2025年9月8日(月)~9月9日(火) ゼミ合宿@三浦海岸
今年も2日間に渡って、ゼミ合宿を実施いたしました。場所は、神奈川県三浦市にある三浦海岸駅近くの宿泊施設です。同日に、我々のゼミに加え、他にも4つの大学のゼミが合宿を実施していました。今回は、学部生13名、大学院生2名が参加しました。参加メンバーが相互に刺激を与えあい、学び合った充実した2日間となりました。秋学期提出の卒業論文と修士論文の作成に向けて、率直かつ建設的なコメントを相互にできるような関係性も築くことができました。月がきれいな浜辺での花火も良い思い出となりましたね。皆さん、本当にお疲れさまでした!
*なお、合宿に参加した共同ゼミ長のコメントと写真は、「ゼミ生の声」のコーナーをご覧ください。
2025年7月7日(月)、7月14日(月)10:45~12:25 卒業研究進捗報告
4年生のゼミ生が、研究進捗報告を行いました。全員がしっかりと準備をしてきて、聴きごたえのある良い研究発表をしてくれました。研究の背景(社会的背景・学術的背景)を述べ、そのうえで研究の課題を示し、リサーチクエスチョン/研究の目的を明示していました。先行研究も巧みに整理して示しており、今後の計画としてインタビューやアンケートなどの調査について言及しました。内容が興味深かっただけではなく、発表の仕方も堂々としていて、素晴らしいと思いました。ゼミメンバーから研究のさらなる発展につながる質問やコメントも寄せられ、充実した2日間となりました!4年生の皆さん、次は9月初旬のゼミ合宿です。それまでに研究を進め、12月の卒業論文提出に向けて着実に歩んでいきましょう!
2025.3.25(火)14:30~15:30 立教大学異文化コミュニケーション学部 卒業記念式 @マキムホール
異文化コミュニケーション学ゼミナールのメンバーが卒業論文ならびに口頭発表を経て、卒業いたしました。皆さん、ご卒業、誠におめでとうございます!例年もそうですが、本当に素晴らしいメンバーのおかげで、貴重な学びのプロセスを共同生成できました。専門的な論文の読解、その内容の発表とそれに続くディスカッション、各自の研究テーマ発表、研究進捗報告、ゼミ合宿(今年は大学院生2名も参加)、調査の実施、卒論の執筆、個別相談、卒論原稿への相互フィードバック、卒論の提出、卒論の口頭発表等さまざまな活動を通じて、面白さとご苦労がある中で研究を進めてきましたね。こうして少し振り返っても、本当によくがんばられました!
卒業記念式の会場では、立教・第3期共同ゼミ長の窪さんから素敵な花束をいただきました(写真上段中央*)。塩﨑さん・松井さんから記念品を(写真上段右)、岡野さんから寄せ書きをいただきました(写真上段左)。
ゼミ全体の良い集合写真が撮れました(写真中段)。
ゼミメンバーたちとも個別で写真を撮ることもできました(渥美さん [写真下段左]、日影さん [写真下段中央]、古川さん[写真下段右] 新しい写真が入手できたら、随時アップいたします)。
皆さん、異文化コミュニケーション学について学ぶと同時に、それぞれが意義ある個別テーマについて熱心に研究され、今後につながるような知を獲得されたと思います。これから新たな旅立ちをされる卒業生の皆さんのご健闘・ご活躍を心よりお祈りしております。そして、気が向いたら、異文化コミュニケーション学ゼミナールへ遊びに来てください!
*スマートフォンからご覧の方は、写真の配列は文章中の位置と合わないと思います。ご了承ください。
2025.3.13(木)12:30~17:30 多文化関係学会2024年度第2回関東地区研究会 @三浦海岸
本ゼミ担当者・石黒が、多文化関係学会の関東地区研究会に参加しました。各発表者が、研究方法を中心にした発表を15分行い、その後20分間質疑応答をする、というスタイルでした。石黒は「多文化ヴァーチャルチーム における日本人リーダーの 動的・多層的認知的志向性:女性リーダーの語りから生まれた問い」というテーマで発表をし、質的研究法のライフストーリー・インタビューのデータから日本人リーダーの思考プロセスに関するモデルを立ち上げた方法について述べました。さらに、昨年暮れにインタビューを実施した、未だ数が少ない多文化チームの女性マネジャーの「世界の人びとに貢献する」というヴィジョンに関する語りを示し、その語りから、モデルに追加できる認知的志向性について仮説を提示しました。量的研究の専門家などから質問やコメントをいただき、大変有意義な時間となりました。
なお、この研究会は、合宿型で、翌日の9:00~12:00は、CHA(Co-creating Horizontal Associations)会というカジュアルな学術イベントとセットで開催されました。CHA会では、上記の関東地区研究会に対面で参加していたメンバーに加え、オンライン参加のメンバーも加わり、「研究者のポジショニング」について、ブレイクアウトルームで議論をしました。他の参加者の語りを聴く中で、自身の研究者としてのポジショニングもより明確に理解できると同時に、異領域のメンバーから有益な情報を得ることができ、素晴らしい会となりました。この二日目のCHA会には、本ゼミ(大学院博士後期課程)の平野遼さんがオンライン参加され、ブレイクアウトルーム後の全体会でも積極的に発言をされ、素晴らしい活躍でした!
