良く研究し,良く学び,なにより良く楽しむ.
研究室に所属する以上は,良い研究をして,それを一つのカタチにすることを目指して欲しい.
そのためには,良く実験すること.そして,そこから多くの学びを得て欲しい.
また,楽しむことも大事にしたい.楽しむことは何よりの原動力となる.
遊ぶことも忘れずに.遊びから得られることは意外と多い.
T型研究者:
”T-Shaped” Chemist
突出した専門知識・技術「I」と,周辺分野の知識「ー」を組み合わせた「T型」の能力をもつ研究者.
(「T型研究者」とは,コンサルティングファーム McKinsey & Companyにより提唱された「マネージメントができる科学者のモデル」である「T型人材」の考え方をアレンジしたもの)
手が動く研究者:
Experimental Chemist
「手を動かして」「成果」を積み上げる
研究者.
化学の「研究成果」は「実験」からのみ得られる.「成果の量」と「実験の数」には,相関がある.
頭の中で考えただけの,絵に描いた餅で研究発表(学会や論文)はできない.
口でなく結果で語るのがカッコいい研究者である.
発信できる研究者:
Content Creator
「発信力」をもった研究者.
研究者に関係する「発信力」は,資料作成能力,プレゼンテーション力,および論文(もしくは特許)執筆能力である.
また,現代においてはSNSをはじめとしたメディアでの「発信」も意識しよう.
具体的な目標を設定する.その達成にこだわる.
「1年後の自分はどうなっていたいのか」「そうなって何をしたいのか」という”目的意識”をもって研究生活を送る.
その目的から逆算して「今の自分がやるべきこと」を具体的な”目標”として設定して,日々の研究を積み重ねる.
200実験/年:
200 Experiments per Year
1日1実験.
年間の平日はおおよそ250日.長期休みなどを抜いておおよそ200日以上.1日1実験やれば200実験/年*は十分に達成できる.
(*実験の種類や性質によって上下する)
1学会/年:
One Presentation per Year
「発信力」を養うためには,発表を経験することが最も良い.研究成果を出して,学会で発表しよう.
また,学会での表彰を目指そう.
1論文/卒:
One Paper by Graduation
研究を「ゴール」に導こう.
研究には,いくつかの「ゴール」があり,そのうちのひとつが「論文を書くこと」になる.
論文執筆を目標にしよう.
*この目標は卒業要件ではありません.
研究の進め方:
Research
研究における一連の流れ:課題設定,調査・計画,実験,考察・結論を得る,についてを実際の研究を通じて習得する.
有機合成:
Synthesis
有機合成をおこなうにあたっての基本的な実験技術:試薬や器具の取り扱い方,不活性雰囲気下での実験法,分離・精製法に加えて,分析法とそれらの解釈方法など,を体得する.
論文の読み方:
Reading Papers
研究論文の読み方を体得する.
世界中の学術論文誌には,一日に100を超える報告がある.読むべき論文の選び方(選別)と,読み取るべき内容(抽出)を学び,効率よく情報収集する方法を習得する.
発信力:
Presentation
発表経験を経て「発信力」,すなわち資料作成能力,プレゼンテーション力,および論文(もしくは特許)執筆能力,を養う.
また,SNSなどのメディアをつかった発信を経験する.
マネージメント:
Management
研究を進めるにあたって必要なマネージメントの能力:To Do管理の方法,PDCAサイクルの回し方,チーム/個人プロジェクト管理の方法を習得する.
創意工夫:
Ingenuity
研究を効率良く進めるための様々な工夫についてを学習する.
例:Webツールを使った文献管理,AIツールを使った文献調査,3Dプリンターを使った実験器具作成など.
その他:
就職活動支援にも力を入れています.
エントリーシート(ES)添削,グループディスカッション対策,一般面接対策,技術面接対策などをおこないます.
実験:
日々,実験を頑張ろう.積み重ねが成果につながります.
研究報告会:
月1回/人の報告会
資料を作成して研究状況を報告するプレゼンテーションをおこなう.
セミナー:
月1-2回/人
文献を読み込んでその内容を紹介するセミナーや,研究提案をおこなうセミナーをおこなう.
イベント:
希望があれば様々なイベントを実施する.
