構成主義(perceptual constructivism)の立場から、異文化間コミュニケーションにアプローチするために必要な考え方について、2冊のテキストを参照しながらお話しました。参照したテキストは、『 異文化コミュニケーション・トレーニング』(三修社)と Basic Concepts of Intercultural Communication (Intercultural Press)です。高コンテクスト文化/低コンテクスト文化といった文化一般のカテゴリーを知覚構成主義の立場からどのように扱うかといった興味深い内容について議論が展開されました。わたしは、実証主義、相対主義と対比させながら、知覚構成主義について説明をしました。参加者の方々がとても興味深い質問をしてくださり、おかげで素晴らしいワークショップとなりました。 


2023.7.15(日)@東海大学 品川(高輪)キャンパス

SIETAR Japan Workshop: 

「ステレオタイプを乗り越える:文化や社会的カテゴリーを用いることが不都合ではなくなる文脈を確立する」 

講師:山本志都・石黒武人・鈴木有香

ワークショップ概要:企業や大学における異文化トレーニングとファシリテーションの専門家である鈴木有香先生を中心にして行います。第5章の観測カテゴリー、第10章のコンテクスト・シフティング、第11章のステレオタイプなど、いくつかの章について、これらの章を授業で取り上げるための教材、問いかけ、対話のテーマなどを互いに持ち寄る企画です。知覚構成主義の立場で教材をつくり、実際にそれらを体験して、改善点等を考えます。 (当イベントの案内より転載)

所感:

7月15日に、学会の同僚たち(山本志都先生[東海大学]と鈴木有香先生[桜美林大学])と一緒に、異文化間教育・研修のための構成主義的アプローチを学ぶワークショップのファシリテーターを務めました。参加者の皆様がとても積極的で、ご自身のアイデアや経験を分かち合ってくださったおかげで、素晴らしいワークショップになりました。異文化コミュニケーション教育・研修を行う際に、共通点と差異についていかに扱えばよいか、マジョリティとマイノリティの関係やパワーの問題をどのように扱えばよいのか、といった諸論点が示され、相互のやりとりが活発で、われわれファシリテーターも含め、参加者の間で相互に影響を与えつつ現実や知識を共同構築し、再構築するような体験となりました。本当に楽しい時間でした!


2023.7.3 (月)@立教大学池袋キャンパス

2023年度春学期卒論発表会

ゼミメンバーの大久保さんが、北米の企業組織で日本人駐在員が職場のリーダーとして働くうえで必要な思考と行動について、リーダーシップ理論の一つであるLMX(Leader-Member Exchange)を主な切り口にして考察した内容を発表しました。とても落ち着いたトーンでわかりやすく発表され、質疑応答にも的確に答えていました!