2025. 3. 10(月)15:00~17:00 異文化理解・異文化マネジメントセミナーでの講演と対話 @HIRAKU 01 IKEBUKURO SOCIAL DESIGN LIBRARY
本ゼミ担当者・石黒が、株式会社レトロモダンの齋藤社長とご一緒に、池袋駅東口近くにあるHIRAKU 01 IKEBUKURO SOCIAL DESIGN LIBRARY にて、「異文化理解・異文化マネジメントセミナー」を実施しました。当日は、HIRAKU 01 IKEBUKURO という、さまざまなコミュニティ・イベントが開催されているスタイリッシュな空間で、岩﨑様(株式会社マテックス)やその他担当者の方に司会や運営をしていただき、スムーズに実施できました。参加者の皆様からのご質問(例:「文化という括りで人を見ること自体に問題があるのではないか?」)も素晴らしく、大変貴重な機会をいただきました。齋藤社長や岩﨑様には深く感謝申し上げます。
概要(https://www.hiraku.community/post/yi-wen-hua-li-jie-manezimentosemina のサイトより):
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【無料セミナー】異文化理解で未来を拓く!マネジメントスキルを磨く特別講座
グローバル化が進む現代社会では、多様な価値観を理解し、効果的にマネジメントするスキルが求められています。
今回、HIRAKU 01 IKEBUKURO SOCIAL DESIGN LIBRARYと株式会社レトロモダンの共催で、「異文化理解・マネジメントセミナー」を開催します。
本セミナーでは、異文化コミュニケーションと組織コミュニケーションの専門家である立教大学 石黒武人教授をお迎えし、異文化の違いを理解しながら、実践的なマネジメントスキルの土台となる考え方を学びます。
多文化社会で活躍したい方、異文化の中でリーダーシップを発揮したい方に特におすすめです。
<開催概要>
テーマ:異文化理解・マネジメントセミナー
登壇者:立教大学 異文化コミュニケーション学部 石黒武人教授
日時:2025年3月10日(月)15:00~17:00
会場:HIRAKU 01 IKEBUKURO SOCIAL DESIGN LIBRARY
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開催レポートは以下のサイトからご覧になれます:
2025.2.20(木)12:00~16:00 多文化関係学会2024年度第1回関東地区研究会への参加 @オンライン
本ゼミ担当者・石黒が以下の学術イベントで、ディスカッションのファシリテーターを務めました。「縁側」知というキーワードを中心に、学会員・非会員を問わず、有意義な意見交換ができました。
【内容】 近年、多文化関係学会では、20周年記念事業として出版された『「縁側」知の生成にむけて:多文化関係学という場の潜在力』(明石書店)を中心にして、年次大会、地区研究会、CHA(Co-creating Horizontal Association) 会といった場で、多様な領域間の相互交流と協働を促進してきました。「縁側」知は、縁側に出て世間話をするように、自分の領域の外の人びとと気軽に交流し、気づきを得て生まれる知を指しています。「縁側」という言葉が暗示する「気楽さ」「気軽さ」「楽しさ」を大切にし、異なる領域の人びとが交流し、研究や実践を創発できるような活動を提供できればと考えています。ちょっとした立ち話しから生まれる新たな研究や実践の着想は、ワクワクした感覚をもたらします。そうした感覚を学会を通じて経験できるような場を皆様と共に作っていく試みです。今回、その一環として、会員の皆さまが「縁側」知とは意識してはいなくても、実は、ご自身の領域と別の領域との交わりの中で行った/行っている/行いたい研究や実践活動に着目し、そこで得られた着想やご経験をお互いに共有し、「縁側」知について気軽に話し合い、知の創発を促す場を設定いたしました。このイベントは、多文化関係学会の会員の皆さまが、会員同士の交流や共同研究のきっかけとなる「縁側」知について語り合う場です。また、その語り合いの場で生まれたアイデアを学会誌の特集号企画へとつなげていくことも目的としています。皆さまのご参加を、心よりお待ちしております。
【スケジュール】
13:30~13:35 開催の挨拶:「実は、これも「縁側」知だった!?」叶尤奇(神田外語大学)
13:35~13:45 「縁側」知の条件 岡部大祐(順天堂大学)
13:45~13:55 多文化関係学会における「縁側」知の重要性 小林浩明(北九州市立大学)
13:55~14:20 「縁側」知の事例:「対話論の展開:ラップからAIまで」小坂貴志(東京国際大学)・出口朋美(近畿大学)
14:20~14:30 質問コーナー(話題提供した誰にでも質問可)
14:30~14:35 休憩
14:35~15:20 「縁側」知セッション:「あれ、実は自分も「縁側」知してました!?、実はこんな「縁側」知したいと思ってます!」ファシリテーター:石黒武人(立教大学)
15:20~15:40 「縁側」知セッションを振り返って ファシリテーター:藤美帆(広島市立大学)
15:40~15:45 今後に向けて 叶尤奇(神田外語大学)
状況に応じて、時間が前後する場合がございますので、ご了承ください。
【参加費】会員:無料、非会員:無料
シニア会員、大学院生、学部生も大歓迎です。
【ご準備】 他の領域の方と接する中で新たな気づきを得た経験がある方、他分野の人々と共に研究を行ったことがある方、あるいは今後、異なる領域の方々と共同研究に挑戦してみたいとお考えの方は、ぜひご参加ください。その際、ご自身の領域横断的な経験ややってみたい共同研究について、簡単にご説明いただけるようご準備をお願いいたします。また、「まずは話を聞いてみたい」という方のご参加も大歓迎です。
【参加ルール】気楽さ、気軽さ、楽しさ、ワクワクを大切にする。
2025.1.20(月)10:45~12:25@立教大学池袋キャンパス:学部ゼミ(3年生)
ノルウェー経済大学 Krisin Rygg先生との国際教育交流!
年明け第1回かつ2024年度最終回では、大学院ゼミと同じく、ノルウェー経済大学のKristin Rygg先生にお越しいただき、ゼミ生の研究テーマ発表に対してコメントをしていただきました。ゼミ生は、簡単な自己紹介をした後に、自身の研究について英語で説明し、Rygg先生から質問やコメントをいただきました。Rygg先生から質問、コメントをいただき、それぞれのゼミメンバーは自身の研究について改めて考える良い機会になったと思います。ゼミメンバーは皆さん、自身の研究テーマとその内容を伝えようと奮闘していました!素晴らしかったです。
2025.1.16.(木)18:00~19:30 @立教大学池袋キャンパス14号館D501
ノルウェー経済大学 Krisitn Rygg先生による公開講演会
演題:「異文化間ビジネス・コミュニケーションの教え方―私のノルウェーの旅―」
(Teaching Intercultural Business Communication: My Norwegian Journey)
報告: 異文化間ビジネス・コミュニケーションの分野では、そのわかりやすさから、文化を単純化して説明する傾向が根強く残っている。しかし近年、文化をより複雑で動的なものとして捉える繊細なアプローチが求められている。そこで、Rygg氏は、ノルウェー文化についてあえて本質主義的な視点から説明した後に、ノルウェー人として生きてきた自身が実は文化的に複雑な存在であり、さらに変化しうるものであることを例示したり、自身が調査をしたグローバル企業内で観察される複雑な文化状況を事例として取り上げたりすることで、参加者が本質主義的な文化観から、より複雑で動的な文化理解へと移行できるよう対話を交えながら講演を進めた。講演は、紙とペンを用いたエクササイズや参加者同士のディスカッションが随所に取り入れられたものであり、Rygg氏の構成主義に基づく教育実践を体験する貴重な機会となった。
2025.1.8(水)10:45~12:25@立教大学池袋キャンパス:大学院ゼミ
ノルウェー経済大学のKristin Rygg先生来訪!
新年が明けてすぐの大学院ゼミでは、ノルウェー経済大学のKristin Rygg先生にお越しいただき、先生のご研究について伺うと同時に、院生3名から自身の研究についてRygg先生にご説明し、Rygg先生から質問やコメントをいただくという国際研究交流イベントを実施しました!博士後期課程の平野さん、博士前期課程の張さんと薛さんが、それぞれご自身の研究について英語で説明し、Rygg先生から研究を進展させるうえで役立つご質問やご助言をいただくことができました。こうした国際研究交流イベントを通じて、院生の皆さんは、他国の研究者の研究動向を知ると同時に、自身の研究について改めて考える機会を得られました。Rygg先生は、1月16日に立教大学異文化コミュニケーション学部主催の公開講演会でご講演をされる予定です(詳細は、以下のリンクからご覧ください)。1月20日には、学部ゼミにもお越しになる予定であり、学部生とのやりとりが今から楽しみです。
2024. 12. 12 (月)15:20~17:00@立教大学池袋キャンパス:専門演習3(4年生対象)
第11回(卒論を終えて)で記念撮影!