研究室での(擬似)待遇*:
コアタイムフレックス制,(擬似)週休2日制,(擬似)有給制,夏季/冬季長期休暇制度
その他,大学院入試対策休暇制度,就活対策休暇制度などを設ける.
*研究室は”研究を学ぶ場”であると同時に”社会に出る前の最後の場”になる.
「企業の研究者」を意識した研究生活をおこない,それに必要な能力を養う.
研究室における考え方の基盤となったコトバを以下に示します.
今迄存在した何者よりも素晴らしくあれ.だが,決して完璧である莫(なか)れ.
科学者とは常にその二律背反に苦しみ続け,更にそこに快楽を見出す生物でなくてはならない.
(『BLEACH』(著:久保帯人)より,涅マユリ)
世の中に不満があるなら自分を変えろ.それが嫌なら耳と目を閉じ,口を噤(つぐ)んで孤独に暮らせ.
(『攻殻機動隊』(著:士郎正宗)より,草薙素子)
「やりたいこと」のために「やるべきこと」を選び取れ.やらなくてもいいことは捨て置け.
「やりたいこと」に自分のイメージを及ばないうちは,大人とは言えない.
努力した者が全て報われるとは限らん.しかし! 成功した者は皆すべからく努力しておる!!
(『はじめの一歩』(著:森川ジョージ)より,鴨川源二)
「努力する」ってのは「宝くじを買う」みたいなもの.当たるとは限らないけど,金持ちになりたきゃ買い続けるしかない.
ただ一つ違うのは,宝くじと違って努力は無料.
ないものねだりしてるほどヒマじゃねぇ.あるもんで最強の戦い方を探ってくんだよ.一生な.
(『アイシールド21』(著:稲垣理一郎,村田雄介)より,蛭魔妖一)
ないものをどうにかするために知性を培い,ウデを磨くんだ.
知性は培え,感性は保て.
歳とって知性ないやつはダサい.けど,若い時の感性は保ち続けたい.バランスよな.
(配信にて,DJふぉい(意訳あり))
科学に”失敗”はない.「実験がうまくいかない」ことは「この条件はうまくいかない」という”結果”の一つ.
こと科学において「うまくいかない」を避ける必要はない.
「正解の選択肢を選ぶ」よりも「選んだ選択肢を正解にする」.
「失敗したくない人」って,やらないこと自体の失敗には気づかない.
人間つまずくのは恥ずかしいことじゃない!立ち上がらない事が・・・恥ずかしいんだぞ!
(『こちら葛飾区亀有公園前派出所』(著:秋本治)より,両津勘吉)
俺の敵はだいたい俺です.自分の“宇宙へ行きたい”っていう夢をさんざん邪魔して,足を引っぱり続けたのは結局俺でした.他に敵はいません.(『宇宙兄弟』(著:小山宙哉)より,南波六太)
百里を行く者は九十を半(なか)ばとす.
(『戦国策』より,中国のことわざ)
「過程」と「結果」はどちらも大事だと思う.
「結果」は「過程」の積み重ねから生じるのだから,「結果」を大事にするなら「過程」をおろそかにはできない.「結果」を出さないとそこまでの「過程」が無駄になるかもしれないのだから,「過程」を大事にするなら「結果」にこだわらなきゃならない.
やっちゃいけないのは「説教」,「昔話」,「自慢話」.
(TV番組『情熱大陸』にて,高田純次)
頭は立場が上の時に下げてこそ初めて効果がある.違うか?
(『攻殻機動隊』(著:士郎正宗)より,荒巻大輔)
我々の間には,チームプレーなどという都合のよい言い訳は存在せん.有るとすればスタンドプレーから生じる,チームワークだけだ.
(『攻殻機動隊』(士郎正宗)より,荒巻大輔)
随時追記中...
*出典が明記されていないものは,複数の人物が述べたものや様々な媒体からのものをかけ合わせて表記してものです.
本ページの記載事項は,あくまで当研究室の考え方です.
ここに記載のない考え方を否定するものではありません.
他の組織(学校・学会・研究室など)や個人と相反する考えの記載がある場合でも,相反する考え方を否定するものではありません.
方針・考え方は随時改善・更新していきます.