今年度は、4年生15名が、12月9日~12月11日の卒業論文提出期間に卒業論文を無事に提出しました!3年の秋学期から段階を踏んで取り組んできた研究の成果を卒業論文の形にしました。皆さん、本当によくがんばりました!個性豊かなメンバーがそれぞれの興味関心に応じてテーマを選び、それを学術研究の枠組みに落とし込んで、それぞれの問いに対して答えを見出しました。研究の面白さと大変さの両方を身をもって実感する経験だったようです。
12日の授業では、「卒論を終えて」というテーマで、15名のメンバーに1)卒業論文の内容のなかで最も伝えたいこと、そして2)卒業論文という経験を経て考え、感じたことを短く語ってもらいました。メンバーの思いが詰まった語りとなりました!これから最後の3回は、「卒業論文発表会」です。毎回5名ずつが研究成果を発表します。
✔12/19 古川さん、日馬さん、塩崎さん ←素晴らしい発表でした!
✔1/9 松井さん、松澤さん、日影さん、岡野さん、渥美さん、川上さん←皆さん、わかりやすく興味深い発表でした!
✔1/16 渡辺さん、窪さん、傳さん、庭田さん、櫻井さん、武田さん←発表後のやりとりも素晴らしかったです!
2024.12.8(日)10:10~12:10 @同志社大学京田辺キャンパス
異文化コミュニケーション学会(SIETAR Japan)第39回年次大会でのポスター発表
本ゼミ担当教員の石黒は、異文化コミュニケーション学会・年次大会にて、コンテクスト・シフティングと異文化感受性発達モデル(the Develomental Model of Intercultural Sensitivity, DMIS)の関係性について説明するために新たに作成した表(写真左下)について発表しました。ポスター発表は、石黒が説明するだけでなく、ポスターに集まってくださった他の研究者、院生・学生さんと一緒にディスカッションをするような形で進めました。ポスターは一部を除き、日英両言語で表記したため、日本語話者・英語話者の皆さんと意見交換をできました。来場者の皆さんとお話する中で、コンテクスト・シフティングがさまざまな分野で応用可能であることが改めて認識できました。
異文化感受性発達モデルからみたコンテクスト・シフティングの効用と限界
2024. 12. 2(月)10:45~12:25@立教大学池袋キャンパス:専門演習1(3年生対象)
第10回(メディアと異文化コミュニケーション)へ先輩2名が来訪!
この日のゼミは、ゼミメンバーの西田さんと勝又さんがメディア(インスタグラム)研究の文献について、多孔化、オーセンティティ(真正性)、マテリアリティ、コードといった鍵概念を紹介しつつ、発表されました(下記写真左上:左から西田さん、勝又さん)。その前に、まず、石黒ゼミ・立教第一期生の高梨史子さんが来訪され、ご自身がお勤めの会社(リシュモン・ジャパン)やそこでの働きぶりについてパワーポイントスライドを使って説明してくれました(写真左上右端・写真右上右端)。その後、後輩たちから質問を受けてくれました。さらに、11月30日に韓国留学から帰国したばかりの今田慎吾さんもご自身の留学体験について話をしてくれました(写真左上・右上の右から2人目)。
先輩のお話の後、西田さんと勝又さんのご発表内容とお二人の意見を踏まえ、高橋さんと今田さんを含めたゼミメンバー全員でディスカッションをしました。勝又さんから、なぜ「インスタ映え」で「フェイスブック映え」ではないのか、という疑問が呈され、ゼミメンバーと高梨さん・今田さんとの間で、それぞれの経験も踏まえつつ、活発な議論が交わされました。それに続いて、西田さんから発せられた「インスタ映え」は続くのか、という問いについても、日本社会や世界に横たわるマクロ・コンテクストも視野に入れ、様々な観点から意見が述べられました。このような調子で、議論が白熱して、毎回時間が足りなくなってしまうのが悩みの種になっています。
授業後には、ゼミメンバーたちがゼミ担当者の石黒の誕生日を改めて祝ってくれました。綺麗なブリザードフラワーとお菓子をいただきました(下記写真右下:プレゼントを渡しているのは、共同ゼミ長の田中さんと福山さん)。ゼミメンバーの皆さん、どうもありがとうございました!
2024.11.25(月)10:45~12:25@立教大学池袋キャンパス:専門演習1(3年生対象)
第9回授業(異文化適応とカルチャーショック)でのサプライズ!
この日のゼミも、ゼミメンバーの田中さんと岡田さんの素晴らしい発表(異文化適応に関する質的研究)の後に、ゼミメンバー間で活発に議論が展開されました。文化的多様性と日本の教育のあり方との関係について考えさせられる議論となりました。その授業終わりに、ゼミ・メンバーの皆さんがサプライズでゼミ担当者・石黒の誕生日を祝ってくれました(写真)!用意は周到で、事前に「授業終わりに、サークルの紹介をしたい」というお話だったので、サークルの紹介の時間をとって紹介してもらっていたのですが、それはダミーで見事のサプライズのお祝いイベントでした。ゼミメンバーの皆さんの温かい気持ちに感謝しています。とりわけ、担当者・石黒がインフルエンザのため、隔離期間であり、Zoomでの授業となったのですが、皆さんはそれをうまく使ってお祝いをしてくれました。改めまして、企画した共同ゼミ長ならびにいろいろと用意していただいたゼミメンバーの皆さん、誠にありがとうございました!
2024. 9. 23(月)10:45~12:25@立教大学池袋キャンパス
2024年度3年生ゼミの初回実施
秋学期から新しく16名のメンバーを異文化コミュニケーション学ゼミナールに迎えました。初回は、自己紹介と異文化コミュニケーションの重要性に関するお話をメインに進めました。16名の自己紹介は大変興味深く、多彩で多才なメンバーが集まり、とても嬉しく思っています。自己紹介で多くのメンバーが述べていたように、相互に学び合い、高め合えるような関係性をこれから構築されることを願っています。加えて、今後、4年生と大学院生とも交流を深め、交流を通じて個人の研究を発展させていかれることを期待しています!
2024. 9. 19(木)-20(金)@三浦海岸
2024年度4年生ゼミ合宿の実施
今年も三浦海岸の宿泊施設にて、ゼミ合宿を実施し、15名の4年生全員と2名の大学院生が参加しました。2日とも30度を超える猛暑のなかで、2日目に1名体調不良の学生さんが出ましたが、なんとか日程を終えることができました。
初日は、研究発表会を13:10~18:30に実施し、17名全員が自身の研究の進捗状況について発表しました。発表後には、他の学生・大学院生、教員から質問やコメントをもらう形で進めました。皆しっかりと準備をしてきたおかげで、相互に良い刺激を得られたようでした。
研究発表後は、宴会場で夕食を共にしつつ、いろいろなことについて話をして交流を深めました。
2日目は、前日の研究発表を振り返って、一人ひとりにコメントをしてもらいました。その後、担当教員が異文化コミュニケーションに関するセミナーで得た最新の知見を共有しました。学部生は12月中旬の卒業論文提出に向けて改めて自身の研究について考える良い機会となったようです。大学院生も学部生の多様な研究に触れ、大いに刺激を受けたようでした。
今回の合宿を通じてゼミ・メンバー間の関係も深まり、相互に研究について意見を述べあえるような良い関係の構築が進み、卒論に取り組む際に助けとなりそうです。
2024. 9. 8 (日)& 9.9 (月)10:00~18:00@国際文化会館
ミルトン・ベネット先生によるセミナーへの参加
昨年来日され、立教大学異文化コミュニケーション学部主催の公開講演会で登壇され、本ゼミにもお越しいただいた、世界的に著名なミルトン・ベネット先生が、今年も来日され、国際文化会館にて2日間にわたるセミナーを開催されました。異文化コミュニケーション学の最先端の知識を得る絶好の機会ということで、ゼミ担当者の石黒が参加しました。テーマは、「Intercultural Viability: Developing Intercultural Adaptability in Organizations」(1日目)と「Holographic Intercultural Facilitation」(2日目)でした。異文化コミュニケーション研究は、関係性の研究である、という構成主義的なスタンスから、エスノセントリズムを減らすような形で生成される自他の関係づけや、多様性が尊重され、活かされるような形で個人の能力と組織のサポートがコーディネートされるような状態について様々な角度から論じられました。最も驚いたのは、Holographic Facilitationという実践を行ううえで、重要な取り組みとして挙げられたPassive volitionという考え方/実践で、変革を生み出す状況を作り出すために、あえて受け身あるいは非‐能動的な状態になる、というものでした。ただ、これはただ何もしないのではなく、ファシリテーターが「受動」的モードに入ることで、その場に生じうる無限の関係性を捉え、変革を生み出すコンディションを創るという点に留意する必要があります。多様性を活かし、変革を生み出すファシリテーションというと、どうしても能動的にいろいろなことを行い、介入するという姿勢が必要ではないかと思いがちです。もちろん、そのような側面もありますが、今回、それ以外の可能性が開かれました。非常に興味深いセミナーでした。
2024. 9. 4(水)14:00~16:00@浜松町ビルディング
企業での講演、パネルディスカッション、ならびに全体討議
シミック・グループにて、「職場における異文化コミュニケーションー多文化協働の実現に向けて―」というタイトルで、45分の講演(日本語)を行いました。その後3名の外国籍社員の方々とのパネルディスカッション(英語)を行い、最後に、270名ほどの参加者からの質問を受ける全体討議(日本語)を実施しました。パネルディスカッションでは、現役で働く外国籍社員の方々が語られた異文化摩擦の事例が大変興味深く、また、彼らから見て、異文化コミュニケーション学の知見は、これまでのご経験を言語化して整理するうえで役立つ、とおっしゃっていたのが印象的でした。おかげで異文化コミュニケーション学の重要性を改めて認識できました。今回お伺いした企業は、先進的な取り組みを行っている企業で、文化的多様性を包摂するうえで取り組むべき多くの事項にすでに取り組んでおられました。一方で、異文化コミュニケーション学の知見と社内の実践とを照らし合わせると、さらに改善すべき点もあるとおっしゃっており、今後、多様性の尊重・活用がさらに進展していくだろうと思いました。このイベントは、社内の通訳グループの方々が主催されたもので、講演、パネルディスカッション、全体討議はすべて同時通訳付きでした。そのような労力を惜しまない姿勢自体が多様性に配慮した素晴らしい取り組みの現れだと思いました。同時通訳者の方々のお仕事ぶりを間近で拝見し、その卓越した技能に感銘を受けました。このイベントを企画してくださったシミック・グループの森田さんをはじめとした通訳グループの皆さん並びにシミック・グループの関係者の皆様に深く感謝申し上げます。
2024. 6. 28 (金)13:00~14:00(タイ時間)/15:00~16:00(日本時間)@オンライン
企業関係者向けオンライン講演
多くの企業研修を手掛ける株式会社レトロモダンさん主催のイベントにて、ゼミ担当者の石黒が、タイと日本から参加された約50名の方々に向けて「職場における異文化コミュニ―ションー海外駐在の現場に焦点を当ててー」という講演を行いました。タイと日本から多くの方々が関心を持って参加してくださいました。講演では、まず、構成主義の視点から、自分と他者との関係性のなかで「異」が生成されるという、動的な異文化コミュニケーション観を提示しました。つぎに、異文化インターフェイスという概念を紹介しつつ、日本の組織と海外の組織の文化的土壌の違いについて述べ、そうした違いを土台にタイ人と日本人の間で相互に生成されてしまう異文化摩擦の事例とその原因について述べました。最後に、異文化コミュニケーションを改善するポイントとして、エンパシー、エポケー(判断留保/停止)、コンテクスト・シフティングといった実践についてお話しました。(株)レトロモダンの齋藤貴之社長(立教大学のご出身)ならびにスタッフの方々には大変お世話になりました。感謝申し上げます。
2024. 6. 2(日)@東北工業大学
日本コミュニケーション学会 第53回年次大会(Japan Communication Association The 53rd Annual Convention)
宮城県仙台市の東北工業大学で開催された「日本コミュニケーション学会第53回年次大会」にて、研究発表をしてきました。立教大学異文化コミュニケーション学部助教のIto Megu先生、立教大学大学院異文化コミュニケーション研究科博士後期課程の川野優希さん、西南学院大学大学院文学研究科博士後期課程の郭仁敬さんとの合同パネル「大学・学部案内の批判的ディスコース分析」の中で、平野は「コミュニケーション系学部・学科アドミッション・ポリシーの批判的ディスコース分析」で発表しました。「コミュニケーション能力」が「身に付けるべきもの」として語られているにもかかわらず、「コミュニケーション能力」がどういった能力であるのかが示されていないために、よくわからないものを要求し/要求されているという不条理な状況を問題化しています。研究内容についてはまだまだ課題があるものの、フロアの先生方から、今後の研究に向けた多くのご助言をいただきました。先生方のご指摘・ご助言に感謝いたします。(今回の発表にあたっては、西南学院大学外国語学部宮原哲先生・清宮徹先生、立教大学異文化コミュニケーション学部の師岡純也先生に司会およびコメンテーターをご担当いただきました。改めて御礼申し上げます。)
今回の合同パネルは大学を超えて同じ年代の研究者が集まり、企画・発表したものでした。同じような問題意識を共有している研究仲間がいることの心強さを再認識したとても有意義で楽しい時間でした。
報告者:平野遼(異文化コミュニケーション研究科博士後期課程)
2024. 6. 1(土)15:00-16:00 立教大学の保護者向け教育懇談会にてゼミ長の窪さんが登壇!
立教大学池袋キャンパスにて、保護者の皆様をお招きし、教育懇談会が開催されました。その一環として、異文化コミュニケーション学部の保護者の皆様に向けて、学部の留学について説明する学部プログラムが実施されました。その会場で、異文化コミュニケーション学ゼミナール・ゼミ長の窪さんが、留学の準備、留学の目的とその達成度、留学先で得た豊かな経験、出会った困難とそれをどう乗り越えたか、そして留学とキャリアとのつながり等について語られました。保護者の皆様に向けてお話をするという緊張する場面であったとは思いますが、窪さんは、プロフェッショナルなふるまいで、オハイオ州立大学での興味深い貴重な体験についてわかりやすく語られました。窪さんが留学の準備についてお話をされていたときには、多くの保護者の皆様がメモをとっておられました。窪さんのおかげで素晴らしい学部イベントとなりました。
2024. 3. 25 (月) 2023年度異文化コミュニケーション学部学位授与式&2023年度卒業生と2022年度卒業生が研究室来訪!
立教大学池袋キャンパスのマキムホール(15号館)にて、10:30から12:00にかけて異文化コミュニケーション学部の学位授与式が開催されました。入学時にコロナ禍で様々な困難を乗り越えた卒業生たちが学位記を受け取る晴れ姿には感慨深いものがありました。卒業式後は、ゼミメンバーから担当教員(石黒)へ花束の贈呈があり(花束を選んでくださったゼミ長の佐々木さん[集合写真・後列左から二人目]、ありがとうございました)、その後、メンバー全員で集合写真(写真上段)を撮りました。卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます!
また、午後には、2023年度卒業生4名(写真中段:横井さん[左上]、竹田さん[左下]、高橋さん[右下]、山内さん[右上])が研究室を来訪し、ゼミ長の横井さんから石黒へ記念品(素敵なネーム入りのボールペン)が贈られました。2023年度ゼミメンバーの皆さん、花束と記念品をお贈りいただき、誠にありがとうござました!
その後、コロナ禍の影響で卒業が遅れた同級生をお祝いに来ていた2022年度の卒業生3名(写真下段:石井さん[左]、大久保さん[中央]、高梨さん[右])も研究室を来訪しました。懐かしい思い出や卒業後の様子等について1時間以上お話ができ、楽しい一時を過ごすことができました。新旧ゼミメンバーの皆さん、ありがとうございました!
2024.1.22(月) 2023年度(3・4年生合同)集合!
最終授業日に出席できたメンバーで集合写真を撮りました。
2024.1.22(月) 研究テーマ発表(3年生)&卒論発表会(4年生)第三弾!(発表者9名)@立教大学池袋キャンパス
2023年度の授業最終日に、第3回目の研究テーマ発表と卒論発表会を実施いたしました。
3年生の研究テーマは以下のとおりです:
・スタートアップ企業における企業規模拡大に伴って起こる組織コミュニケーションの変化(川上さん)
・在日中国人留学生の異文化適応の過程で起きる問題の要因と解決策について(日影さん)
・理想的な異文化教育(*1)とそれが留学生に与える影響(塩﨑さん)
*1: 国内で受ける異文化教育ではなく、日本から海外へ学生が留学した先で留学中に受ける異文化教育を指しています。
・実用的な異文化コミュニケーション能力を向上させるためのトレーニングメソッド(*2)及びプランの立案―科学的な知見をもとに―(櫻井さん)
*2: 近年、サッカーで注目されている、人びとの無意識に着目したVisceral Training と相似形の発想で異文化コミュニケーション能力育成を図るという斬新な研究です。
4年生の卒論発表会では、外国籍の人との相互行為を経験する日本人の中で立ち上がるナショナル・アイデンティティについて論じたもの(丸山さん)、日本の義務教育において、異文化及び多文化教育を行う際に、美術が有用であることを構成主義的視点から論じたもの(山内那由多さん)、近年、流行し、大学生が就活等において自己の性格を診断するツールとなっているMBTIを用いて、自身を「外向的」あるいは「内向的」と認識している大学生たちのSNSのコミュニケーションと対面のそれの傾向について論じたもの(山内もかさん)、技能実習生が抱える職場内でのコミュニケーション問題の現状と原因を示し、日本語教育の観点から提言を示したもの(向井さん)、そして、日本企業における社内英語公用語化の影響と社内コミュニケーションの変化について、楽天のケース分析を通じてその是非を論じ、かつ、近い将来就職する大学生へのアンケート調査を通じて英語公用語化の将来について考察したもの(下條さん)といった5つの研究が発表されました。短い時間でしたが、各発表の後にあった質疑応答は有意義なものでした。
2024.1.15(月) 研究テーマ発表(3年生)&卒論発表会(4年生)第二弾!(発表者8名)@立教大学池袋キャンパス
新年を迎え、第2回目の研究テーマ発表と卒論発表会を実施いたしました。
まず、3年生の研究テーマ発表では、以下のようなテーマが示されました:
・日本のグローバル企業におけるリーダーの在り方―文化的差異に焦点を当てて— (武田さん:3年生共同ゼミ長)
・OriHimeユーザーのライフストーリーー対話論の視点からー (日馬さん)
・日本の外資企業においてバーチャルチームの円滑な多文化協働・運営に携わる外国人リーダーの職場経験と認知的志向について(窪さん:3年生共同ゼミ長)
・国際医療NGO活動におけるアクター間のミスコミュニケーションの要因と予防策 (渥美さん)
これから対象を明確化したり、テーマの焦点をさらに絞ったりするなど、今後検討を重ねていくものですが、とても興味深い研究テーマ発表でした。3年生はわかりやすく発表され、それに対して4年生から示唆に富んだコメントがなされ、良い発表セッションとなりました!
4年生の卒論発表会で示された研究のテーマは以下のとおりです:
・「異文化理解力」や「異文化コミュニケーション能力」を育むための教育方法―義務教育課程で修得すべき考え方やスキルを中心に― (竹田さん)
・航空安全に関する異職種間のコミュニケーションーヒューマンエラーを低減する取り組みを中心に―(佐々木さん:4年生共同ゼミ長)
・多文化組織において日本人リーダーと異文化出身フォロワーが相互に行う対等な関係づけとは—自律型組織を生み出すシェアド・リーダーシップの視点から― (横井さん:4年生共同ゼミ長)
・日本におけるベジタリアン学生と自分らしく生きる社会実現の関連性—ドイツのベジタリアン学生から見える社会認識の違い— (石井さん)
4年生は、12月に提出した卒業論文の内容を発表しました。4つとのも重要なトピックで、竹田さんは、アンケートと事例研究に基づき、義務教育段階で必要なダイバーシティ教育について論じられ、佐々木さんは、航空機の運航にかかわる様々なアクター間のコミュニケーションで重要なポイントをインタビューで明らかにされ、横井さんは、マレーシア駐在経験がある日本人マネジャーにインタビューを実施し、仕事で必要な言語・非言語スキルを例証され、最後に、石井さんは、ベジタリアンが置かれた状況を日独社会間の比較をしながら明らかにし、ベジタリアンが尊重されるような(異文化)コミュニケーションの在り方についてエポケーやエンパシーといった概念を交えて述べられました。
2023.12.18(月) 研究テーマ発表(3年生)&卒論発表会(4年生)第一弾!(発表者8名)@立教大学池袋キャンパス
本年度の異文化コミュニケーション学ゼミも残り3週となり、その3週で実施する3年生の「研究テーマ発表」と4年生の「卒論発表会」の第1弾を実施いたしました。この日は、3年生4名(古川さん、庭田さん、傳さん、松澤さん)、4年生4名(今田さん、高橋さん、宋さん、櫻澤さん)が発表しました。
3年生の研究テーマ発表では、発表者の皆さんが、「エンゲージメント」(古川さん)、「組織アイデンティティ」(庭田さん)、「マイクロアグレッション」(傳さん)、「ネゴシエーションスタイル」(松澤さん)といったそれぞれの研究を方向付けるキーワードを示されました。また、研究の背景、目的、先行研究、今後の取り組みなどがバランスよく提示されており、素晴らしかったです。先に行われた発表内容と絡めて自身の研究について述べる場面などもあり、皆さん、丸暗記ではなく、自分の言葉で考えながら発表されていたのが印象的でした!今後は、期末レポートに向けて、先行文献研究をさらに進めながら、テーマや調査対象を絞っていって、研究の目的をさらに明確なものにしていきましょう!
4年生の卒論発表では、図や表を用いて研究内容の要点を巧みかつ明確に整理したり(今田さん、高橋さん、宋さん)、ライフストーリーの要点を簡潔にまとめて示したりと(櫻澤さん)、卒業論文に取り組んだ成果が十分に見てとれました!発表者自身がそれぞれのテーマについて研究に基づくまとまった考えを持っていることがわかる良い発表でした。4年生の発表者の中にも、3年生の発表内容に言及したり、4年生の同僚の研究や9月に卒業した先輩の大久保さんによる研究の内容にも触れる方もおり、彼ら彼女らの臨機応変さは「さすがだ」と思いました!
また、今回は、4月から参加されるゼミ生も見学に来て良い研究発表会となりました(以下は発表者の集合写真:左側4年生、右側3年生)。年明けの次回第2弾でも、3年生4名、4年生4名が発表します!
2023. 12. 11(月)~13(水)@立教大学池袋キャンパス
2023年度4年生による卒業論文の提出!
4年生13名が卒業論文を無事に提出いたしました!4年生の皆さん、ご提出おめでとうございます!
以下にタイトルを紹介します:
・働きやすい職場環境を実現するリーダーシップ・フォロワーシップの在り方 ──変革型リーダーシップの視点から──
・多文化組織において日本人リーダーと異文化出身フォロワーが相互に行う対等な関係づけとは ──自律型組織を生み出すシェアド・リーダーシップの視点から──
・航空安全に携わる異職種間のコミュニケーション ──ヒューマン・エラーを低減する取り組みを中心に──
・日本企業における社会英語公用語化の影響と社内コミュニケーションの変化 ──楽天のケース分析とアンケート調査を通じて──
・ 「異文化理解力」や「異文化コミュニケーション能力」を育むための教育方法 ──義務教育課程で修得すべき考え方やスキルを中心に──
・コミュニケーション相手のナショナリティと日本人のナショナル・アイデンティティの関係性に関する分析
・日 本 の 義 務 教 育 での 異 文 化 及 び 多 文 化 教 育 に お ける美術の有用性について ──構成主義的視点から──
・日本の大学に求められるリーダーシップ教育のかたち ──シェアド・リーダーシップに基づく受講成果分析を通して──
・技能実習生が抱える職場内でのコミュニケーション問題 ──日本語教育の観点とそこからのアプローチについて──
・日本 アイドルの海外進出促進に必要な戦略 とは ── K- P O P の 成 功 事 例 と の 比 較 分 析──
・LGBT当事者教員の必要性について問う ──異文化感受性発達モデルを軸に考察する──
・日本におけるベジタリアン学生と自分らしく生きる社会実現の関連性 ──ドイツのベジタリアン学生から見える社会認識の違いを通して──
・MBTIの外向性と内向性 ──大学生のSNSとリアルでの性格差異──
2023. 11. 16(木)18:00~19:45 @立教大学池袋キャンパス
Study Session 2: Dialogue with Dr. Milton Bennett over Intercultural Communication Research
11/10のStudy Session1に引き続き、ミルトン・ベネット先生が構成主義の観点から捉えられる異文化コミュニケーションについて短い講義をされたあと、ベネット先生と参加者間で対話を行いました。次から次へと質問が出る中で、常に必ず構成主義の観点から丁寧に質問に答えられ、それがさらなる質問につながる、というダイナミックなやりとりが続きました。ハイライトの一つは、第三の文化空間(a third culture space)の話のなかで、本学教員の神戸直樹先生が多文化が交錯する場の倫理についてどのように考えれば良いかと問われた際に、ベネット先生は、構成主義の立場から絶対的な善のようなものは想定できず、参与者がそれぞれメタ意識(meta-consciousness)を持ちつつ、文化間の差異をメタ・コーディネート(meta-coordinate)しながら、多文化間倫理を共創(co-create)していく形になるという応答をされました。繰り返される争いを避け、持続可能な社会としていくうえで必要な倫理的スタンスを共に作っていく、ということでした。多文化間でやりとりをしながら何かを共創していくという点では、異文化コミュニケーションを学ぶことは重要で、とくに「あたりまえ」に自他を線引きする営みをメタレベルから自覚的かつ動的に捉え、他者と新たな関係性を生成することを助ける構成主義に基づく異文化コミュニケーションは必要であると改めて思い至りました。ベネット先生、参加者のみなさん、誠にありがとうございました!
2023.11.13(月)10:45~12:25 @立教大学池袋キャンパス
A Special Session : Dialogue with Dr. Milton Bennett over Intercultural Communication Research
異文化コミュニケーション学ゼミナール(第7回)では、異文化コミュニケーションを扱う分野で世界的に著名なミルトン・ベネット先生をお招きし、ゼミ・メンバーが取り組んでいる個別研究について各人が英語で説明し、ベネット先生にコメントをしていただくという特別セッションを実施しました。たとえば、ゼミ・メンバーの櫻澤さんがベネット先生の異文化感受性発達モデル(DMIS)をLGBTQ研究の応用することを説明した際に、その応用法についてベネット先生から好意的なコメントもいただきました。ゼミ・メンバーは、ベネット先生とやりとりをする中で、自身が取り組む研究の重要性、無自覚に前提にしている考え方(たとえば、「マイノリティ当事者がマイノリティの支援をすればうまくいくはず」といった前提等)、新たな視点(generalization ≠ stereotypes, aesthetic empahty等)、諸研究に通底するキーワード(相互適応/mutual adaptation, shared leadership等)を認識する貴重な機会を得ました。ベネット先生に自身の研究内容を伝えようとするゼミ・メンバーたちの奮闘ぶりは素晴らしかったです!また、ベネット先生が短い時間で個々の研究内容を理解され、的確かつ示唆的なコメントをされていた点は見事でした。
2023.11.11(土)9:40~11:30 @代々木オリンピックセンター
異文化コミュニケーション学会年次大会におけるワークショップの実施
異文化コミュニケーション学会(SIETAR Japan)にて、本ゼミ担当者の石黒が、ミルトン・ベネット先生(IDR Institute)と山本志都先生(東海大学)と一緒に110分間のワークショップ(What is "Integration" in the DMIS?)を実施しました。まず、石黒が全体のワークショップの目的(誤解されたり、理解が難しいと言われたりすることがある異文化感受性発達モデル(DMIS)の統合(Integration)について、講義やグループでのディスカッションを通して理解を深めること)と流れを説明しました。その後、ベネット先生がDMISと統合について哲学的背景である知覚構成主義(Perceptual Constructivism) を踏まえて説明され、さらに、山本先生が統合のキーワードと言えるリミナリティ(liminality: 境界性)について具体例を交えて詳説され、最後、石黒がグループワークを入れつつ、統合を多文化チームという具体的なコンテクストで考える機会を提供しました。グループワークでは、参加者が活発に議論をしてくださり、統合に関するプロセスを具体的な事例と共に考え、理解することができました!
2023.11.10(金)17:10~18:50 @立教大学池袋キャンパス
Study Session 1: Dialogue with Dr. Milton Bennett over Intercultural Communication Research
前日(11・9)の公開講演会に参加した学内外の教員、院生、学部生で少人数の研究会を行いました。冒頭で、ベネット先生が講演会の内容を振り返ってコメントをされ、その後、参加者が自身の研究テーマを中心に自己紹介をしました。ベネット先生が一人ひとりの参加者の研究テーマについてコメントをする形で進め、その後、講演内容について質疑応答を行いました。参加された立教大学名誉教授の鳥飼玖美子先生からは、ベネット先生が提示されたmeta-consciousnessとmeta-cognitionの違いについてご質問があり、ベネット先生が黒板に図を書きながら説明された一幕もありました(写真右)。講演の内容をさらに深く理解するうえで助けとなる充実した研究会となりました!参加した学部生、大学院生もベネット先生と交流する貴重な経験を得て、さらなる学びへのモチベーションを大いに高める機会となったようです。
2023.11.9(木)18:00~19:30 @立教大学池袋キャンパス
ミルトン・ベネット先生による公開講演会 "Constructivist Approach to Intercultural Communication"の開催
異文化コミュニケーション学において「異文化感受性発達モデル」(the Develomental Model of Intercultural Sensitivity)で著名なミルトン・ベネット(Milton Bennett)先生が、異文化コミュニケーション学部主催の公開講演会にて、ご講演されました。講演では、異文化コミュニケーション摩擦につながりうる実証主義や相対主義の限界を超えるための哲学的立場である知覚構成主義(Perceptual Constructivism)について講演をされました。ベネット先生(写真右)の熱のこもった講義のあと、終了時間まで参加者から興味深い質問がなされ、ベネット先生が応答されました。講演会修了後も多くの方が会場に残ってベネット先生とお話されていました。
今回、講演会の実施にあたって、立教大学大学院異文化コミュニケーション研究科博士後期課程の平野さんと杉原さん、そして異文化コミュニケーション学部石黒ゼミのゼミ長である窪さん、武田さんにはボランティアとして準備と運営を手伝っていただきました。皆さんの素晴らしい働きのおかげで、スムーズに会を実施できました。本当にありがとうございました。また、異文化コミュニケーション学ゼミナールのゼミメンバーも3年生を中心に多く参加しました!質疑応答の際に、観ることができたゼミメンバーたちの真剣な表情は素晴らしかったです。皆さん、ご参加いただき、ありがとうございました!
2023. 9.29(金)~30(土)@三浦海岸
4年生ゼミ合宿の実施
神奈川県の三浦海岸駅近くにある施設にて、ゼミ合宿を開催いたしました。今回は、卒論に取り組んでいる4年生12名と大学院の平野さんが参加しました。初日は、5時間半に及ぶ個人研究の発表会を実施しました。それぞれの研究発表後、質疑応答を行い、研究を発展させるための批判的かつ建設的なフィードバックを行う機会となりました。メンバー間のやりとりに加え、教員(石黒)ならびに大学院生の平野さんのコメントもあり、4年生の皆さんは大変刺激を受けた様子でした。研究発表会の後は、座敷で歓談しながら美味しいお食事をいただき、友好を深めました。翌日は、朝から近くの砂浜へ行き、青空の下、前日の研究発表会、合宿全体について振り返り、12月中旬提出の卒論作成に関する豊富を述べあいました。充実したゼミ合宿となりました。まずは11月の卒論仮提出、そして12月の本提出に向けてがんばりましょう!
2023.9.26(月)@立教池袋キャンパス
秋学期初日・新メンバーの参加
新しく12名のゼミ生(3年生)が加わりました。新メンバーの研究関心は多様で、多国籍企業における交渉スタイル、多国籍企業における日本人のコミュニケーション、パワー・ディスタンスの観点で文化差があるメンバーが同一組織に所属する場合の待遇コミュニケーション、多国籍企業で働く日本人社員の理想的なふるまい、企業におけるディサビリティとコミュニケーション、日本国内にある多文化組織としての英語教室におけるトラブル回避のためのコミュニケーション、日本で働く外国人労働者に対する教育、国際医療NGO活動におけるアクター間のミスコミュニケーション、多文化組織における対話の可能性とその限界、組織における日本的対人コミュニケーション、といった研究トピックに関心をもっている。大学院生や留学中のメンバーを加えて、総勢28名となりました。初回のゼミでは、様々な興味関心、経験を持ったメンバー同士が早速相互に刺激を与えている様子が観察され、素晴らしい初日となりました。個性豊かなメンバーが揃い、これからのゼミ活動が楽しみです。
2023.9. 19 (火)@立教大学池袋キャンパス
9月卒業者の学位授与式
本ゼミ・メンバーの大久保さんが学位授与式に出席されました!大久保さん、ご卒業、誠におめでとうございます!卒業論文では、リーダーシップ研究のLMX(Leader-Member Exchange)理論に着目され、複数の関連研究を整理、接合してご自身のモデルを構築され、興味深い研究成果を示されました。後輩にもLMXの研究に言及する人が出てきており、大久保さんの影響が見てとれます。ゼミ担当者である石黒が立教大学に着任し、初めて担当した2名のゼミ生のうちのお一人が大久保さんでした。当時は研究室を使って3人でゼミを実施していました。今では多くのゼミ生がいますので、その時期は懐かしい思い出となっています。コロナの渦中において予定していた留学の時期が遅れるなど様々な困難に直面しながらも、それを見事に乗り越えられました。入社されるグローバル企業での今後のご活躍をお祈りしています!
2023.9.14(木)@立教大学池袋キャンパス
多文化関係学会第22回年次大会・基調講演のふりかえり
多文化関係学会第22回年次大会にて、基調講演「地域社会にいきる日本語教育のかたち── 異分野をつなぐ協働の実践── 」をお願いした神吉宇一先生(武蔵野大学)が研究室に来訪されました。ゼミ担当者(石黒)と博士後期課程の平野さんでお迎えし、基調講演をふりかえりながら、神吉先生のご講演内容についてディスカッションをしました。ディスカッションでは、「理論/実践」「理想/現実」といった二元論的思考/カテゴリーを見直して、「過程」や「中間領域」へまなざしを向けることが大切だと再認識しました。たとえば、目の前にある現象を2つのカテゴリーで単純化して評価するのではなく、「過程」や「中間領域」に着目し、そこで何が共同生成されているのか、また、どのようなことができるか、と考えることで、モノゴトを良い方向に進めていくことができる可能性が高まるのではないか、と。ここでは、異文化コミュニケーション学を通して培われる既存のカテゴリーを相対化する力や多面的思考が役立つと思います。ディスカッションを通じて、もう一つ考えたことは、領域を超えてコミュニケーションを取る「領域横断的コミュニケーション能力」です。これも、各領域で「あたりまえ」のカテゴリーを他領域の人びとにわかるように説明したり、見直したり、作り変えたりしながら、メタな視点から領域間を仲介する能力が必要です。知覚構成主義に基づく異文化コミュニケーション学を提唱されているミルトン・ベネット先生がいうところの「メタコーディネーション」(meta-coordination)ですね。多様化が進む現代社会において、さまざまな異(領域・分野)と協働する異文化コミュニケーターが本ゼミで育成できればいいと思っています。院生の平野さんは、英語教育と日本語教育に通底する問題について説明するなど、領域横断的コミュニケーションを実践していました!神吉先生のおかげで素晴らしい時間となりました。誠にありがとうございました! (写真:左から神吉先生、石黒、平野さん)
2023.9.9(日)@北九州国際会議場(開催校:北九州市立大学)
多文化関係学会第22回年次大会(Japan Society for Multicultural Relations)
ゼミ担当者(石黒)が、北九州国際会議場で開催された「多文化関係学会第22回年次大会」にて、研究発表をしてきました。日本企業に存立する「多文化ヴァーチャル・チーム」の日本人リーダーの思考プロセスを理解するために構築したモデルを紹介しました。多文化ヴァーチャル・チームというのは、オンラインでのコミュニケーションを柱に世界各地のメンバーと仕事をするチームのことです。発表の質疑応答やその後に、複数の先生方から、企業の多文化ヴァーチャル・チームではない文脈でも活かせるのではないかと言われ、モデルの転用可能性について考えさせられました。また、モデルで示されたいくつかの認知傾向は、リーダーたちの日本文化的な特徴の裏返しではないか、という鋭いご指摘もいただきました。ご指摘に感謝いたします。
なお、ゼミ・メンバーの平野さん(博士後期課程2年)も、多くの来場者の前で「外国語教育分野における日本国内の異文化コミュニケーション能力研究の動向 」というタイトルで研究成果を発表され、多くの参加者を集めました!参加した先生方から貴重な質問・コメントをいただき、研究を進展させるヒントを得られたとのことでした。残念ながら、ゼミ担当者(石黒)とは別室での発表であったため、平野さんが発表中の写真が撮れませんでしたが、雰囲気を掴んでもらうために、発表中の石黒(左)、関東地区交流会(真ん中)、そして「縁側」知セッション(右)の写真を以下に示します。真ん中、右の写真には平野さんが写っています。
2023. 9. 3(日)@東洋大学(白山キャンパス)
SIETAR Japan(Society for Intercultural Education, Training, and Research, Japan) Workshop:
「異文化コミュニケーション教育の新たな出発点:あいまい、あやふやになっているところを整理する」
講師:Milton Bennett・山本志都・石黒武人
ワークショップ概要:異文化コミュニケーション教育の中であいまいなまま過ごしていて気になっているところなどを整理するワークショップにしたいと考えています。たとえば異文化コミュニケーションにおけるSimilarity based とDifference based のアプローチをどう考えるかについてです。かつてゴールデン・ルール(共通点ベースのシンパシー)とプラチナ・ルール(違いに基づくエンパシー)の著書もあるミルトン・ベネット博士はこの問題を今はどう考えているのでしょうか。最後に、これまで3回を通して私たちが考えてきたことを学習者に伝えるためには、どんな風に教材化できるかについてみなさんで考えます。(当イベントの案内より転載)
所感:異文化感受性発達モデル(the Developmental Model of Intercultural Sensitivity, DMIS)等で世界的に著名な異文化コミュニケーションの専門家であるミルトン・ベネット先生、『異文化コミュニケーション・トレーニング』の筆頭著者である山本志都先生とご一緒に、異文化コミュニケーション学会(SIETAR Japan)の研究会で、二言語併用ワークショップのファシリテーターを務めました。知覚構成主義(perceptual constructivism)の立場から、異文化間コミュニケーションにアプローチするために必要な考え方について、2冊のテキストを参照しながらお話しました。参照したテキストは、『 異文化コミュニケーション・トレーニング』(三修社)と Basic Concepts of Intercultural Communication (Intercultural Press)です。高コンテクスト文化/低コンテクスト文化といった文化一般のカテゴリーを知覚構成主義の立場からどのように扱うかといった興味深い内容について議論が展開されました。わたしは、実証主義、相対主義と対比させながら、知覚構成主義について説明をしました。参加者の方々がとても興味深い質問をしてくださり、おかげで素晴らしいワークショップとなりました。
2023.7.15(日)@東海大学 品川(高輪)キャンパス
SIETAR Japan Workshop:
「ステレオタイプを乗り越える:文化や社会的カテゴリーを用いることが不都合ではなくなる文脈を確立する」
講師:山本志都・石黒武人・鈴木有香
ワークショップ概要:企業や大学における異文化トレーニングとファシリテーションの専門家である鈴木有香先生を中心にして行います。第5章の観測カテゴリー、第10章のコンテクスト・シフティング、第11章のステレオタイプなど、いくつかの章について、これらの章を授業で取り上げるための教材、問いかけ、対話のテーマなどを互いに持ち寄る企画です。知覚構成主義の立場で教材をつくり、実際にそれらを体験して、改善点等を考えます。 (当イベントの案内より転載)
所感:
7月15日に、学会の同僚たち(山本志都先生[東海大学]と鈴木有香先生[桜美林大学])と一緒に、異文化間教育・研修のための構成主義的アプローチを学ぶワークショップのファシリテーターを務めました。参加者の皆様がとても積極的で、ご自身のアイデアや経験を分かち合ってくださったおかげで、素晴らしいワークショップになりました。異文化コミュニケーション教育・研修を行う際に、共通点と差異についていかに扱えばよいか、マジョリティとマイノリティの関係やパワーの問題をどのように扱えばよいのか、といった諸論点が示され、相互のやりとりが活発で、われわれファシリテーターも含め、参加者の間で相互に影響を与えつつ現実や知識を共同構築し、再構築するような体験となりました。本当に楽しい時間でした!
2023.7.3 (月)@立教大学池袋キャンパス
2023年度春学期卒論発表会
ゼミメンバーの大久保さんが、北米の企業組織で日本人駐在員が職場のリーダーとして働くうえで必要な思考と行動について、リーダーシップ理論の一つであるLMX(Leader-Member Exchange)を主な切り口にして考察した内容を発表しました。とても落ち着いたトーンでわかりやすく発表され、質疑応答にも的確に答えていました!